産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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3年生1学期

6月7日(水)晴れのち曇り 大山亜里沙と産賀良助その5

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 席替えが行われたむち打ち治療の日。
 今回は廊下側の前から3番目の席になった。

 そんな今日は席としては離れてしまったけど、大山さんがイマジナリー彼氏についての続報をくれた。

「ちょうど昨日の夜……彼氏ができたと伝えました」

「おお……で、どんな反応だったの?」

「普通におめでとうって言われた」

「へー……」

 話を聞いている限りはしつこそうな印象があったけど、彼氏ができたことに対しては結構すんなりと受け入れたようだ。
 大山さんがフォローしていた通り、根はいい人なのは本当なのかもしれない。

「じゃあ、この件は解決……ってわけにもいかないのか。その相手って前から頻繫にやり取りしてた感じ?」

「頻繁ではないんだケド……1年の夏休みくらいから絡みだして、それから……ほら。アレがあったじゃない?」

「アレ……ああ」

 大山さんが顔で示した方向には本田くんがいた。

「だから、その間はほとんどやり取りなかったんだケド……知っての通りクリスマス前にはフリーになって、そこからまた絡み出したカンジ」

「あんまり詮索するつもりはないんだけど、相手の人ってこの学校の人じゃないんだよね?」

「うん。同じ東中なだけ」

「それでその……大山さん周辺の情報がそんなに早く伝わるものなんだ」

「まぁ、アタシも周りに言って特に口止めとかしてないのもあると思う」

「それにしてもって思うけどな。僕なんて同じ中学の同級生の情報なんて全く知らないし」

「えっ。中学のLINEグループとかで近況報告とか聞かないカンジ?」

「中学のLINEグループ……」

「あっ……ご、ゴメン」

「いや、謝られると逆にダメージを受ける。それに僕が知らないのは、南中における大山さんと属していそうなグループと繋がりが薄いからだと思う」

「ふーん……どういう分類かわからないケド、うぶクンはアタシのこと、勝手にそういうグループに入れてるんだ」

 大山さんが少し拗ねたような反応をしてから、僕は自分の失言に気付いた。

「ご、ごめん。悪い意味で言ったわけじゃなく……」

「わかってる。要するに活発なグループってことでしょ」

「は、はい……」

「……でも、そんなうぶクンも高校ではアタシと繋がりがあるんだから、人生何があるかなんてわからないってコトだね」

「お、大きくまとめたなぁ」

「あっ、話が逸れちゃった。ともかく、第一段階は成功だから、あとは諦めてくれるまでイマジナリーを維持するカンジになりました」

 それで大山さんの報告は終わったけど、その件よりも大山さんに対する失言をちょっと引きずってしまった。

 大山さんがどういう人からだいぶわかっているはずなのに、心のどこかでは初期の陽キャな印象が残ってしまっている。
 相手がどう思うかにかかわらず、印象だけで話すのは気を付けたいと改めて思った。
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