食の雑学

床間信生

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22-年齢を重ねることで魅力が出るのは大人だけではない。素麺だって同じこと!という話

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日本にはラーメンや蕎麦・ウドンなど数多くの麺類が伝わっていますが「その中でも時期的に左右されるものは何か?」と問われると恐らくは素麺ではないでしょうか。

温かくしても冷たくしてもどちらでも食べやすい素麺ですが、時期的に食べるということを考えた場合…

やはり暑い時期に食べる冷やしタイプの方が消費量が多いと思います。

(10回に1回は必ず成功すると言われる私の勘が今までに9回連続で外しているだけに、今回は間違いなと思っています。)

そして、年間を通し生産量を見ると乾麺全体の全体の4割強もの割合が素麺でしめられるそうです。

単一の麺類ということで考えた場合、最も多いと言えます。

考えてみると茹でてツユつけて食べると考えると…

実質的にかかる手間というのは茹でる手間だけですから、かなり料理ベタな人でも何とかなる料理なのではないでしょうか。

そして、そんな素麺ですが保存にも優れていることもありギフトにも利用されるのですが、意外なことに製品として我々の前に並ぶには時間がかかると言うのはご存じでしたでしょうか?

材料なんて小麦と塩・水くらいなんでしょうし、買って終わりという消費者の立場からすると、全く想像も出来ないと考える人も多いのかもしれませんね。

一般的に素麺は生地を作り捏ねて麺状にした後で余分な水分を抜くために干すことになります。

テレビなんかでたまにやっていますよね。

あの簾みたいな映像のことです。

私なんかは、あの映像が出る度に「どこかで切れたりはしないのか?」と不安になったりするのですが、一度も干されている素麺が切れた場面というのを見たことがありません。

うまく出来ていますよねぇ~。

そして乾燥させたは指定の大きさに切ったり製品として加工することになるのですが、加工が終わったからとは言って直ぐに出荷したりしません。

素麺の質を向上させるために熟成させるようなのですが…

この熟成というのにとても時間をかけることになります。

1年以上寝かしてあるものは「古物(ひねもの)」

2年以上寝かせているものは「大古物(ひねもの)」

何て言う呼び方をされることもあると言います。

なんでもこの熟成の事を厄(やく)と呼び、硬化させることで歯触りのシャキシャキ感と言うのが強くなるんだそうです。

素麺以外にも普段なにげにお手軽に食べている料理ですが、いざ実際に目を向けてみると意外にも手が込んでいるなんてことも多くあります。

そんな中で食事を楽しむことができれば、もしかすると新たな楽しみ方というのを発見するきっかけにもなるかもしれませんね。

今日の一言!!
「年齢を重ねることで魅力が出るのは大人だけではない。素麺だって同じこと!という話」です。
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