産賀良助の普変なる日常

ちゃんきぃ

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3年生1学期

7月4日(火)晴れ 後輩との日常・姫宮青蘭の場合その18

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 テスト4日目の梨の日。
 この日も昨日と同じくらい暑かったので、テストが終わるまでは我慢できたけど、終わった後に異様に喉が渇いてしまった。
 お茶を持参していたけど、ここは冷たい飲み物が飲みたいと思って、僕は1階の購買に向かう。
 購買自体はテスト期間中で閉まっているけど、そこには自販機が置いてあるのだ。

「あっ」

 そんな自販機の前に到着すると、偶然姫宮さんと遭遇する。

「お疲れ、姫宮さん。何か飲み物を買いに来たの?」

「お疲れ様です。飲み物は買いに来ていません」

「えっ。じゃあ、なんで自販機の前に……」

「小銭を拾いに」

「ま、マジか……」

「良助先輩。真に受けられるのは普通にショックなんですが」

 そう言いながらも姫宮さんの表情はそれほど変わっていないように見えた。
 ただ、そのセリフは僕の罪悪感を煽るには最適だ。

「ご、ごめん。そんなつもりじゃなかった」

「その反応を待っていました」

「くっ、そうだと思ったけど!」

「本当は濃いお茶を買いに来ました」

「そうなんだ。ジュースじゃなくて?」

「自販機のジュースは少し高いので」

「まぁ、確かに」

 でも、冷たい飲み物を今すぐ欲している僕には数十円の違いは気にならなかった。
 まぁ、缶ジュースを買えばペットボトルよりは安く済む……

「ちなみに本当の気分的には小清水のぶどうジュースが飲みたいです。ペットボトルの」

「……はい?」

「参考までに」

「……わかったよ」

 テクニカルなねだられ方をしてしまったので、僕は姫宮さんにおごることにした。
 ついでに自分の飲み物もペットボトルにしたので、出費はだいぶかさんでしまった。

「ありがとうございます」

「いやいや。ただし、部活の他の人には言わないでね」

「路子先輩にもですか」

「まぁ、路ちゃんならいい……いや、駄目なのか……うーん……」

「それにしても良助先輩もぶどうジュースの気分だったんですか」

「特に決めてなかったけど、言われたら飲みたくなったんだ」

 僕はそう言ってからすぐに蓋を開けて半分くらいまで一気に飲み干す。
 それだけでかなり生き返った気分になった。
「相当喉が渇いていたんですね」

「……うん。朝の自転車で熱が入っちゃったのかも」

「それなら――良助先輩の方が多めに飲んだ方がいいですね」

 そう言うと姫宮さんは僕のペットボトルを取り上げて、代わりにまだ開けてないペットボトル渡す。

「いや、それは悪い……というか、僕の飲みさしだから!」

「おごってもらった身なので文句は言いません。それでは」

「ちょっ……」

 僕は姫宮さんを呼び止めようとしたけど、早足でそのまま去ってしまった。
 確かに僕が買ったものではなるけど……違う。問題はそこじゃない。
 でも、先日の実香さんの一件を考えると、姫宮さんは僕の飲みさしでも気にするほどのことではないということ……なのだろうか。
 こんなことなら一気飲みせずに少しずつ飲むべきだったと、謎の反省をしながら帰った。
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