産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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2年生1学期

5月24日(火)晴れ 停滞する清水夢愛その5

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 中間テスト最終日。本日も晴天だったことから午前中にもかかわらず気温は高めで、その中でも何とかテストを乗り切ることができた。
 特に不安な教科はないけれど、凄くできたわけでもないので、結果が出た時どれくらいの順位にいるかが今後の勉強で重要になることだろう。

 そんなテスト終わりだけど、午前中終わりだから文芸部は活動再開せず、僕はそのまま帰宅することになった。この前の明莉や原田さんみたく帰ってすぐ復習する気持ちにはなれないので、どうゆったり過ごそうかと考えていた……その時だ。

「おっ、良助。テストお疲れ様」

 ちょうど校門で清水先輩と出会う。テスト前に電話してから久しぶりに声を聞いたし、実際に対面するのはもっと久しぶりだってので、僕は少し嬉しくなる。

「清水先輩もお疲れ様です。今回もばっちりでしたか?」

「あー……それはまぁ、うん……」

 その嬉しさから勢いでそう言ってしまったけど、清水先輩の反応は予想外に悪い感じだった。

「な、何かあったんですか……?」

「いや、ばっちりかと言われるとそうでもないというか……結局自分がわかる範囲でしかできていないというか……」

「えっと……よくわからないんですけど、自信がない教科があったとか、そういうことです?」

「実は……テスト前に小織と1つ言われたことがあるんだ。”夢愛は勉強すれば私よりもいい点数が取れるんだから今回は1教科くらいは私より順位を上にできるよね?”って」

「期待されてるのはいい事かもしれませんけど、結構無茶苦茶なこと言ってますね……」

「だよなぁ。だから、私も1教科でも順位が上だったら小織に何でも言うこと聞いて貰おうということにしたんだが……」

「まさか……勉強しなかったと」

 清水先輩はバツが悪そうしながら頷く。テスト前に電話した時には勉強すると言っていたのに……と思ったのと同時にそれからの数日間も勉強していなかったのかと思ってしまった。

「逆に聞きたいんですけど、どうして勉強しないでそこそこいい順位になれてるんですか」

「わからん。普段の授業が耳に入ってるんだろう」

「さらっと言ってますけど、凄いことなんですよ? それにプラスしてちょっとでも復習すればそれこそ学年1位だって夢じゃ……」

「あー!? 小織と同じこと言ってる! 良助もそういうこと言うのか!」

 なぜか責められてしまうけど、誰だってそう言うと思う。何なら聞く人によっては清水先輩が嫌味を言っている風にも聞こえてしまうだろう。

「じゃあ、勉強したくない理由は?」

「やる気が出ないから。それにやらなくても点数が出てるから」

「そう言われると僕はもう何も言えないですけど、それならなんで落ち込んでるんですか?」

「だって、私が達成してなかったら逆に何でも聞くことになってるから。それにこの状況だと良助も含めて遊びに行こうという話を持ち出せないだろう」

「その話覚えてくれたんですね。だったら、尚更勉強しなかったことが悔やまれますけど……」

 そう言いながら僕は清水先輩がどうして勉強できないのか考えてみる。

 僕は清水先輩のようにはいかないから勉強しなければと思うけど、実際に何もしなくて学年順位1桁が取れるなら、恐らく清水先輩と同じように現状の実力で挑んでしまうと思う。
 でも、清水先輩自身は最近こそ大人しいけど探求心がある方で、本気を出せば集中力を発揮できそうだと思うから桜庭先輩が煽りたくなる気持ちもわからなくはない。
 ただ、何でも興味を持つというのは全く知らない状態からであって、授業で一度聞いた内容を反復することにはその集中力は応用できないのかもしれない。
 それに、誰かにやった方がいいと言われるとやる気を失ってしまうのは僕でもあることで……

「何を真剣に考えているんだ?」

「わぁ!?」

 そうしている間に清水先輩が僕に顔を近づけたので、僕は押していた自転車ごと倒れそうになる。この妙な距離間の無さも何だか久しぶりだ。

「大丈夫か?」

「え、ええ。清水先輩が何でそんなに勉強嫌いか考えてただけです」

「時が経てばと思っていたが、どうにもならないものだ。しょうがない、遊びに行くのは良助と二人にするか」

「ええっ!? ふ、二人ですか……」

「よくよく考えたら小織を連れていく必要ないしな」

「で、でも……」

「なんだ? 別に二人で行くのはいつも通りだし、小織に悪いと思わなくてもいいだろう」

「そう……ですね」

 桜庭先輩かどう思うかはともかく、二人で遊びに行くのは……いや、清水先輩の言う通り、いつもの散歩と変わりない。それに以前は普通に2人で行動していたではないか。

「じゃあ、どこに行くか考えないとな。うーむ……5月から6月にかけて何か特別な行事とかあるんだっけ?」

 その後、清水先輩は候補を色々と出してくれたけど、僕はあまり反応できなかった。

 家に帰った後も暑さのせいか頭がボーっとして……どうしてこんなことになっているのだろうか。単に清水先輩と会って、久しぶりに清水先輩らしい部分を見ただけだというのに。
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