最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

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166話 - 妖術

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「ひとまず……クラムちゃんのドーム型のシールドを張って入りましょうか」

『おっけ~!』 

「……わかった」

『…………』

「クロムさん?」

『あ、うん、そうするしかないね』

 昨日は皆に可能な限り力を回復してもらう為、
 僕が夜番を引き受けて休んだ。

 なにか……嫌な予感がぬぐえないんだ……
 だから万が一の為に。

『ひとまず中に入ってからどうするかは決めよう。いつも通り、誰か1人で戦いたいなら体力が減ってきたら助けに入る。それでいい?』

「私は前回もらいましたので。特別必要でなければ今回はお譲りしますよ?」

『僕も必要でなければ大丈夫だ』

『じゃあクラムかクラマだね~!』

「……うん、それでいい」

『じゃああけるよ~?』

 そういってクラムが石扉を開いた瞬間……
 視界が炎に包まれた。

 ゴォオオォオオォォオオオオ……

「きゃっ!?」

『だいじょうぶ~!これくらいならへいきだよ~!』

『なんだ!?いきなり攻撃してきたのか!?』

「……何も……みえない」

 視界が徐々に晴れていく……
 天井が見えてきた……

 この階層はどうやら大空洞のようになっているようだ。
 広い……天井は100mくらいはあるだろうか……
 いや、もっとあるほど……

 競技場などはすっぽり収まってしまいそうな空間だ。
 ここなら地形などは全く気にせずに戦えるだろう。
 それほど大きな魔物がいるということ……

 炎が全て収まり出した。
 正面の風景が目に映り出した。

 まず目に映るのは真っ赤な体躯。
 そしてところどころに岩が付着している……
 岩というより溶岩だ。
 半分融解しているような状態……

 大きい……
 高さは15m程はあるだろうか……

 トカゲのような凄い大きな口。
 背中に大きく生えた翼。
 10mはありそうな太く長い尾。

 二足歩行で固そうな鱗がびっしり生えている……
 口からは火炎が漏れ出していて
 溶岩のヨダレの様なものまで垂れている。

 あぁ……
 やっぱり嫌な予感が当たってしまった……

「………」

「あれは……」

 今までの階層でみてきた流れ。
 ある程度共通点があったんだ。
 分かりやすいのは40階層。

 ボスは熊の魔物。
 僕らは会わなかったけど……
 確か、熊の魔物にテイマーの人はやられたと言っていたはずだ。

 トカゲとの共通点……
 鳥との共通点……爬虫類……飛行………

『あれなに~?』

 分かっていたよ……
 見るまでもなかった。
 横からすさまじい殺気が膨れ上がっていたから。

 GUOAAAAAAAAAARRRR!!

『ドラゴンだ』

 クラマが目を見開いている。
 瞳孔は今までに見たことの無いほどの金色に輝き、
 いつも隠しているはずの尾が全部で3本もう既に生えていた。

 魔力で出来ていると言っていたが……
 その尾は実体化する程白銀色に輝いていた。

 ……出会った時はまだ2本って言ってたけどね。
 強くなったもんな。

 もう我を忘れかけている。
 今、必死に怒りを抑えているんだろう。

 あれほど鋭い牙があっただろうか。
 口を結んで血が出る程、歯を噛みしめている……

『何も……いらないのか?』

 これだけで言いたいことは伝わる。

「……いらない」

 何か言うような野暮なことはしない。
 クラマとの約束だ。

『そうか。行ってきな』

「……うん……絶対に……殺す」

 ・
 ・
 ・

 クラマの殺気に当てられたのが理由か……
 ドラゴンは全くこちらに見向きもしなかった。
 ここに入った時からクラマを睨みつけていたんだ。

 僕等が離れるや否や、戦闘は始まった。
 いきなりドラゴンが後ろを向き、大きな尾をクラマに向けて振り下ろした!

「縮地……」(シュッ)

 左前方へ縮地でかわしその勢いで刀を抜き、足元へ一閃。

「……ちっ」

 だが固い鱗に阻まれ薄皮一枚切れたかどうかというところだ。
 血すら出ていない……

 GOAAAAAAAARR!!

 振り下ろした尾を激しくクラマへ向かって横薙ぎにする。
 それもクラマは余裕を持って飛んでかわした。

「遅い……」(カキンッ)

「くっ……硬い……」

 激しい攻防だ。
 ドラゴンはすごい力技。
 大きな体躯を振り回すように攻撃の手を休めない。

 それを躱すたびにクラマが斬撃を体の至るところに何度も入れる。
 だがしかし……硬質な皮膚には攻撃がなかなか通らないようだ……

「勝てますかね……クラマくん……」

『クラマがかつよ~!!』

『そうだな……ただ……』

 ★種族:ヴォルカニックドラゴン
 ・LV192 / 200
 ・HP: 22141 / 22141
 ・MP:5816 / 5816
 ・力:26428
 ・防御:25416
 ・敏捷:12817
 ・器用:5614
 ・知能:4896
 ・魅力:816
 ・幸運:281

【魔法】
 ・炎 ・地

【スキル】
 ・威圧 ・怪力
 ・命中 ・硬化
 ・飛行 ・爪撃
 ・魔力感知 LV8
 ・聴力強化
 ・治癒
 ・炎無効
 ・地無効
 ・熱無効 ※種族特性
 ・竜鱗  ※種族特性

 このドラゴン……
 完全にあのトカゲの上位互換みたいなステータスをしている。
 HP、力、防御のステータスがかなり高い。

 クラマもかなり強くなっているから
 ダメージを与えられないほどではないが……

 熱も効かない……
 吸収ではないけれど白炎すら通りが悪いはずだ……

 白炎はこの世界の理から外れている。
 ある程度耐性があっても貫いてくれることが多い。

 熱吸収のとかげにすらダメージが少し入っていた。
 だから無効にはされないとは思う。
 でも……効きが悪い事には変わりない。

 そして刀の通りがあの鱗のせいでかなり悪いな。
 ステータスにも”竜鱗”と入っている。
 ドラゴンの鱗は特殊なものなんだろうな……

『クラマに有効的なダメージを与える手が見えない……』

「えぇ……あの鱗がとても固そうです」

『んん~がんばれクラマ~!』

 尾を振り回しての攻撃。
 クラマが飛び上がるとそこに爪での一撃が来る。
 基本ドラゴンはそのようなパターンで動いているようだ。

「見飽きた……天駆」(シュッ)

 そのパターンをクラマは把握してきている。
 どの攻撃も掠りもしない。
 ドラゴンの攻撃全てを難なく躱していく……

 大振りするドラゴンの一撃一撃を避けながら、
 強引に懐に入り何度も攻撃。
 かなり攻撃に重きを置いた攻防を続けていた……

 GOAAAAAAAARR!!

 するとドラゴンが飛翔した!
 クラマの素早い行動に攻めあぐねているようで煮えを切らしたようだ。

 だがそこにも……

「……飛ばせない」

 クラマが上から天駆で追撃。
 速い……全ての動作に先回りしている……

 ドラゴンの動きが体に完全に染みついている様子だった。
 少し強引に見えなくもないがそれでも尚、一方的な戦いを繰り広げていた。

『つよ~い!!』

『すごいな……クラマ……』

「えぇ……ずっと練習してきたのでしょう……」

 言葉を失うほど圧倒的。
 あと……攻撃力さえあれば……

 それからもずっとそのような攻防は続いた。
 地上の攻撃は当たらない。

 空へ逃げるとドラゴンの翼に目に止まらない程多数の斬撃。
 直ぐにドラゴンは地上へ降りてくる。

『完封してるな……これならなんとか……』

「そうですね!これなら大丈夫そうです!」

 その時……

 バキンッ………

「……くっ」

 クラマの太刀が根元から折れてしまった……

『クラマ~!!』

「クラマ君の刀がっ!?」

 あの刀身、鉄なんだよ……
 竜鱗に通るわけがないんだ……

 これは……僕のせいだ……
 僕がちゃんとした素材で作っておけば……

『くっそ……ここまでか……』

 それを見たドラゴンは薄ら笑いを顔に浮かべ……
 唖然と刀を見つめるクラマの目の前に大きく口を開いた。

 GOAAAAAAAARR(ゴボアアアアアァァァァアアアッ)

『やばいッ!範囲が広い!』

「あぶないっ!」

『よけてぇーーー!!』

 クラマのへ向けてかなり広範囲の火炎のブレスが襲い掛かる。

「チッ……天駆っ」

 クラマが間一髪躱そうとするが範囲から逃れられはせず……
 火炎が体に掠ってしまった……

「ぐッ……」

 クラマは勢いよく腕を振り炎を振り払った。
 ただ……あれは……ただの火炎じゃない……
 溶岩が混ざっていたんだ……

 こいつは炎竜じゃないんだよ。
 溶岩竜なんだ……

 それに……

『やっぱり……そうなるか……』

「なんで燃えているんですか!?」

『むこーは?!』

『外したんだよ……始まってすぐに……』

 戦闘が始まるや否やクラマは僕が渡した装飾品を両方取ってしまった……
 自分の力で倒すことに意味があるんだろう。

 おかげでクラマの左袖は焼けこげ、腕が赤く腫れあがっている。
 火炎無効を持っているから、まだこの程度で済んでいるんだ……

 自分の復讐は自分の力で行いたいんだろう……
 僕の能力はチートみたいなものだから……

 おかげでクラマは時間ごとに少しずつダメージを負っている。
 これだけ一方的でもドラゴンよりダメージがあるくらいなんだ。

 それで……
 戦いを焦っていたのかもしれない。

「止めないのですか!?」

『止められないよ。僕でも……そうするから』

「じゃあ……ひょっとして呼吸の方も……」

『補助はしない。それを含めての何もいらない、なんだ』

「わかりました……でも……もう……」

『………』

『クラマがあぶなくなったらたすけにいくよ~?』

『もちろんだ。ギリギリまで……』

 僕も必死にこらえてるんだ……
 でも、僕がクラマの立場だったら助けられたくない!

 補助ありで勝ったところで絶対遺恨が残る。
 手は……出せないんだ……

 ・
 ・
 ・


 傷付き、武器がなくなって立ち尽くすクラマ。
 折れた刀身を見つめている……

 ドラゴンは知能が高いと聞いた。
 その姿をあざ笑うかの”ような”表情で攻撃もせず見つめている。

 きっと”ような”表情じゃない。
 あざ笑っているんだろう。

 どう倒そうか……
 獲物の調理方法を考えているようだ。

「……おもしろい?」

 すると……
 それを見たクラマの……
 今までしかめていた表情が嘘のようにスッと抜け……

「……僕だけじゃ……勝てない」

 そうつぶやいた……。

 そうか……。
 クラマもあきらめた表情をしている……
 ただ、殺意は消えないのか尾も眼もそのままだ……

「……仕方ないです……刀が折れてしまっては」

『あぁ、悔しいだろうが……』

『クラマたすけにいこ~?』

 そうだな。
 格上相手によく戦った。
 あいつを倒せるようになるまで訓練に付き合おう。

『じゃあすぐ助けに入ろ……

 皆がクラマの戦いに介入しようと立ち上がったその時。
 クラマの魔力がいきなり膨れ上がった!

 え……4本目の尻尾……?

 半透明の尾がまた1つゆっくり根本から伸びていく……
 そしてしっかりとした長さになると綺麗な銀白色になった。

「妖術……狐白火コハク

 クラマの周り四方八方に炎が灯った。

 妖術!?あんな技……見たことない……

『なにあれ!?知ってる!?』

『みたことない~!』

「ええ、初めて見ました……」

 全部白い……
 恐らく白炎を使っているが……
 10cmにも満たない火が50は浮いている。

 クラマがスッと手を前に出すと
 次々とその小さな白炎がバラバラに溶岩竜のところへ向かった。

 GYAA……?

 溶岩竜が体をよじって白炎を避けようとした瞬間……
(シュゥ……)

 その白炎が消えた……

「炎を……消した……?」

 そう思うや否や次は反対から白炎が……
 溶岩竜の体に入った。

 当たったのではなく入っていってしまった……
 だが燃えない……

『なにあれ~?』

 溶岩竜もどうなっているのかわからない様子で顔をしかめていた次の瞬間!

 ボンッ!

 GYAAAAAAAARR!!

 すぐ反対からきた白炎が溶岩竜の顔面にぶつかり白く燃え上がった!

『なんだあれ……』

 溶岩竜の周りを飛び回るたくさんの白炎。
 蛍にも見えるような綺麗な風景だ……

 だが小さい炎とは思えない程の爆炎で一気に燃え上がる。
 どれが本物でどれが偽物なのかわからない!

 ボンッ!
 GUAAAAAAARR!!

 ボンッ!ボンッ!
 GYUAAAAAAARR!!

 躱そうとするものは偽物。
 油断をすると本物が襲ってくる。

 数分のことだが溶岩竜にはものすごい長い時間に感じただろう……

 10発程の白炎を受けた時……
 最後の1発が溶岩竜の目に当たった。

 GYUAAAAAAAAAAAAAAARRRR!!

 遊んでいる……
 そう言ってもいいように映る程……

 クラマにそのつもりは全くない。
 ただそれほどに溶岩竜は翻弄されていた。

「圧倒的過ぎます……ね……」

『うん……』

 さすがに炎耐性が高い溶岩竜と言えど……
 全弾当たれば相当なダメージを負ったはずだ。
 そう、全弾だったんだ。

 50程あるように見えた炎は実は10少々。
 後は全て妖術で作り出された幻影。
 本物を当てる為の幻だったようだ。

 ただ、その幻に当たった時の溶岩竜の様子が変なんだ。
 最初の2発以外の燃え上がらない幻炎に当たっても本物に触れた時の様な反応をしていた。

 叫んでいたんだよ。
 どういうことだ……?

 溶岩竜はもう精魂尽き果てている。
 それほど恐ろしい時間だったんだろう……

 GRR……GRR……

 溶岩竜が肩で息をしながらクラマが居る場所を見つめた。
 だがそこにクラマの姿はなかった……

「もう……そこに……いないよ……」

 そう言いながら納刀された刀を……鞘の中でひねった。(ガチャンッ)

「お前に……刃は必要ない」

 クラマは溶岩竜のはるか上空で逆さになって飛んでいた……

『上だッ!!』「いつの間にッ!」『なんで~?』

 僕等はクラマをみていたんだ!
 なんで上にいるの!?
 さっきまで下にいたよ!?



「抜刀術……”無”」(スパンッ)



 一瞬だけ抜刀し……
 目に止まらない程の速さで……
 刀身の”ない”刀を振った。
 
 白い閃光が一瞬だけ走った……



 GR………(スー……ズドンッ)



 切られた音もせず……
 切られたこともわからないような表情のまま……
 ゆっくりと溶岩竜の首は落ちた。



 スタッ…… ※着地音



「……おやすみ」(カチンッ)
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