11 / 59
十一杯目『内輪話』
しおりを挟む
ある昼下がり。
ジャックは紙袋を一つ抱えて有栖川茶房の扉を開けた。
がらんとした店内。それはいつものこと。しばらく前に変えたドアベルが乾いた音を立てるのもいつものこと。
「ん……? 弥生は居ないのか?」
カウンターの中には、桂一人しか居ない。
狭い店内を一巡見渡しても、他に誰も居なかった。
「今日は宇佐木くん、お休みだよ」
「この店に休みなんてあったのか」
「お休みの日くらいあるよう。人聞き悪いなぁ。ブラックみたいな言い方しないでよ」
「ブラックじゃなかったのか」
「ちょっと、ジャック。酷くない? 酷くない?」
「だが、そうか、休みか。いいコーヒーを持ってきたんだが、出直すか」
と言いながらも、ジャックはいつものカウンター席に腰を下ろした。
持っていた包みはカウンターの上へ。
「コーヒーの仕入れなんて頼んでないよね?」
「いや、先日なにやら機嫌を損ねていたようだったからな。そもそも、俺が悪いわけじゃないと思うが、あんまり拗ねられても困るから」
「ご機嫌取り、って訳だ」
「まあな」
「でも、原因もわからずご機嫌取っても、悪化させるだけじゃない?」
「俺がアリスちゃんを連れてクオーリに行ったのが気に入らないんだろ」
「なんだ。解ってるじゃない。この間は何のことだか解りませんみたいな顔しちゃってたのに」
確かにわからないふりをして見せた。
もう一人の当事者は本当にわかってない様子だったというのも理由の一つにある。
アリス。
本が好きな女子大生。
彼女が店に来ると、否応なしに誰もがざわつく。
特に宇佐木が目立って反応しているのは確かだ。
「というか、弥生はどこまで本気なんだ」
「そんなの本人に聞けけばいいいじゃない。僕はそこまで知らないし、そんなことまで面倒見きれないよ」
「本人に聞くのもな……」
「どうせ〝アリス〟っていう存在だからっていうだけなんじゃないの?」
「だからいいというわけでもないが……」
「まあ、僕らは〝アリス〟っていうだけで興奮しちゃうからね。この店に入れたのも偶然じゃないのは間違いないし。もー、いいよね、〝アリス〟ちゃん!」
「当人は何も知らないし気づいてないのに……」
「僕が勝手に巻き込んだみたいな言い方しないでよね。ジャックだって大いに荷担してるじゃない。クオーリにまで連れてっちゃってさ」
「あれは、ずぶ濡れで歩いてたからそのついでに……」
「ついで? ついででキングにまで紹介しちゃうの?」
「そういうつもりじゃ……」
「何言ったってジャックも立派な共犯だからね。どうしてもこれ以上はって言うなら力尽くで引き離したらどう? 本気になればそのくらい出来るでしょ」
「それは……」
「結局ジャックだってアリスちゃんのこと気に入ってるんでしょ。解ってるんだからね~」
「……嫌な奴だ」
「ふふん」
桂とだけ話していると、どうしても気分が重くなる。
眼前の楽天家が目障りなのも多少ある。それ以上に、ズレているのに核心を突いてくるのが何よりも気に入らない。
気に入らない。
そう思った時点で本当は反論の余地などないことがわかっているからこそ、尚気分が沈む。
「そういえば、てっさは?」
「今は上だよ」
「そうか……」
「なあに? 僕と二人っきりで会話はつまんない?」
「不穏な方向に流れていくから息苦しいな」
「そんなこと言わないでよう。いつもは出来ない会話とか出来て楽しいじゃない。宇佐木君のコイバナとか」
「俺は現実を突きつけられて逃避したい気分だ」
「そんなに嫌な現実だった? 僕はそんなに悪くないと思うけどなぁ、この現状」
「俺たちにとっては、だろう。巻き込まれた方が可哀想だ」
「そう思うなら――」
「桂。話が堂々巡りする。やめよう」
「はぁい」
黙れと言われた桂はにやにやしながらゆらゆらしている。
これ以上無駄話をしても仕方がない。
自然とこぼれたため息をカウンターに落とし、いざ立ち上がろうかと思った時、
「じゃあせめて、何か注文してよ」
まさかの注文の催促が来た。
答えは一つ。
「コーヒー」
「ちょっとお!」
答えはわかっていただろうに、桂はわかりやすく口を尖らせて怒っている。
「俺の身体はコーヒー以外受け付けない」
「この間、二杯目は紅茶って言ってたじゃない!」
「ん。言ったか?」
「言ってたよ~! もー、録音しとくんだった」
「コーヒーが出てこないならもう用事はないな」
「もー。そんなに早く帰りたいのー?」
帰りたい。
そう思っているのに、つい会話につきあってしまう自分もいる。
「なんだったらドリップバッグでもインスタントでもいいんだぞ」
「そんなにしてまで紅茶飲みたくないの?」
「だから言っただろう。俺はコーヒーで生きてるんだ。むしろ、桂は何で頑なに紅茶にこだわるんだ。プレスを使えばやることは紅茶もコーヒーも変わらないだろう」
「嫌なの! 僕は紅茶にこだわり持ってるから、コーヒーに浮気したくないの!」
「なんだその理論」
「それに、コーヒーは裏メニューみたいなものだし、宇佐木くんの担当だから僕はやらないの!」
「裏メニューと言うことは、公認ではあるんだな。大体、メニューに載ってるだろう」
「認めてないっ」
「それに、その担当者は今日は公休なんだろ。店主が責任もって注文の裏メニューを出すのが道理だろうが」
「だ さ な い !」
正論が通らない相手にどれだけの理屈で対抗できるか。
そんなゲームになりつつある。
「ここまで頼んでいるのに出してくれないのか……。なんて奴だ……」
試しに泣き落とし。
「そんな切ない声出したってダメなんだからね!」
通用しなかった。
「チッ」
「舌打ちした! 信じられない!」
「注文に応えない店主の方がよほど信じられないがな」
「もー! ジャックには水しか出さない!」
「水も出してくれてなかったのか。酷い店だな」
紙袋が置かれているだけだったカウンターに、ようやく投げつけられるように水がやってきた。
その水も、ほとんどが氷で飲めるのはごく僅か。すぐに飲み干してしまうと、グラスについた結露をまとめて流して暇を潰すくらいしか出来なくなった。
グラスをいじるジャックの前で、まだ桂はゆらゆらしている。
紅茶の注文を期待してか、もしくは、その動きに意味はないのか。
ジャックは改めてからっぽの店内を一瞥した。会話を遮る者も、混ざってくる者も居ない空間の中。黙ってしまうとそこは少し静寂が強い。
誰か一人でも居れば勝手に騒々しくなるのに。一番騒々しい桂が黙って揺れているだけだと、本当に音が無い。
桂。宇佐木。てっさ。イトーくん。
有栖川茶房で見かける面々を思い起こすと、もう一人居た。
最後に顔を合わせてからだいぶ経っているせいで、正直今の今まで忘れていた。
「そういえば、最近真白の姿を見たか?」
「ううん。数ヶ月前に来たっきり全然見てないよ」
「そうか。数ヶ月前か……」
「重なるね」
「あいつが導いたんだろうな……きっと」
「まあ、そうだろうね」
「アリスがここに出入りしている以上、気をつけた方がいい」
「それは解ってるよ。気をつけようもないのも実情だけどねー」
「とにかく、姿を見かけたら気をつけろ」
「はいはーい」
内輪話はここまでにして切り上げる。
次に一瞥するのは左手首に巻いた腕時計。
いい頃合いだ。
「さて、そろそろ行かないと」
「えー。どうせ暇なんでしょー? 紅茶でも飲んでゆっくりしていきなよー」
「妃さんを迎えに行く時間なんだ。それに、どうせ何注文しても出してくれないじゃないか」
「それはジャックが紅茶頼んでくれないからだよ」
「桂と話してると話題問わず堂々巡りするんだな。よく解った」
「なにが解ったのさぁ。もー」
立ち上がりながら置きっ放しだった紙袋を桂に差し出す。
「これ、弥生に渡しておいてくれ」
受け取った桂は袋の端をくんくんと嗅いで口元を緩ませていた。
――こいつ、なんだかんだ言ってコーヒー好きなんじゃないだろうか……。
疑念が頭をよぎるも、問い質している時間は生憎無い。
確かめるのは次の機会にするとしよう。
「今度は紅茶のお土産待ってるねー」
「注文されたら持ってくるかもな」
「おみやげ~」
「じゃあな」
出されたのは水だけのため、会計もなくジャックは店の外に出た。
扉が閉まる瞬間まで、土産をせがむ桂の声がしたが、当然のように無視をする。
じわりと照る太陽の光が暑い。
すでに初夏だ。
「ティーソーダなら飲んでやってもいいか」
独りごちて、ジャックはその場を後にした。
ジャックは紙袋を一つ抱えて有栖川茶房の扉を開けた。
がらんとした店内。それはいつものこと。しばらく前に変えたドアベルが乾いた音を立てるのもいつものこと。
「ん……? 弥生は居ないのか?」
カウンターの中には、桂一人しか居ない。
狭い店内を一巡見渡しても、他に誰も居なかった。
「今日は宇佐木くん、お休みだよ」
「この店に休みなんてあったのか」
「お休みの日くらいあるよう。人聞き悪いなぁ。ブラックみたいな言い方しないでよ」
「ブラックじゃなかったのか」
「ちょっと、ジャック。酷くない? 酷くない?」
「だが、そうか、休みか。いいコーヒーを持ってきたんだが、出直すか」
と言いながらも、ジャックはいつものカウンター席に腰を下ろした。
持っていた包みはカウンターの上へ。
「コーヒーの仕入れなんて頼んでないよね?」
「いや、先日なにやら機嫌を損ねていたようだったからな。そもそも、俺が悪いわけじゃないと思うが、あんまり拗ねられても困るから」
「ご機嫌取り、って訳だ」
「まあな」
「でも、原因もわからずご機嫌取っても、悪化させるだけじゃない?」
「俺がアリスちゃんを連れてクオーリに行ったのが気に入らないんだろ」
「なんだ。解ってるじゃない。この間は何のことだか解りませんみたいな顔しちゃってたのに」
確かにわからないふりをして見せた。
もう一人の当事者は本当にわかってない様子だったというのも理由の一つにある。
アリス。
本が好きな女子大生。
彼女が店に来ると、否応なしに誰もがざわつく。
特に宇佐木が目立って反応しているのは確かだ。
「というか、弥生はどこまで本気なんだ」
「そんなの本人に聞けけばいいいじゃない。僕はそこまで知らないし、そんなことまで面倒見きれないよ」
「本人に聞くのもな……」
「どうせ〝アリス〟っていう存在だからっていうだけなんじゃないの?」
「だからいいというわけでもないが……」
「まあ、僕らは〝アリス〟っていうだけで興奮しちゃうからね。この店に入れたのも偶然じゃないのは間違いないし。もー、いいよね、〝アリス〟ちゃん!」
「当人は何も知らないし気づいてないのに……」
「僕が勝手に巻き込んだみたいな言い方しないでよね。ジャックだって大いに荷担してるじゃない。クオーリにまで連れてっちゃってさ」
「あれは、ずぶ濡れで歩いてたからそのついでに……」
「ついで? ついででキングにまで紹介しちゃうの?」
「そういうつもりじゃ……」
「何言ったってジャックも立派な共犯だからね。どうしてもこれ以上はって言うなら力尽くで引き離したらどう? 本気になればそのくらい出来るでしょ」
「それは……」
「結局ジャックだってアリスちゃんのこと気に入ってるんでしょ。解ってるんだからね~」
「……嫌な奴だ」
「ふふん」
桂とだけ話していると、どうしても気分が重くなる。
眼前の楽天家が目障りなのも多少ある。それ以上に、ズレているのに核心を突いてくるのが何よりも気に入らない。
気に入らない。
そう思った時点で本当は反論の余地などないことがわかっているからこそ、尚気分が沈む。
「そういえば、てっさは?」
「今は上だよ」
「そうか……」
「なあに? 僕と二人っきりで会話はつまんない?」
「不穏な方向に流れていくから息苦しいな」
「そんなこと言わないでよう。いつもは出来ない会話とか出来て楽しいじゃない。宇佐木君のコイバナとか」
「俺は現実を突きつけられて逃避したい気分だ」
「そんなに嫌な現実だった? 僕はそんなに悪くないと思うけどなぁ、この現状」
「俺たちにとっては、だろう。巻き込まれた方が可哀想だ」
「そう思うなら――」
「桂。話が堂々巡りする。やめよう」
「はぁい」
黙れと言われた桂はにやにやしながらゆらゆらしている。
これ以上無駄話をしても仕方がない。
自然とこぼれたため息をカウンターに落とし、いざ立ち上がろうかと思った時、
「じゃあせめて、何か注文してよ」
まさかの注文の催促が来た。
答えは一つ。
「コーヒー」
「ちょっとお!」
答えはわかっていただろうに、桂はわかりやすく口を尖らせて怒っている。
「俺の身体はコーヒー以外受け付けない」
「この間、二杯目は紅茶って言ってたじゃない!」
「ん。言ったか?」
「言ってたよ~! もー、録音しとくんだった」
「コーヒーが出てこないならもう用事はないな」
「もー。そんなに早く帰りたいのー?」
帰りたい。
そう思っているのに、つい会話につきあってしまう自分もいる。
「なんだったらドリップバッグでもインスタントでもいいんだぞ」
「そんなにしてまで紅茶飲みたくないの?」
「だから言っただろう。俺はコーヒーで生きてるんだ。むしろ、桂は何で頑なに紅茶にこだわるんだ。プレスを使えばやることは紅茶もコーヒーも変わらないだろう」
「嫌なの! 僕は紅茶にこだわり持ってるから、コーヒーに浮気したくないの!」
「なんだその理論」
「それに、コーヒーは裏メニューみたいなものだし、宇佐木くんの担当だから僕はやらないの!」
「裏メニューと言うことは、公認ではあるんだな。大体、メニューに載ってるだろう」
「認めてないっ」
「それに、その担当者は今日は公休なんだろ。店主が責任もって注文の裏メニューを出すのが道理だろうが」
「だ さ な い !」
正論が通らない相手にどれだけの理屈で対抗できるか。
そんなゲームになりつつある。
「ここまで頼んでいるのに出してくれないのか……。なんて奴だ……」
試しに泣き落とし。
「そんな切ない声出したってダメなんだからね!」
通用しなかった。
「チッ」
「舌打ちした! 信じられない!」
「注文に応えない店主の方がよほど信じられないがな」
「もー! ジャックには水しか出さない!」
「水も出してくれてなかったのか。酷い店だな」
紙袋が置かれているだけだったカウンターに、ようやく投げつけられるように水がやってきた。
その水も、ほとんどが氷で飲めるのはごく僅か。すぐに飲み干してしまうと、グラスについた結露をまとめて流して暇を潰すくらいしか出来なくなった。
グラスをいじるジャックの前で、まだ桂はゆらゆらしている。
紅茶の注文を期待してか、もしくは、その動きに意味はないのか。
ジャックは改めてからっぽの店内を一瞥した。会話を遮る者も、混ざってくる者も居ない空間の中。黙ってしまうとそこは少し静寂が強い。
誰か一人でも居れば勝手に騒々しくなるのに。一番騒々しい桂が黙って揺れているだけだと、本当に音が無い。
桂。宇佐木。てっさ。イトーくん。
有栖川茶房で見かける面々を思い起こすと、もう一人居た。
最後に顔を合わせてからだいぶ経っているせいで、正直今の今まで忘れていた。
「そういえば、最近真白の姿を見たか?」
「ううん。数ヶ月前に来たっきり全然見てないよ」
「そうか。数ヶ月前か……」
「重なるね」
「あいつが導いたんだろうな……きっと」
「まあ、そうだろうね」
「アリスがここに出入りしている以上、気をつけた方がいい」
「それは解ってるよ。気をつけようもないのも実情だけどねー」
「とにかく、姿を見かけたら気をつけろ」
「はいはーい」
内輪話はここまでにして切り上げる。
次に一瞥するのは左手首に巻いた腕時計。
いい頃合いだ。
「さて、そろそろ行かないと」
「えー。どうせ暇なんでしょー? 紅茶でも飲んでゆっくりしていきなよー」
「妃さんを迎えに行く時間なんだ。それに、どうせ何注文しても出してくれないじゃないか」
「それはジャックが紅茶頼んでくれないからだよ」
「桂と話してると話題問わず堂々巡りするんだな。よく解った」
「なにが解ったのさぁ。もー」
立ち上がりながら置きっ放しだった紙袋を桂に差し出す。
「これ、弥生に渡しておいてくれ」
受け取った桂は袋の端をくんくんと嗅いで口元を緩ませていた。
――こいつ、なんだかんだ言ってコーヒー好きなんじゃないだろうか……。
疑念が頭をよぎるも、問い質している時間は生憎無い。
確かめるのは次の機会にするとしよう。
「今度は紅茶のお土産待ってるねー」
「注文されたら持ってくるかもな」
「おみやげ~」
「じゃあな」
出されたのは水だけのため、会計もなくジャックは店の外に出た。
扉が閉まる瞬間まで、土産をせがむ桂の声がしたが、当然のように無視をする。
じわりと照る太陽の光が暑い。
すでに初夏だ。
「ティーソーダなら飲んでやってもいいか」
独りごちて、ジャックはその場を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる