食の雑学

床間信生

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55-学校で学んだことよりもガッコを食べたときの歯触りの方が100倍記憶に残っていますよという話

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いぶりガッコという食べ物を知っていますか?

これは秋田県につたわる乾燥薫製の漬け物のことです。

よく歯応えの良い漬け物として普通の沢庵が連想されますが、これを薫製にしたいぶりガッコの状態で食べた歯応えと普通の沢庵の歯応えを比べてしまうと全くもって問題になりません。

本当に大きいガリっという音がして、なかなかに気持ち良いんです。

(本気です。本気と書いてマジと読むくらい本気です)

あまりにも歯応えがありすぎてご飯のお供としてというよりは、一つの独立したおかずのごとく存在している感じです。

何度か心の中で「サラダか?」と思うほどに自問自答したこともあったとか…なかったとか…

確か元々の由来は、大根の漬け物などを冬に外に置いておくと凍って食べられなくなるので乾燥させて囲炉裏の上の方に吊るしておいたのが起源とか、そんな感じだった気がします。

いわゆる典型的な保存食というやつになるわけです。

多分、とある昔のドラマでも冬のお家で囲炉裏の上の方に食べ物を吊るすような描写があったと思うのですが、あれが沢庵だったということなのではないでしょうか。

と聞くと若干、臭いが気になるという方もいると思いますが、私が小さい頃はおばあちゃんの家に遊びに言ったときなど、別に気にしたことがありませんでした。

そして…

ここまで聞くと恐らく「いぶり=燻す」は騒動できますよね?

それでガッコの方は秋田弁で「漬け物」ということになります。

なんでこういう話をしたのかと言いますと…

実は私の父は秋田県の出身で私が幼い頃は2年に1度くらいの割合で、お婆ちゃんの家に遊びに行っていました。

そして勿論ですが遊びに行くときは夏もしくは冬の学校が長期休暇の時になるわけです。

北海道の冬休みは東京とは違い長めに設定されています。

(でもその分、夏が短め)

そこでお婆ちゃんと会話をするのですが…

遊びに行くと必ず食事時の会話で「ガッコまだかぁ?(漬け物は食卓に出てるか?)」なんて事を聞かれるのですが…

これが私の中で「学校はまだ始まらないのか?」に聞こえてしまい会話が噛み合わないんですよね…

心の中で「えっ…昨日来たんじゃん」なんて思いながら

その都度「えっ…学校…?」なんて言葉を聞いて私がお婆ちゃんの顔を見てしまうのが多々ありそして、そのやり取りの後は決まってお婆ちゃんが「そうそう、コレコレ」なんて言いながら、いぶりガッコをガリガリと音出しながら食べているという流れがいつもの感じでした。

ということで今日の一言!!
「学校で学んだことよりもガッコを食べたときの歯触りの方が100倍記憶に残っていますよ」という話です。
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