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168話 - クラマの気持ちと能力
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「……ぼくは……ドラゴンは……ぼくだけの力で勝ちたかった」
……僕だけの力で。
ってことは何か自分の力じゃないとクラマは思っているということか?
『……質問だけど、クラマは何が自分の力じゃないっておもってるの?』
「ええ……すべてクラマくんの力だと思いましたけど……」
『んん~?』
「魔法……パパとねぇねの力……白炎……無属性……ぼくだけじゃきっと……覚えてない」
え、そういうこと!?
クラマの中ではそういう判定になるの!?
『え、いや……でもそれはクラマの努力で……』
『うん~そうだよ~?』
「刀は……ママの……」
「え、私ですか?私、何かしましたか……?」
「……これ」(カチャン)
そう言うとクラマは折れた刀を鞘から抜いた。
そこに刀身は無く、折れた刀身は刃の中に入っていた。
「この刀は……?」
『え、いや、エステルと同じように刃の取り外しができるようにって言われて作ったんだよ?しかもデバフ剣と同じで中が空洞なの。反りがあるから作りにくかったけど表裏半分ずつ作って接合した。あ、そうじゃん。空洞になってるんだから尚のこと耐久力が……』
「……見てて」(スパンッ)
そう言うとクラマがアイテムボックスから枝を取り出して投げ……
座ったまま下から上に刀を振り上げた。
すると空中で枝が真っ二つに切れた……
『それ……無属性魔法で作った刀身?』
「……そう……ママの真似」
『それで取り外ししたいって言ってたの!?』
「私の属性剣と一緒なのですか!………使ってくれて嬉しいですよ?」
あの時クラマ無属性覚えたてくらいだったもん。
そんな利用の仕方すると思ってなかった……
「刀身に……空洞を作ってもらったのは………中に魔力を……ん」
『自分の魔力で折れない耐久力を持てるようにするってこと?』
「……そう……無属性を覚えて……ねぇねのシールドと……ママの戦闘をみて」
なるほど……
そんな使い方があったか……。
『パパしらなかったの~?クラムとれんしゅうしたよ~?かたなとれるのはしらなかったけど~』
『そうなん!?知らない知らない!!パパは逆にただ取り換えできる刀作っただけだよ!?』
うち皆仲良しだから結構それぞれで行動するもん。
単独行動は少ないけどさ……
エステルとクラムが買い物行ったり、
クラマとクラムが遊んでたり?
エステルが狐クラマにブラッシングしてあげてるのもよく見るよ?
僕はエステルとのんびりお酒飲んだり、
クラマとは最近川で釣りしてたり……。
クラムとは料理一緒にすることが多いかなぁ。
だから全然知らなかった……
昔のエステルの刀を作った時みたいに折れた時に付け替える為だと思ってた……
それにしてもすげぇ……
先のビジョンが見えてたってことか……
クラマは本当に戦闘のプロだな……
「でも……今回……折れるまでやらなかった……ごめん」
『いや、クラマが危なかったことは置いておいて、刀のことは全然いいよ……。それそもそも折れるだろうなと思って作ってるもん』
「……そうなの?」
『うん、だって空洞だよ?ただ、クラマは技量あるから軽量化とかの為にその作りの方がいいのかなって思って。僕、刀のことわかんないし……。ってかもうB級だしミスリルで作っても問題ないと思うし作り直すよ』
今まで全く問題にしてなかったから武器の素材のことなんか折れるまですっかり忘れてた……
「そうですね?B級冒険者だとミスリル銀を使ってる方もいます」
『うん、そのクラマの刀の作りいいね。エステルもやる?空洞でミスリル剣作って氷とか張ればいいんじゃない?普段も気軽に剣で戦えるようになるよ?』
「そうですね♪では、私もクラマくんの真似していいです?」
「……うん……もちろん」
「ありがとうございます、ふふ♪」
あ、少し脱線しちゃったな。
刀の理由が衝撃的で……びっくりした。
じゃあ、これ最初からできたんだ…….。
そもそも剣が折れないように戦うことも多分出来たんだ。
『まぁちょっと脱線しちゃったけどさ……無理ってなるまでは白炎も無属性もエステルの属性剣も使わないで戦ってたってこと?……いや、そうだったな。わざわざそれ使わないようにしてたんだ……』
「……そう……あと妖術も。ヒュプの力」
いや、マジか……
それは……知ってたら止めてたぞ……。
ドラゴン相手に縛りプレイしてたのかこの子……。
『それってさ?自分の力だけで戦いたいの?クラマが皆の力だって思うものを使いたくないの?あ、責めてないよ。理由が知りたいだけだから』
少しクラマは考えて口を開いた。
「どっちも……だけど……みんなの力を使いたくない……方が大きい」
ふむ……なるほどなぁ……
『みんなのちからもクラマのちからだよ~?』
「……うん……ありがと……でも」
「使いたくない理由があるんです?」
「理由……はない。……みんなの力もぼくの。……嬉しい。……だから……ドラゴンを殺す為に……使うのがなんか……嫌。………ぼくも……家族は大好きだから」
そう、クラマがたどたどしく話してくれた。
なんか嫌、か。
あるよな。わかる。
理由なくても感情で嫌って思うことだってあるよな。
『みんなの力を復讐に利用したくない、って感じに聞こえるね?』
「あ……そう……それ。……ありがと」
「そういうことなのですか……私は使っていただけて嬉しいのですが……気持ちは理解できました」
『クラマやさしいんだね~!』
『そうだな。みんなのこと大切に思ってくれてるんだな』
「……ぼくの……ずっと欲しかった……家族だから」
復讐は自分の力でやりたい。
家族の力を使いたくない……か……
そっか。
この辺りはクラマの感情の問題だ。
僕としては使ってくれると嬉しいけどね。
きっとそうするとクラマの頑張ってきた努力が嫌なものになってしまう。
だから僕がそれは違うって言えるものじゃないな。
よし!そういう理由ならクラマがやりたいように協力しよう。
『うん、じゃあ僕も応援する。力をつける協力もするからな。でも、これからはもうちょっとだけ慎重にしよ?今回みたいに無理するのはやめよう!知ってたら止めてたよ?』
これくらいしか言うことないな。
危ない事だけはダメだ。
それだけでいいよ。
「そうですね、クラマくんがその方がいいなら。ただ、クラマくんのママなのでいつでも頼ってくださいね?」
『クラムも~!クラマがやりたいことおうえんする~!でもあぶないのはおこるからね~?』
「うん……わかった……ありがと」
理由がわかって良かった。
家族が大切だから使いたくない、か。
僕としては安全の為に使って欲しいけど、
それならどっちも満たせるようにすればいいだけだ!
使わないで尚且つ安全に倒せるように特訓だな!!
ドラゴンを安全にかぁ……
風ドラゴン……
竜鱗って書いてたし風竜でいいか。
風竜ってあいつより強いのかなぁ。
『風竜って溶岩竜よりつよいの?』
「……どっち……風竜のほうがずるい。……強さは……溶岩竜の方が強い……と思う。……少し楽しかった」
楽しかったのか……。
そういえば……勝ちたいって意思は伝わってきたけど途中からイライラしてたって感じはしなかったかも。
『クラマってさ?途中からあんまりイライラはしてなかったよな』
「ん……そうかも。……あいつ……嫌いじゃない……みんなのことも狙わなかった」
『そっか。クラマがそう思うってことはいい勝負だったんだな』
「……うん」
そうか。
ドラゴンに恨みを持つのからは脱したのかもしれない。
溶岩竜舐めてた表情はしてたけど……
僕らに目もくれず正々堂々戦ってたからな。
クラマはすごいなぁ。
僕だったらきっと無理だ。
僕の方がずっと子供だな……
そうなってくると……
ずっと陰で射撃準備整えていた僕って一体……
いや!それとこれとは別でしょ!?
僕はこのスタイルを貫き通すっ!!
・
・
・
『まぁじゃあクラマの戦い方の理由はわかったとしてさ?覚醒っていうの?しっぽ増えた時ってどんな感じなの?』
「……増えるときは……わからない……意識……してない」
あ、そうなんだ。
増やそうと思って増やしてるんじゃないんだ。
あれ勝手になってるのか。
「じゃあ、それが終わった後はどんな感じなんです?」
「……一気に……力が抜けた」
『苦しくなったりしたの?』
「……うん……でも、それはあそこだから。……普段はならない」
『魔力一気に使いまくって力が入らなくなるってイメージ?』
「……そう、いつもはここまでじゃない」
それが聞けて良かった。
今回倒れてこうなったのはあそこの環境の問題か。
ワイバーン見た時とかはケロっとしてたもんな。
一気に蓄積した毒素が吹き出した。
とかそんな感じかな。
『あれすごかったね~!ひがきえるやつ~!』
『あれ凄かったよな!!あれ幻術なの!?』
「あれは……白炎を覚える前……森で練習した……幻と火の……狐火。でも使い所なかった」
ほう?幻術と火の合成魔法か。
すごいなぁ。あんなことできるんだ……
「幻の炎に当たっているはずなのに……ドラゴンが怯んでいましたよね?」
『あ、気付いた!?あれなんだ!?』
「それを……白炎と……妖術にしただけ……」
しただけって……
ものすごかったけど……
『妖術ってなんなの?よくわからないんだけど……』
「ヒュプと喋ってる時に……痛い幻を……見せられるって……」
『幻痛ってこと!?幻の効果範囲広すぎる……えぐ……』
『クラマとぶときにみえなくなった~。いつとんだの~?』
「最後の止めの前ですよね?」
「あ……ごめん……失敗。……あれも妖術……幻」
『あ、そうなんだ。あれも妖術なんだ……下にいたのになぁって……』
「……失敗……みんなにもかかった」
『みんなにかかったってことは……幻を作ってるんじゃなくて僕らがそこにいるって思っちゃうってこと?』
「……うん……そうだと思う……なんで……難しい」
いや……すげぇなそれ……
幻覚みせてるってことか……
僕のミラージュみたいに蜃気楼作り出してるわけじゃなくね。
幻の範囲が凄く広いなぁ。
逆に言うと僕等にもかかっちゃうってことじゃん。
僕、1対1だと負けるのではなかろうか。
クラマより弱くても全然いいんだけど……
あ、そうそう、皆たまに神様と話してるんだよ。
そんないつもは無理みたいだけどね。
夜寝るときとかみんな好きな時間にクラム人形作ってもらって祈ってるんだ。
じゃあたまに応答あるみたい。
僕は……
しばらく喋れないんだけどね……
「ヒュプの話……難しい……でも……たくさん力込めれば……そう出来るって言われた」
『魔力を込めるの?』
「魔力だけじゃない……ヒュプの力……」
おっと!?
また僕にわからない謎パワー登場ですか!?
「私の闘気みたいなものです?」
「……?ママの力は……わからないけど……」
『その力は妖術を使うときに使うの?』
「そう……それを……ドラゴンに……ん……」
『その話めっちゃムズそうだね。簡単に言えば強力な催眠魔法って感じ?』
「……催眠……うん。その言葉……あった」
ヒュプノス様って眠りの神様だもんな?
実際目にしてみて……
この魔法とクラマのシナジー凄いな……
催眠系の魔法は使うマンガとかあったよな……
闇魔法とかでさ?精神を乗っ取るとか洗脳するとか?
それを妖術の力……
まぁ妖気で扱うって感じ?
「……でも……かなり……力使う。……ずっとはむずかしい」
『あ、簡単に言えば尻尾増えるくらいのレベルにならないと厳しいとか?』
「……そう……尻尾増えると楽になる……気がする」
確かソフィア様が寿命の話の時に、
天狐は力をなくしているって言ってたな?
ひょっとして尻尾が増えるときって元の天狐に近づいてるのかな。
覚醒というより力が戻ってるのかも?
「理屈で使ってるわけでもなさそうですね?感覚です?」
「……うん……天狐は……力があるって」
「私もそうですから。こうすれば力が引き出せると言われてからは感覚ですよ?」
僕には全く使い方がわからんな!
なんかすごいんだねぇ。
でも、そりゃそうか……
神様が僕らの手助けをしてくれてるイメージなんだもんね。
元々才能がある部分に神様各々の力を貸してくれてるって感じかなぁ。
『クラムもあるよ~?まりょくのほかにも~。デメテルにもらったちから~』
『なんだと!?魔力だけで使ってんだと思ってたけど!?』
『まりょくとデメテルのまぜるの~。そっちのほうがそだつのはやくなるよ~?』
……まぁ魔力だけで使えてたら僕も創造で出来るようになりそうなもんか。
出来ないもん。
クラムの豊穣はやろうとしたことあるもん。
植物なんて伸ばせないもん。
『なんだよ~!じゃあ謎パワー使えないの僕だけじゃん~!ちぇー』
「……パパの方が……謎」
『そうだよ~!パパのまほうのほうがへん~!』
「そうですよ……そんなに色々魔法やスキル作れないです……。そもそも私達が魔法をうまく扱えているのがクロムさんの力なんですから……」
そうなの?
なんかできるけど……
あ、みんなこんな感じってことか。
ないものねだりってことですね。
……僕だけの力で。
ってことは何か自分の力じゃないとクラマは思っているということか?
『……質問だけど、クラマは何が自分の力じゃないっておもってるの?』
「ええ……すべてクラマくんの力だと思いましたけど……」
『んん~?』
「魔法……パパとねぇねの力……白炎……無属性……ぼくだけじゃきっと……覚えてない」
え、そういうこと!?
クラマの中ではそういう判定になるの!?
『え、いや……でもそれはクラマの努力で……』
『うん~そうだよ~?』
「刀は……ママの……」
「え、私ですか?私、何かしましたか……?」
「……これ」(カチャン)
そう言うとクラマは折れた刀を鞘から抜いた。
そこに刀身は無く、折れた刀身は刃の中に入っていた。
「この刀は……?」
『え、いや、エステルと同じように刃の取り外しができるようにって言われて作ったんだよ?しかもデバフ剣と同じで中が空洞なの。反りがあるから作りにくかったけど表裏半分ずつ作って接合した。あ、そうじゃん。空洞になってるんだから尚のこと耐久力が……』
「……見てて」(スパンッ)
そう言うとクラマがアイテムボックスから枝を取り出して投げ……
座ったまま下から上に刀を振り上げた。
すると空中で枝が真っ二つに切れた……
『それ……無属性魔法で作った刀身?』
「……そう……ママの真似」
『それで取り外ししたいって言ってたの!?』
「私の属性剣と一緒なのですか!………使ってくれて嬉しいですよ?」
あの時クラマ無属性覚えたてくらいだったもん。
そんな利用の仕方すると思ってなかった……
「刀身に……空洞を作ってもらったのは………中に魔力を……ん」
『自分の魔力で折れない耐久力を持てるようにするってこと?』
「……そう……無属性を覚えて……ねぇねのシールドと……ママの戦闘をみて」
なるほど……
そんな使い方があったか……。
『パパしらなかったの~?クラムとれんしゅうしたよ~?かたなとれるのはしらなかったけど~』
『そうなん!?知らない知らない!!パパは逆にただ取り換えできる刀作っただけだよ!?』
うち皆仲良しだから結構それぞれで行動するもん。
単独行動は少ないけどさ……
エステルとクラムが買い物行ったり、
クラマとクラムが遊んでたり?
エステルが狐クラマにブラッシングしてあげてるのもよく見るよ?
僕はエステルとのんびりお酒飲んだり、
クラマとは最近川で釣りしてたり……。
クラムとは料理一緒にすることが多いかなぁ。
だから全然知らなかった……
昔のエステルの刀を作った時みたいに折れた時に付け替える為だと思ってた……
それにしてもすげぇ……
先のビジョンが見えてたってことか……
クラマは本当に戦闘のプロだな……
「でも……今回……折れるまでやらなかった……ごめん」
『いや、クラマが危なかったことは置いておいて、刀のことは全然いいよ……。それそもそも折れるだろうなと思って作ってるもん』
「……そうなの?」
『うん、だって空洞だよ?ただ、クラマは技量あるから軽量化とかの為にその作りの方がいいのかなって思って。僕、刀のことわかんないし……。ってかもうB級だしミスリルで作っても問題ないと思うし作り直すよ』
今まで全く問題にしてなかったから武器の素材のことなんか折れるまですっかり忘れてた……
「そうですね?B級冒険者だとミスリル銀を使ってる方もいます」
『うん、そのクラマの刀の作りいいね。エステルもやる?空洞でミスリル剣作って氷とか張ればいいんじゃない?普段も気軽に剣で戦えるようになるよ?』
「そうですね♪では、私もクラマくんの真似していいです?」
「……うん……もちろん」
「ありがとうございます、ふふ♪」
あ、少し脱線しちゃったな。
刀の理由が衝撃的で……びっくりした。
じゃあ、これ最初からできたんだ…….。
そもそも剣が折れないように戦うことも多分出来たんだ。
『まぁちょっと脱線しちゃったけどさ……無理ってなるまでは白炎も無属性もエステルの属性剣も使わないで戦ってたってこと?……いや、そうだったな。わざわざそれ使わないようにしてたんだ……』
「……そう……あと妖術も。ヒュプの力」
いや、マジか……
それは……知ってたら止めてたぞ……。
ドラゴン相手に縛りプレイしてたのかこの子……。
『それってさ?自分の力だけで戦いたいの?クラマが皆の力だって思うものを使いたくないの?あ、責めてないよ。理由が知りたいだけだから』
少しクラマは考えて口を開いた。
「どっちも……だけど……みんなの力を使いたくない……方が大きい」
ふむ……なるほどなぁ……
『みんなのちからもクラマのちからだよ~?』
「……うん……ありがと……でも」
「使いたくない理由があるんです?」
「理由……はない。……みんなの力もぼくの。……嬉しい。……だから……ドラゴンを殺す為に……使うのがなんか……嫌。………ぼくも……家族は大好きだから」
そう、クラマがたどたどしく話してくれた。
なんか嫌、か。
あるよな。わかる。
理由なくても感情で嫌って思うことだってあるよな。
『みんなの力を復讐に利用したくない、って感じに聞こえるね?』
「あ……そう……それ。……ありがと」
「そういうことなのですか……私は使っていただけて嬉しいのですが……気持ちは理解できました」
『クラマやさしいんだね~!』
『そうだな。みんなのこと大切に思ってくれてるんだな』
「……ぼくの……ずっと欲しかった……家族だから」
復讐は自分の力でやりたい。
家族の力を使いたくない……か……
そっか。
この辺りはクラマの感情の問題だ。
僕としては使ってくれると嬉しいけどね。
きっとそうするとクラマの頑張ってきた努力が嫌なものになってしまう。
だから僕がそれは違うって言えるものじゃないな。
よし!そういう理由ならクラマがやりたいように協力しよう。
『うん、じゃあ僕も応援する。力をつける協力もするからな。でも、これからはもうちょっとだけ慎重にしよ?今回みたいに無理するのはやめよう!知ってたら止めてたよ?』
これくらいしか言うことないな。
危ない事だけはダメだ。
それだけでいいよ。
「そうですね、クラマくんがその方がいいなら。ただ、クラマくんのママなのでいつでも頼ってくださいね?」
『クラムも~!クラマがやりたいことおうえんする~!でもあぶないのはおこるからね~?』
「うん……わかった……ありがと」
理由がわかって良かった。
家族が大切だから使いたくない、か。
僕としては安全の為に使って欲しいけど、
それならどっちも満たせるようにすればいいだけだ!
使わないで尚且つ安全に倒せるように特訓だな!!
ドラゴンを安全にかぁ……
風ドラゴン……
竜鱗って書いてたし風竜でいいか。
風竜ってあいつより強いのかなぁ。
『風竜って溶岩竜よりつよいの?』
「……どっち……風竜のほうがずるい。……強さは……溶岩竜の方が強い……と思う。……少し楽しかった」
楽しかったのか……。
そういえば……勝ちたいって意思は伝わってきたけど途中からイライラしてたって感じはしなかったかも。
『クラマってさ?途中からあんまりイライラはしてなかったよな』
「ん……そうかも。……あいつ……嫌いじゃない……みんなのことも狙わなかった」
『そっか。クラマがそう思うってことはいい勝負だったんだな』
「……うん」
そうか。
ドラゴンに恨みを持つのからは脱したのかもしれない。
溶岩竜舐めてた表情はしてたけど……
僕らに目もくれず正々堂々戦ってたからな。
クラマはすごいなぁ。
僕だったらきっと無理だ。
僕の方がずっと子供だな……
そうなってくると……
ずっと陰で射撃準備整えていた僕って一体……
いや!それとこれとは別でしょ!?
僕はこのスタイルを貫き通すっ!!
・
・
・
『まぁじゃあクラマの戦い方の理由はわかったとしてさ?覚醒っていうの?しっぽ増えた時ってどんな感じなの?』
「……増えるときは……わからない……意識……してない」
あ、そうなんだ。
増やそうと思って増やしてるんじゃないんだ。
あれ勝手になってるのか。
「じゃあ、それが終わった後はどんな感じなんです?」
「……一気に……力が抜けた」
『苦しくなったりしたの?』
「……うん……でも、それはあそこだから。……普段はならない」
『魔力一気に使いまくって力が入らなくなるってイメージ?』
「……そう、いつもはここまでじゃない」
それが聞けて良かった。
今回倒れてこうなったのはあそこの環境の問題か。
ワイバーン見た時とかはケロっとしてたもんな。
一気に蓄積した毒素が吹き出した。
とかそんな感じかな。
『あれすごかったね~!ひがきえるやつ~!』
『あれ凄かったよな!!あれ幻術なの!?』
「あれは……白炎を覚える前……森で練習した……幻と火の……狐火。でも使い所なかった」
ほう?幻術と火の合成魔法か。
すごいなぁ。あんなことできるんだ……
「幻の炎に当たっているはずなのに……ドラゴンが怯んでいましたよね?」
『あ、気付いた!?あれなんだ!?』
「それを……白炎と……妖術にしただけ……」
しただけって……
ものすごかったけど……
『妖術ってなんなの?よくわからないんだけど……』
「ヒュプと喋ってる時に……痛い幻を……見せられるって……」
『幻痛ってこと!?幻の効果範囲広すぎる……えぐ……』
『クラマとぶときにみえなくなった~。いつとんだの~?』
「最後の止めの前ですよね?」
「あ……ごめん……失敗。……あれも妖術……幻」
『あ、そうなんだ。あれも妖術なんだ……下にいたのになぁって……』
「……失敗……みんなにもかかった」
『みんなにかかったってことは……幻を作ってるんじゃなくて僕らがそこにいるって思っちゃうってこと?』
「……うん……そうだと思う……なんで……難しい」
いや……すげぇなそれ……
幻覚みせてるってことか……
僕のミラージュみたいに蜃気楼作り出してるわけじゃなくね。
幻の範囲が凄く広いなぁ。
逆に言うと僕等にもかかっちゃうってことじゃん。
僕、1対1だと負けるのではなかろうか。
クラマより弱くても全然いいんだけど……
あ、そうそう、皆たまに神様と話してるんだよ。
そんないつもは無理みたいだけどね。
夜寝るときとかみんな好きな時間にクラム人形作ってもらって祈ってるんだ。
じゃあたまに応答あるみたい。
僕は……
しばらく喋れないんだけどね……
「ヒュプの話……難しい……でも……たくさん力込めれば……そう出来るって言われた」
『魔力を込めるの?』
「魔力だけじゃない……ヒュプの力……」
おっと!?
また僕にわからない謎パワー登場ですか!?
「私の闘気みたいなものです?」
「……?ママの力は……わからないけど……」
『その力は妖術を使うときに使うの?』
「そう……それを……ドラゴンに……ん……」
『その話めっちゃムズそうだね。簡単に言えば強力な催眠魔法って感じ?』
「……催眠……うん。その言葉……あった」
ヒュプノス様って眠りの神様だもんな?
実際目にしてみて……
この魔法とクラマのシナジー凄いな……
催眠系の魔法は使うマンガとかあったよな……
闇魔法とかでさ?精神を乗っ取るとか洗脳するとか?
それを妖術の力……
まぁ妖気で扱うって感じ?
「……でも……かなり……力使う。……ずっとはむずかしい」
『あ、簡単に言えば尻尾増えるくらいのレベルにならないと厳しいとか?』
「……そう……尻尾増えると楽になる……気がする」
確かソフィア様が寿命の話の時に、
天狐は力をなくしているって言ってたな?
ひょっとして尻尾が増えるときって元の天狐に近づいてるのかな。
覚醒というより力が戻ってるのかも?
「理屈で使ってるわけでもなさそうですね?感覚です?」
「……うん……天狐は……力があるって」
「私もそうですから。こうすれば力が引き出せると言われてからは感覚ですよ?」
僕には全く使い方がわからんな!
なんかすごいんだねぇ。
でも、そりゃそうか……
神様が僕らの手助けをしてくれてるイメージなんだもんね。
元々才能がある部分に神様各々の力を貸してくれてるって感じかなぁ。
『クラムもあるよ~?まりょくのほかにも~。デメテルにもらったちから~』
『なんだと!?魔力だけで使ってんだと思ってたけど!?』
『まりょくとデメテルのまぜるの~。そっちのほうがそだつのはやくなるよ~?』
……まぁ魔力だけで使えてたら僕も創造で出来るようになりそうなもんか。
出来ないもん。
クラムの豊穣はやろうとしたことあるもん。
植物なんて伸ばせないもん。
『なんだよ~!じゃあ謎パワー使えないの僕だけじゃん~!ちぇー』
「……パパの方が……謎」
『そうだよ~!パパのまほうのほうがへん~!』
「そうですよ……そんなに色々魔法やスキル作れないです……。そもそも私達が魔法をうまく扱えているのがクロムさんの力なんですから……」
そうなの?
なんかできるけど……
あ、みんなこんな感じってことか。
ないものねだりってことですね。
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そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
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第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
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