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「乙女ロードは止まらない!!」歌えるよ!!

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あまりにも、あんまりな私の娘でもあり、ゲーム世界ではお世話になるリコーリアの設定を、とりあえずは普通にする為に、私は女神様とまさに膝を突き合わせての相談です。

精神と時の部屋もどきで、私はまた女神様と地べたに座り込む形で、私の痛い黒歴史ノートを広げて、アレやこれやと相談を始める事に。てか、気持ち的にはノートやらペンを出せるんだから、そろそろフツーにテーブル出せよと思いますが、これ以上の何やらを私が言い出すと、話がズルズル伸びそうなので、いい事にしときます。



では。



「えーっと、まずは羽根は全部無くして。虹色の瞳もやめてください。あ、でも多少の厨二病要素は残したいので、髪色はそのままだけど、目の色は私の好きな色でのオッドアイでお願いします。」


《好きな色でですね。虹色でなくてよいのですか?》


「若い頃はそれがカッコいいと思っていたのですが、今はそうではないですからね。…片目は私の好きな、青緑色を軽く明るくした色に。もう片方は、私の生きていた時に飼っていた猫のオセロさんの目の色でお願いします。緑がかった、金色の瞳です。私にとって、あの子は他にもいた猫家族の中でも、特別な相棒でしたから。それでお願いします。」



《わかりました。リコさんの記憶からオセロという猫を確認しましたから、この子の瞳の色にリコーリアさんの瞳の色を変更しますね?》



「お願いします」



私の相棒、可愛いオセロたん。ゲームのオトモでも、ずっとサポートしてくれていた。もう亡くなってとっくに虹の橋の向こう側だけど、何かの形で私とは繋がっていたい。

いやほらさっさ、本来なら私も死んでるから、オセロと会えるかも知れないけど。 今、変なことに巻き込まれちゃってるからね。もう少し待ってておくれ。





「性格は天真爛漫で大丈夫かと。明るくて、ある程度他人に対して控えめであれば。」


《ふむふむ》


「あと、服はこんな感じのが…」


今のリコーリアは、まっっったくセンスのないシンプルすぎるワンピースを着ている。そこに羽根がドバッと付いていたのだから、違和感半端なかった。羽根を無くしたなら、とりあえず、服装をなんとかしてやらねば。

設定を考えたあの若き日よりは、可愛い服を考えられるようになったからね。異世界の学園ぽく、フリルも付けつつ、学生らしいものをリコーリアに贈ろう。地べたでノートに、女神様から出してもらったペンを使って、制服案を描いていく。




《 まぁ!この制服はとても可愛らしくて素敵ですね!》



お、女神様からのお褒めの言葉をいただいたぜ!



《では、制服はこれで行きましょう。男子制服もコレを元に色違いで設定しますわ。》


と、女神様が指をパチンと鳴らすと、リコーリアの足元からいつものピンクの光がふわりと上昇して、足元から柔らかなつむじ風のように頭上に吹き上がると、リコーリアの姿が可愛らしい制服を纏ったものに変化した。

余分な羽根達もなくなり、心なしかリコーリアの表情がスッキリした気がする(*´σー`)エヘヘ


てか、おお、てかさ!


ウチの子可愛い!え。なにこの子、可愛くないですか?映像がそれぞれ読んでくださる方に委ねてしまいますが、とりあえずそれぞれ、ご自身が可愛いと思うイメージでのリコーリアをご想像下さい。どうでしょうか?とっても可愛らしいでしょう?うちのリコーリアたん!



虹色の光を髪色に纏った、真珠色のプラチナブロンドに、(早い話が、白髪はくはつに虹色の光沢があり、光の加減で水色やらピンクに見えます。お側にある真珠の光沢をご参考にお願いします。わからない場合は、Google先生にお聞きくださいませ。)森の中の流れる川を思わせる青緑色の透き通った右目に、うちの可愛いオセロたん(可愛いヌコたんをご想像お願いします)の緑がかった金色の左目というオッドアイ。





はぁん、ヤバい!





このリコーリアの容姿ならば、私の大好きな






「IKB48」 のセンターなれそうだよ!





デビューシングル、「乙女ロードは止まらない!」をめっさノリノリで歌って踊れそうだよ!




キャハー!と、年甲斐もなくクネクネする私に、女神様は全ての表情をなくしながら、さっさと次へ行くぞと促したのでした。



なんだよ、いいじゃんかー。自分のキャラを可愛くしてもらえた喜びくらい、浸らせてくれよー。さっきまで、自分だって私に自分のキャラ褒められてキャッキャ喜んでたやんけ!




《では、あらためてこのゲームの世界でのリコさんの立ち位置をご説明いたしますよ?》




どこか突き放すような冷たいお言葉で、そう告げられました。





なんだよー、創造神さくしゃ様の仲間の神様が、本編に行くのが長すぎるって言葉をもらったからって、そんなに急ぐ事ないじゃんか。(なんかチラッと女神様がボソリと言っていたのです)



ぶーぶーと、私が不平不満を漏らすのを、愛の女神様はまるで気になさらずに設定への取り決めへと、私の膝下にあるノートに目を向けたのでした。






《それでは、このゲームをわたくしがプレイするにあたり、リコさんとの大切な繋がりのご説明をいたしますよ?》




「………うう~…はぁ~~~い…」







いよいよ、とうとう。










私がゲームの世界に旅立つ時はきたようだ。


















…………行きたくないなぁ。




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