産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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3年生1学期

5月12日(金)曇り時々晴れ 後輩との日常・野島結香の場合その2

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 一週間を戦い抜いたアセロラの日。
 文芸部の活動は本日も滞りなく進められて、それぞれ雑談タイムに入る。
 今日は三浦くんもすぐには帰らないでくれたので、僕と桐山くんで会話を繋いでいた。

「そういえば、この前は1年生の2人についての印象は聞かなかったけど、どうなん?」

「どうと言われましても……本当にほぼ喋ってないんですよ」

「マジで? 1年生同士で集まったりもしてないの?」

「逆になんですけど、お二人は最初の方から集まったりしたんですか?」

「俺はあったけど……産賀先輩はどうっすか?」

「うーん……集まりはしなかったかな。2人だけだったし」

「あれ? 2人だけって……」

「ああ。花園さんは後から入部したんだよ。2年生の後半の方で」

「へー そんなタイミングで入部することもあるんですね」

 三浦くんは純粋に驚いているようだった。
 未だに三浦くんにかっちりハマる話題は提供できていないけど、何とか日常会話は成り立つようになってきた。

「三浦くん」

 そんな風に話していると、突然野島さん(妹)が割り込んでくる。
 直前の話からほぼ喋ってないと言っていたから、呼ばれた三浦くんだけじゃなく、僕と桐山くんもぽかんとしてしまった。

「な、なに」

「なにって言われると困るけど、ちょっと話してみようかと思って。せっかく新入部員で一緒になったんだし」

「な、なぜこのタイミングで」

「なぜと言われても、思い立ったが吉日ってやつ?」

「どうして――」

「ああ、もうめんどくさいなぁ!」

 野島さん(妹)は直球でそう言う。

「珍しく居残ってるから来てみたのに! 別にいいじゃん話しかけたって!」

「わ、悪いとは言ってない……」

「じゃあ、素直に話してよ。まったく――」

「ま、まぁまぁ、野島さん。少し落ち着いて」

「私は冷静ですよ!」

「でも、三浦くんが委縮してるから……」

 僕がそう言うと野島さん(妹)は本当の意味で冷静に三浦くんの様子を見る。

「……ごめん。ちょっと言い過ぎた」

「い、いや……ボクも悪かった。話しかけられると思ってなかったから、つい……」

「私と石渡さんは結構話そうとしてたんだよ? なのにすぐ帰っちゃうんだから」

「は、はい……」

「……まぁ、忙しいなら話は別だけどさ。で、今日はまだ暇なの?」

「ひ、暇だけど、今は先輩方と話してる途中で――」

「産賀先輩、桐山先輩。三浦くん、借ります」

「えっ」

「ほら、石渡さんと話にいくよー!」

 野島さん(妹)は三浦くんを引き連れて、石渡さんの方へ行ってしまった。
 こちらが許可する暇なく行ってしまったので、僕と桐山くんは遅れて現状を把握する。

「産賀先輩……時には荒療治も必要なんすね」

「そ、そうだね……」

 勢いは凄かったけど、野島さん(妹)なりに三浦くんのことを考えてくれていたのだろう。
 野島さん(姉)が今日みたいな行動をしたところを見たことあるわけじゃないけど、今回の件でも姉妹らしさを感じた。
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