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チュートリアル開始!

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「 おのれ、創造神さくしゃーーーーっ!!!その位は早く気付けよーーーーっっ!!( ̄曲 ̄) キー!!」



リコーリアとしてゲームの中に入った私の第一声は、コレでした。ベッドの上で、寝巻きのまま飛び起きながらの魂の叫び。




《リコさんったら、せっかくの可愛い姿と美しい声で、いきなりそんな罰当たりな…》



そんな私に、精神と時の部屋もどきのあの場所の時のように、女神様が話しかけてきました。




「だって、よく考えたら魔法使えるんですよ?ここゲームの中ですもん! ライトノベルのチート勇者な主人公じゃないですよ、私!それならゲーム内の決められた魔法なら、使っても頭悪いとか関係ないじゃないですか!!」







ん?今2人分の声で あ って言ったよね?
そこに居るのか創造神!!


「 ちょっと!そこにいますね⁈ 創造神!!今からでも何とかして下さいよ!! 」


《残念ですが、ゲーム内に入った時点で、もうゲームはスタートしていますので、今からゲーム内容の変更は出来ません。それに、このゲームを作ったのはわたくしで、創造神様は根本としては関係しておりません。ただ、ご自身の保身に走っただけですので。それ以上は関わってくる事はございませんから…》



ぐぬぬぅうう…チクショウ。



もう変えようがないなら、仕方ない。諦めてゲームを進めるしかないか。といっても、プレイヤーは女神様だから、これからどう動くのかわからないし。



「はあ…仕方ないか…。恋愛に魔法バトルはまあそぐわないだろうしね……。  そういや女神様、この恋愛ゲームは、どんな風に進めていくゲームなんですか?魔法がないんだし、バトル系の入ったゲームではないですよね?」


ゲーム内の自室ベッドであぐらをかいて座りながら、リコーリアになった私はゲーム内容の確認をする。どんな風に恋愛が進められていくのかはやはり気になるしね。


恋愛ゲームなんだから、やはりノベルみたいにキャラが立ってて会話形式?で、選択肢を選んでくみたいな感じかな? あまりやったことないんだよね、そのタイプのゲーム。小説とか読むの苦手だから、文章読んでるだけでダレてきちゃって、途中で諦めちゃうんだよね。まあ、プレイするのは女神様だから、今回は関係ないか。




《そうですね、リコさんの情報の中でわかりやすそうなシュミレーション系のゲームがございましたので、それを使わせて頂こうかと思います。》




ん?私の情報?




《ここでまた説明に入ってしまいますと、他の神達と読者の方に変わってないではないかと叱られてしまいますので、詳しくはチュートリアルで。》




「へ?うおっ⁈」



ビョン!! っと、私の身体が勝手に引っ張られる様に立ち上がり、勝手に服を着替えていく。


どうやら女神様が○ボタンを押して次へ進めたようです。





てか、鏡の前でせっかくの可愛い姿を見てクルクルしたかったのに、学生カバン持ってさっさか部屋を飛び出していく私、リコーリア。 客観的に制服着た今の姿を見て見たかったなー。とか勝手に動く身体で至極残念に思っていると、リコーリアの声で空間に響き渡る声が。






= わたしはリコーリア。今日からこのシャインスカイ学園の高等部淑女科の一年生。 この学園は、王族から平民まで幅広く開放された学園で、教師や生徒達の仲も温厚だ。そもそも、このシャインスカイ王国は貴族と平民達の距離が近く、貴族達も気さくな人達が多い。貴族と平民との恋愛も自由だ。 =




あ、これナレーションってやつか。




=  この平和な国の、この学園で。私はどんな出逢いをして、どんな風に生活していくのだろう。今日から始まる学園生活!ホントに楽しみ!! =



ふむふむ、まずは無難な始まりですね。って、身体が勝手にてくてく歩いていくから、どこに向かってるのかさっぱりだけど。少しして、とあるドアの前に立ち。カラリと軽い音を立てて扉を開けた。あ、この扉、取っ手が付いてるけど横にスライドさせて開くタイプなのね?勝手に身体が動いてくれるから間違えずに済んでるけど、コレ自分の意志で動かしてたら、扉を押すか引くかしばらくガタガタやりそうだ(笑)



「おはよう御座います」



あ、教室か。ここがゲーム内の私の通う教室ってことなんだね。うわぁなんだかゲームの中だけど懐かしい感じがする。

開け放たれた窓からは、どこかで咲いてるのか花の香りが教室内に入ってきて、ほんわりといい香り。
めっちゃ現実感ある!凄いな!


教室内には何人かのクラスメイトがいて、知らない人ばかりだけど朝の挨拶を交わす。


席はまだ決まっていないから、適当に座ってるらしい。自分もそれに習って適当な席につく。


すると、次に開いた扉から人懐こそうな笑顔の女の子がこちらを見て嬉しそうに駆け寄ってくる。





「おはようリコーリア!同じクラスになれるのを知って、すごく待ち遠しかったんだよ!」



…ん?この子とリコーリアは以前からの友達ってことかな? というかこのキャラはどっかでみた事が…?




《あ、そのキャラクターはサブキャラとして使いやすそうでしたので、リコさんのノートからお一人お借りしました( ´ ▽ ` )》


へぁ⁈


= 彼女は私の幼馴染で、子爵家のお嬢様。名前は
キリー・カイード。 私は平民だけど、カイード子爵領でお世話になってて、その子爵様のお嬢さんであるキリーとは、小さな頃からの大の仲良し! 彼女は情報通でもあり、彼女にその日の夜に攻略キャラクターの事を聞くと、私と攻略対象との距離感を教えてくれるよ!=




…キリー・カイード…




霧ちゃんかぁ。 リコーリアと同じ時期に作った妹系キャラだ。どちらのキャラクターも可愛いけど、リコーリアと霧ちゃんは性格や姿はほぼ同じ感じで作ったから、キャラ被るんだけどな。(髪色とかは全然違うけど) でもまあ、サブキャラとしてなら仲良くキャッキャできそうだし、まぁいいか。それに、私の中ではこの2人は生きてる世界が違うから、こうして使ってもらえてるのはちょっと嬉しいかも。よし、よろしくね霧ちゃ…いや、キリーちゃん。



「もうすぐ入学式が始まるよ!一緒にいこ!」




そう言って、キリーは私の手を取って、教室を一緒に出ることになった。








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