最後に笑うのは

りのりん

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「売る? う、売るなんて
何の事だ 私はそんな事していない」
挙動不審な態度で視線が行ったり来たりしている


「そうですか?
では私が養子に行く商会の名前を教えて
いただけますか
ご挨拶もしたいし色々話もしたいので」


「それはだな…」

一瞬考えようやく思い出したとばかり


「ルサン商会だ アルディニアでは大きな
商会だそうだ」


「そうだ?
父上はルサン商会の方と会った事も
ないのですか?」

「ま、まあ、そんな事はどうでも良い
自分の荷物を整理したら早く出て行ってくれ
ルサン商会の方からお前には連絡するそうだ
じゃあな 俺たちは今から行く所があるんだ」


もう話は終わったとばかりに言われた

そして次の言葉に驚愕する


ふふふ
「私達これからお茶会なの
私、皇太子妃になるんだから」

はぁ? どういう事だ?
皇太子妃?

「そうなのよ 良いご縁に巡り会えてね
陛下のお子様だけど、まだ世間には
お披露目出来ない方なの
でもちゃんと認められてらっしゃるし
その方が是非ともティナを妃にと
おっしゃって下さっているの」


母は早口でそれでも嬉しくてたまらないと
ばかりにまくしたてた


「まあ、他人になったお前には
関係のない話だ
荷物をまとめて早く出ていくんだぞ
お前は平民になったんだ
くれぐれもこれからはスイトニア伯爵には
近づかないように」

そう話して3人はさっさと出かけて行った


これが血の繋がった親子、兄妹との
別れ方なのか…
もう何も言えなかった


少ない自分の物をまとめ屋敷を出ようとすると
執事のデルイが待っていてくれた


「ラルート様、今はお辛いかもしれませんが
きっとこの家を出られた事を喜ばれる日が
訪れるでしょう」


どういう事だとは聞かなかった


いきなり見つかった金の採れる山
妹の皇太子との結婚

少し考えればわかるはずだ
何かが起こっているのだろうと
それも決して良い事ではないだろう

誰かが俺だけは逃してくれたのではと


デルイにはただ「今までありがとう」とだけ
告げた


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