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つぼっち

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第八章、邪神の墓

#49 金銀財宝

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宝箱から溢れんばかりの金貨。

キラキラ光る宝石。

金貨の山に突き刺さる剣。

なんかよくわからない魔導書。

王冠や神器などの国宝級の宝物がたくさんあった。

「す、すげぇ。」

俺は絶句した。

これほどまでの宝物がこの世に存在したのか。

俺は収納魔術で片っ端から入れていく。

これで俺の国はさらに発展するだろう。

俺は台座突き刺さっている剣を抜こうとする。

だが、

バチィィィ!!!

「な!?」

俺が剣を抜こうと手を触れると手に電撃のような痛みが走った。

どうやら聖属性の攻撃を受けたらしい。

これもしかして聖剣か?

俺は柱にくくりつけたアーサーの縄をほどき、剣の説明をさせる。

どうやらこの剣は剣聖時代のアーサーが使ってた聖剣らしい。

名前は『失われた聖剣』というらしい。

そういやミルドが聖剣使ってたな。

お土産として持って帰るか。

俺は宝物庫を空にしてダンジョンを後にした。

俺はしばらく歩いたところでどこかの国についたので入国審査を受けて国に入り近くのベンチに腰掛けて魔導書を読む。

邪神の墓の魔導書はどれも店で見たことのないようなものばかりだった。

俺は一冊を手に取ってみる。

魔導書の題名は、

『聖の魔導書』

俺は無言でその魔導書を地面に投げ捨てた。

俺に聖魔術の才能が全くない。

人間には必ず聖属性の才能が少しあるはずだが全くない。

おかげで聖剣にもさわれない。

俺はふてくされながら魔導書を次々と読んでいく。

博識魔術、念写魔術、金属魔術、生成魔術、呪術、錬金術、飛行魔術、火炎魔術Ⅱなどさまざまな魔導書を読み、どんどん成長していった。

俺が全部を読み終え、少し休憩していると黒い軍服を肩に乗せている細身のイケメンが最初に投げ捨てた聖魔術の魔導書を拾い上げた。

「少年、本を粗末にしてはいけませんぞ。ましてや魔導書を捨てるなんて……。」

このイケメンの喋り方にどこか懐かしみを感じた。

男の顔をよくみるとやっぱりこいつを知ってると確信した。

「お前、大アルカナのデブか!?」

「むむ!!お前は裁人のグラトニーではないか!!」

魔術師。

そいつは女神に仕えるタロットの中でもさらに上位の大アルカナの存在。

魔術の才能に長けていた喋り方がオタクくさいキモデブだったはず。

「いかにも!!私は元大アルカナの魔術師!!だが今ではその資格を剥奪され、堕天使として現世に舞い戻った者。〈白金しろがねの堕天使〉カラメル・フラメルであります!!」

そう言ってカラメルは黒い軍服をバサッと翻した。
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