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ゴブリンの目的
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「やべー、マジ怖かったぁ~」
これが、ホムンクルスから自分に意識が切り替わった直後に発した言葉だった。
圧倒的な強者に一方的にやられた俺は、そう言いながら自分の体を見る。
当然だが、何も異常は無い。
強いて言うのであれば、今回は自分で本体の方に意識を戻したというよりは、強制的にホムンクルスの方で意識を保てなかった感じがした。
そのせいなのか、なんとなく頭の中がフワフワする感じがするが、そんなのはすぐに慣れる違和感だと思う。
「イダ様、どうなさいましたか?」
俺の行動を見て明らかに不審に思ったようで、彼女は心配そうな表情を浮かべている。
今後の対策や今の自分の考えなどを冷静に整理した方が良いと思った俺は、先ほどホムンクルスに起きた出来事を彼女に話すことにした。
「なるほど…リン様がホブゴブリンとおっしゃっていたのであれば、それはもう間違いがないのでしょうね。私もまさかホブがいるとは思いませんでしたが、でも何故…?」
彼女の表情が暗いというよりは、何だか疑念を感じるような表情をしている。
「そのホブゴブリンというのは、よっぽど特殊なモンスターなのか?」
「特殊と言えば特殊ですが、そうでもないと言えばそうでもないようなモンスターです。ちなみにリン様のモンスター登録でゴブリンは登録されていますか?」
「あー、うん。してるよ」
「なるほど。それであれば、その内ホブゴブリンを召喚できるようになるかもしれませんね」
「へー、それなら別に特別なモンスターでは無いってことかな?」
「ただ、通常のゴブリンとは違って、絶対に自然発生することはありません」
「マジで?ゴブリンって、自然発生するの?」
「はい」
「そうすると、ホブゴブリンは自然発生しない。というか誰かが意図的にって事…?」
そこまで、いいかけた瞬間、俺とカロリーの目線が思わずリンの方に向いてしまった。
彼女も俺たちの視線にすぐに気づいた。
そしてもちろんだが、ここまでの会話も横で聞いている。
なので自分は違うと必死に首を横にふっている。
「あー、ゴメン、リン。別にお前を疑っているとかそういうわけではないんだ。ゴメンね。違う。お前がホブゴブリンをというわけじゃなくて、お前とは別のダンジョンとかが召喚したかもね。ということだ」
「もしくは召喚士などの存在も考えられます」
召喚士?ダンジョンとは別にモンスターを召喚する人がいるのか?
ここで、カロリーには詳しく聞いておきたかったが、リンへの誤解を完全になくしておきたいと考えた俺は、召喚士に関してはスルーすることにした。
結果、リンは若干意味不明みたいな表情を浮かべた後、ご飯を食べたいと言い出してきた。
時間を確認してみると確かに何故か夕方になっている。
確かお昼を食べてからそこそこに、ゴブリン狩りをスタートしたのだが、何だか時間の感覚がおかしい気がするのは気のせいなのだろうか。
強敵にボロカスにいたダブられたとは言っても、そんなに数時間もたっていない気がする。
もしかするとホムンクルスからこっちに戻るまでの間に気絶でもしていたのだろうか。
若干、腑に落ちないこともあるが今が日が落ちかけの夕方という事実は間違いがない。
そんな時間からゴブリン狩りというのも何だか気が引ける。
なので、ご飯にしようかとも思ったのだが、分からないこと繋がりとでも言えばいいのだろうか。
俺が本体に意識を戻す前にゴブリン達にとらえられた女の子がいたのを思い出した。
なんだかその女の子のことが引っ掛かった俺は、カロリーに、ゴブリンの目的はなんなのか訪ねてみると…
「はい。イダ様の言うことが間違いないのであれば、恐らくその女性は苗床としてつれられたのではないかと思います」
「苗床…?って、あれか?俺が知っている知識とかだと作物育てるのに育てやすいように種植えてとか、そんな感じなんだけど…」
「今回の場合、対象となるのは作物ではありません。ですが種という話であれば、多少その通りだと思います」
話がいまいち見えてこない。
「元々、ゴブリンというのは混沌のモンスターと言われています」
「混沌…ねぇ…」
「はい。分かりやすく言うと無秩序で災いをもたらすのが目的とされるモンスターの事でございます。生物、これはモンスターや人・獣など区別はいたしません。一部例外がありますが、ほとんどの生物には食欲・睡眠欲・性欲というものが存在いたします。一説には、この欲求というものは寿命というものが密接に関わっているそうです」
「あー、それがないと生き物って生きていけないよね。うん、それは分かるよ」
「そこで、ゴブリンの話に戻るのですが、ゴブリンというのは雄しかいないそうです。そして彼らにはもちろん寿命が存在しますので、欲求というものが存在いたします。なので自分達の種族を残す方法を探すわけです。雌がいない雄だけの…」
「おい、それって…」
彼女の話を聞きたくないと思った俺は、彼女の言葉を遮ってしまった。
そして次の瞬間、俺は黙って立ち上がる。
「イダ様。いかがされましたか?」
「いや、そろそろ夕御飯にしたいとは思ったんだけど、やっぱり御飯はもう少し後の方がいいかなと思い始めちゃってさぁ…」
そんな俺の言葉の意図が分かったのだろう。
「ダメです。ご飯にいたしましょう」
「別に後ででもいいよな?」
そう言いながら俺はリンの方を見ると、彼女は困ったような顔を浮かべている。
「やはり、リン様はご飯を優先したいそうです」
「いや、ご飯より時間を優先しないと…」
「いいえ!ご飯の方が優先です。もう間もなく日が暮れますので、ゴブリン狩りはまた明日からにいたしましょう」
カロリーの言葉が一段階強いものになった。
「なんでだよ。って言うか飯食ってる暇なんてねぇんだよ」
「いいえ、今はご飯を食べることしか出来ないのです。相手がホブゴブリンだと分かった以上、今のイダ様とリン様の二人では、何度やっても時間の無駄にすぎません」
先ほどまでの態度とはうってかわって冷たい表情でいい放つ彼女と、少しずつ感情が高ぶってきた俺の言い合いは、このまま続いていくのかと思った直後。
小屋の外から女性の叫び声が響いた。
これが、ホムンクルスから自分に意識が切り替わった直後に発した言葉だった。
圧倒的な強者に一方的にやられた俺は、そう言いながら自分の体を見る。
当然だが、何も異常は無い。
強いて言うのであれば、今回は自分で本体の方に意識を戻したというよりは、強制的にホムンクルスの方で意識を保てなかった感じがした。
そのせいなのか、なんとなく頭の中がフワフワする感じがするが、そんなのはすぐに慣れる違和感だと思う。
「イダ様、どうなさいましたか?」
俺の行動を見て明らかに不審に思ったようで、彼女は心配そうな表情を浮かべている。
今後の対策や今の自分の考えなどを冷静に整理した方が良いと思った俺は、先ほどホムンクルスに起きた出来事を彼女に話すことにした。
「なるほど…リン様がホブゴブリンとおっしゃっていたのであれば、それはもう間違いがないのでしょうね。私もまさかホブがいるとは思いませんでしたが、でも何故…?」
彼女の表情が暗いというよりは、何だか疑念を感じるような表情をしている。
「そのホブゴブリンというのは、よっぽど特殊なモンスターなのか?」
「特殊と言えば特殊ですが、そうでもないと言えばそうでもないようなモンスターです。ちなみにリン様のモンスター登録でゴブリンは登録されていますか?」
「あー、うん。してるよ」
「なるほど。それであれば、その内ホブゴブリンを召喚できるようになるかもしれませんね」
「へー、それなら別に特別なモンスターでは無いってことかな?」
「ただ、通常のゴブリンとは違って、絶対に自然発生することはありません」
「マジで?ゴブリンって、自然発生するの?」
「はい」
「そうすると、ホブゴブリンは自然発生しない。というか誰かが意図的にって事…?」
そこまで、いいかけた瞬間、俺とカロリーの目線が思わずリンの方に向いてしまった。
彼女も俺たちの視線にすぐに気づいた。
そしてもちろんだが、ここまでの会話も横で聞いている。
なので自分は違うと必死に首を横にふっている。
「あー、ゴメン、リン。別にお前を疑っているとかそういうわけではないんだ。ゴメンね。違う。お前がホブゴブリンをというわけじゃなくて、お前とは別のダンジョンとかが召喚したかもね。ということだ」
「もしくは召喚士などの存在も考えられます」
召喚士?ダンジョンとは別にモンスターを召喚する人がいるのか?
ここで、カロリーには詳しく聞いておきたかったが、リンへの誤解を完全になくしておきたいと考えた俺は、召喚士に関してはスルーすることにした。
結果、リンは若干意味不明みたいな表情を浮かべた後、ご飯を食べたいと言い出してきた。
時間を確認してみると確かに何故か夕方になっている。
確かお昼を食べてからそこそこに、ゴブリン狩りをスタートしたのだが、何だか時間の感覚がおかしい気がするのは気のせいなのだろうか。
強敵にボロカスにいたダブられたとは言っても、そんなに数時間もたっていない気がする。
もしかするとホムンクルスからこっちに戻るまでの間に気絶でもしていたのだろうか。
若干、腑に落ちないこともあるが今が日が落ちかけの夕方という事実は間違いがない。
そんな時間からゴブリン狩りというのも何だか気が引ける。
なので、ご飯にしようかとも思ったのだが、分からないこと繋がりとでも言えばいいのだろうか。
俺が本体に意識を戻す前にゴブリン達にとらえられた女の子がいたのを思い出した。
なんだかその女の子のことが引っ掛かった俺は、カロリーに、ゴブリンの目的はなんなのか訪ねてみると…
「はい。イダ様の言うことが間違いないのであれば、恐らくその女性は苗床としてつれられたのではないかと思います」
「苗床…?って、あれか?俺が知っている知識とかだと作物育てるのに育てやすいように種植えてとか、そんな感じなんだけど…」
「今回の場合、対象となるのは作物ではありません。ですが種という話であれば、多少その通りだと思います」
話がいまいち見えてこない。
「元々、ゴブリンというのは混沌のモンスターと言われています」
「混沌…ねぇ…」
「はい。分かりやすく言うと無秩序で災いをもたらすのが目的とされるモンスターの事でございます。生物、これはモンスターや人・獣など区別はいたしません。一部例外がありますが、ほとんどの生物には食欲・睡眠欲・性欲というものが存在いたします。一説には、この欲求というものは寿命というものが密接に関わっているそうです」
「あー、それがないと生き物って生きていけないよね。うん、それは分かるよ」
「そこで、ゴブリンの話に戻るのですが、ゴブリンというのは雄しかいないそうです。そして彼らにはもちろん寿命が存在しますので、欲求というものが存在いたします。なので自分達の種族を残す方法を探すわけです。雌がいない雄だけの…」
「おい、それって…」
彼女の話を聞きたくないと思った俺は、彼女の言葉を遮ってしまった。
そして次の瞬間、俺は黙って立ち上がる。
「イダ様。いかがされましたか?」
「いや、そろそろ夕御飯にしたいとは思ったんだけど、やっぱり御飯はもう少し後の方がいいかなと思い始めちゃってさぁ…」
そんな俺の言葉の意図が分かったのだろう。
「ダメです。ご飯にいたしましょう」
「別に後ででもいいよな?」
そう言いながら俺はリンの方を見ると、彼女は困ったような顔を浮かべている。
「やはり、リン様はご飯を優先したいそうです」
「いや、ご飯より時間を優先しないと…」
「いいえ!ご飯の方が優先です。もう間もなく日が暮れますので、ゴブリン狩りはまた明日からにいたしましょう」
カロリーの言葉が一段階強いものになった。
「なんでだよ。って言うか飯食ってる暇なんてねぇんだよ」
「いいえ、今はご飯を食べることしか出来ないのです。相手がホブゴブリンだと分かった以上、今のイダ様とリン様の二人では、何度やっても時間の無駄にすぎません」
先ほどまでの態度とはうってかわって冷たい表情でいい放つ彼女と、少しずつ感情が高ぶってきた俺の言い合いは、このまま続いていくのかと思った直後。
小屋の外から女性の叫び声が響いた。
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