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二十一杯目『真夏の果実』
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氷もマンゴー、添えてある果実もマンゴーというマンゴー一色のかき氷を前に、有紗は興奮していた。
宇佐木の夏休み明けを待って有栖川茶房を訪れたところ、予告通り台湾風喫茶に変貌を遂げていた。今回が本番だという台湾風喫茶は、メニューも充実し、かつ、きちんとメニューが作られていた。前回のような手違いもなく、いつものような混乱もない。
サマーカットされた後、少し毛が伸びたてっさが出迎えてくれて、今日も隣の席に居る。てっさは椅子に後ろ足で立ち、カウンターに前足を乗せると、自分用に出された何の変哲も無い削った氷をぺろぺろと舐めていた。
負けじと有紗もマンゴーづくしのかき氷を頬張る。
「う~ん、最高!」
外は猛暑日。残暑と言うには厳しすぎる気温の中やってきた甲斐があった。
火照った身体が急激に冷やされて、思わず身震いする。
かき氷のお供は温かいウーロン茶だ。おなかが温まり、心なしかほっとする。
「ねえねえ、他にも色々用意したんだよ~。大根餅とか、豆花とか。アリスちゃん、仙草ゼリーなんてどう?」
桂が生き生きとして、今日は一段とくねくねしている。
「そんなにいっぱい食べられないですよう。それに、仙草ゼリーって薬っぽくてすんごい苦い奴でしょ? やだー」
直球で断り、桂の方は見ないことにした。目を合わせればそのたびに何か勧められそうな気がしてならない。経験がそう語っている。
話題を逸らすべく見たのは宇佐木の方。
「宇佐木くん。夏休みはどうだった?」
「結局何もしなかった。外あっついしさぁ。出かけたって溶けそうになるだけだし」
「確かに、観光したい気温じゃないよね」
「アリスもバイト、頑張ってるみたいじゃん」
「やっと慣れた所なんだけど、そろそろ終わりなんだよね。出来そうだったら夏休み終わっても少しだけシフト入れて貰ってもいいかなーなんて思ってるんだけど」
「サークルに入るかどうかも悩んでたのに、大丈夫か、それ」
「そうなんだよー。でも、バイト楽しいから辞めたくはないなぁって」
「ま、無理のないようにな」
「はーい」
――なんだかお母さんみたい。
アルバイトのことはもう少し悩むことにしよう。
取り敢えずは目の前のかき氷だ。
隣で猫が夢中になって氷を舐めているのを見て、
「てっさも美味しい?」
と尋ねれば、
「ぶなぁ」
とのこと。
有紗も続きを食べ始めた。
*
「美味しかったぁ」
店を出た有紗は一つ伸びをして、駅へと向かって歩き始めた。
間もなくして、
――?
鞄の中から振動を感じてケータイを取り出すと、母親からの着信だった。
宇佐木の世話焼きに母親を感じたタイミングでかかってくるとは、妙なこともあるものだ。
通話ボタンを押し、電話に出る。
「なあに、どうしたの?」
「どうしたのじゃないわよぉ。夏休みはこっちに戻ってこないの?」
「バイト結構詰まってるし、そっちに帰っても何もすることないんだもん」
「そんなコト言わないで戻ってきなさいよぉ。お父さんも寂しがってるわよ~」
「ねえ、なんか後ろがうるさいけど、今、外なの?」
「デンマークにいるの~。お父さんと二人旅なの」
「デンマーク! 海外に居るの! ってこれ、国際電話? お金かかるからかけてこなくていいのに」
「だって、有紗ちゃんの声聞きたくなっちゃったんだもん」
「寂しがってるとかなんとか言って、自分たちだって楽しんでるじゃない。とにかく、今年の夏は帰らな――」
「あっ。そろそろ行かなくちゃ。じゃあねぇ~」
一方的に電話は切れた。
元々自由な親だったが、有紗が大学に入ってから自由度が増した気がしていた。その一端がこの電話だ。
この分だと冬にも戻ってこいと言う同じような電話がかかってくるに違いない。
実家は嫌いではないが、一人暮らしが楽しくて戻る気が起きないのが正直なところだ。
――またバイト入れちゃえばいいかなぁ。
親の帰ってこい攻撃への検討と対策をもやもやと考えていると、向かいから見覚えのある人が歩いてきていた。
この真夏に黒いスーツにチャコールグレーのシャツ。黒髪に、端整な顔立ち。
「あっ。環さん!」
「アリス……。久しぶり」
意外、とでも言いたそうな少し驚いた顔をして環は立ち止まった。
「あの、この間は奢って頂いてありがとうございました。デザートまでつけて貰っちゃって……なんだかすみませんでした」
「いいんだ。エースが……朝が迷惑掛けたし。気持ちだと思って、奢られてくれ」
「ありがとうございます!」
改めて頭を下げる。
暑さのせいか緊張しているのか、気付けば手汗を掻いている。
顔を上げれば、汗一つかいていないような涼しげな二枚目が目に入る。正視しているのは、少し気恥ずかしい。
そう思って伏せた目線の先に入ってきたのは、仕事用と思われる鞄だ。
「今日はお仕事ですか?」
「ああ。一段落したから有栖川茶房で涼もうかと思ってな」
「丁度今、台湾風喫茶やってますよ。かき氷、超美味しいです」
「桂がまたやったのか……」
「六月にプレオープンしてて、今回が本番みたいです」
「あいつはまったく……」
桂の改装については方々で有名のようだ。そして、困ったもの扱いされているのも共通している。
有紗にとっては――宇佐木は可哀想だが――一つのお店で色々と楽しめて楽しいので、悪い気は全くしていない。
「……アリスは、好きであそこに通っているようだな」
「はいっ。宇佐木くんや桂さん楽しいし、お茶もケーキも美味しいので、つい通っちゃって。えへへ」
「それなら、まあ、いいが……」
「……?」
環は神妙な顔をして有紗を見ている。
質問と答え、何かがおかしかっただろうか。
小首を傾げた有紗を見て、環は小さく首を振った。
「悪かったな。足止めしてしまって。じゃあ、また」
「い、いえ。お疲れ様です!」
――足止めしたのは寧ろ私の方なのに。
有紗が来た方向へ去って行く環を数秒だけ目で追ったが、それだけにした。
*
環は暫く歩いてから、ふと足を止めて、後ろを振り返った。
目線の先では、アリスの背中が小さくなっている。
環の表情は、やはり神妙。眉根を僅かに詰めて、じっとアリスの背中を見た。
「……」
胸の裡に、妙、という思いがあった。具体的に説明することは出来ないが、感覚として違和感を感じている。
それが、自分に対して、なのか、アリスに対してなのかさえ定かではない。
誰か自分と同じ違和感を持つ者はいないのか。
ハートのメンバーの顔を思い浮かべるも、誰も当てになりそうになかった。彼らは気楽にアリスとの交流を楽しんでいるだけのように感じる。
――今のところはいなさそうだな……。
溜息をつき、小さくかぶりを振る。
――やめよう……。
今はいくら考えても突き詰められないように思え、環は一旦考えるのをやめた。
――一度訊いてみないといけないな。
事の始まりや、彼女は一体どうしたいのか、とかを。
彼女は恐らく何も知らず、何も知らされていない。
宇佐木の夏休み明けを待って有栖川茶房を訪れたところ、予告通り台湾風喫茶に変貌を遂げていた。今回が本番だという台湾風喫茶は、メニューも充実し、かつ、きちんとメニューが作られていた。前回のような手違いもなく、いつものような混乱もない。
サマーカットされた後、少し毛が伸びたてっさが出迎えてくれて、今日も隣の席に居る。てっさは椅子に後ろ足で立ち、カウンターに前足を乗せると、自分用に出された何の変哲も無い削った氷をぺろぺろと舐めていた。
負けじと有紗もマンゴーづくしのかき氷を頬張る。
「う~ん、最高!」
外は猛暑日。残暑と言うには厳しすぎる気温の中やってきた甲斐があった。
火照った身体が急激に冷やされて、思わず身震いする。
かき氷のお供は温かいウーロン茶だ。おなかが温まり、心なしかほっとする。
「ねえねえ、他にも色々用意したんだよ~。大根餅とか、豆花とか。アリスちゃん、仙草ゼリーなんてどう?」
桂が生き生きとして、今日は一段とくねくねしている。
「そんなにいっぱい食べられないですよう。それに、仙草ゼリーって薬っぽくてすんごい苦い奴でしょ? やだー」
直球で断り、桂の方は見ないことにした。目を合わせればそのたびに何か勧められそうな気がしてならない。経験がそう語っている。
話題を逸らすべく見たのは宇佐木の方。
「宇佐木くん。夏休みはどうだった?」
「結局何もしなかった。外あっついしさぁ。出かけたって溶けそうになるだけだし」
「確かに、観光したい気温じゃないよね」
「アリスもバイト、頑張ってるみたいじゃん」
「やっと慣れた所なんだけど、そろそろ終わりなんだよね。出来そうだったら夏休み終わっても少しだけシフト入れて貰ってもいいかなーなんて思ってるんだけど」
「サークルに入るかどうかも悩んでたのに、大丈夫か、それ」
「そうなんだよー。でも、バイト楽しいから辞めたくはないなぁって」
「ま、無理のないようにな」
「はーい」
――なんだかお母さんみたい。
アルバイトのことはもう少し悩むことにしよう。
取り敢えずは目の前のかき氷だ。
隣で猫が夢中になって氷を舐めているのを見て、
「てっさも美味しい?」
と尋ねれば、
「ぶなぁ」
とのこと。
有紗も続きを食べ始めた。
*
「美味しかったぁ」
店を出た有紗は一つ伸びをして、駅へと向かって歩き始めた。
間もなくして、
――?
鞄の中から振動を感じてケータイを取り出すと、母親からの着信だった。
宇佐木の世話焼きに母親を感じたタイミングでかかってくるとは、妙なこともあるものだ。
通話ボタンを押し、電話に出る。
「なあに、どうしたの?」
「どうしたのじゃないわよぉ。夏休みはこっちに戻ってこないの?」
「バイト結構詰まってるし、そっちに帰っても何もすることないんだもん」
「そんなコト言わないで戻ってきなさいよぉ。お父さんも寂しがってるわよ~」
「ねえ、なんか後ろがうるさいけど、今、外なの?」
「デンマークにいるの~。お父さんと二人旅なの」
「デンマーク! 海外に居るの! ってこれ、国際電話? お金かかるからかけてこなくていいのに」
「だって、有紗ちゃんの声聞きたくなっちゃったんだもん」
「寂しがってるとかなんとか言って、自分たちだって楽しんでるじゃない。とにかく、今年の夏は帰らな――」
「あっ。そろそろ行かなくちゃ。じゃあねぇ~」
一方的に電話は切れた。
元々自由な親だったが、有紗が大学に入ってから自由度が増した気がしていた。その一端がこの電話だ。
この分だと冬にも戻ってこいと言う同じような電話がかかってくるに違いない。
実家は嫌いではないが、一人暮らしが楽しくて戻る気が起きないのが正直なところだ。
――またバイト入れちゃえばいいかなぁ。
親の帰ってこい攻撃への検討と対策をもやもやと考えていると、向かいから見覚えのある人が歩いてきていた。
この真夏に黒いスーツにチャコールグレーのシャツ。黒髪に、端整な顔立ち。
「あっ。環さん!」
「アリス……。久しぶり」
意外、とでも言いたそうな少し驚いた顔をして環は立ち止まった。
「あの、この間は奢って頂いてありがとうございました。デザートまでつけて貰っちゃって……なんだかすみませんでした」
「いいんだ。エースが……朝が迷惑掛けたし。気持ちだと思って、奢られてくれ」
「ありがとうございます!」
改めて頭を下げる。
暑さのせいか緊張しているのか、気付けば手汗を掻いている。
顔を上げれば、汗一つかいていないような涼しげな二枚目が目に入る。正視しているのは、少し気恥ずかしい。
そう思って伏せた目線の先に入ってきたのは、仕事用と思われる鞄だ。
「今日はお仕事ですか?」
「ああ。一段落したから有栖川茶房で涼もうかと思ってな」
「丁度今、台湾風喫茶やってますよ。かき氷、超美味しいです」
「桂がまたやったのか……」
「六月にプレオープンしてて、今回が本番みたいです」
「あいつはまったく……」
桂の改装については方々で有名のようだ。そして、困ったもの扱いされているのも共通している。
有紗にとっては――宇佐木は可哀想だが――一つのお店で色々と楽しめて楽しいので、悪い気は全くしていない。
「……アリスは、好きであそこに通っているようだな」
「はいっ。宇佐木くんや桂さん楽しいし、お茶もケーキも美味しいので、つい通っちゃって。えへへ」
「それなら、まあ、いいが……」
「……?」
環は神妙な顔をして有紗を見ている。
質問と答え、何かがおかしかっただろうか。
小首を傾げた有紗を見て、環は小さく首を振った。
「悪かったな。足止めしてしまって。じゃあ、また」
「い、いえ。お疲れ様です!」
――足止めしたのは寧ろ私の方なのに。
有紗が来た方向へ去って行く環を数秒だけ目で追ったが、それだけにした。
*
環は暫く歩いてから、ふと足を止めて、後ろを振り返った。
目線の先では、アリスの背中が小さくなっている。
環の表情は、やはり神妙。眉根を僅かに詰めて、じっとアリスの背中を見た。
「……」
胸の裡に、妙、という思いがあった。具体的に説明することは出来ないが、感覚として違和感を感じている。
それが、自分に対して、なのか、アリスに対してなのかさえ定かではない。
誰か自分と同じ違和感を持つ者はいないのか。
ハートのメンバーの顔を思い浮かべるも、誰も当てになりそうになかった。彼らは気楽にアリスとの交流を楽しんでいるだけのように感じる。
――今のところはいなさそうだな……。
溜息をつき、小さくかぶりを振る。
――やめよう……。
今はいくら考えても突き詰められないように思え、環は一旦考えるのをやめた。
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