世界のためなら何度でも

つぼっち

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第二章、二度目の転生

#74 選別

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国の重役が全員揃い、会議が始まった。

「今回の議題は国の方針についてだ。まず初めに貿易。」

俺がそういうとゼロがスラスラと皆に話す。

「我が国では滅亡以来貿易国が3国のみ。人間の国との貿易はほぼ無理です。」

「ご苦労。そのことについてだが、何国か非人の国を探しこの紙に書いた。ここからより優れた国との貿易を図る。異議はあるか?」

俺が聴くと全員は何も文句なさそうに頷いた。

「そして次に話すのが国の経済についてだ。滅亡してからは国民が貧しい暮らしをしていると聞いたが間違いはあるか?」

全員首を横に振る。

それはそうだろう。

俺が帰ってくるまでの100年ずっと貧しかっただろう。

「そこで、俺の宝物この宝を一部売って国民全員に配給する。」

俺がそう提案すると全員がざわめき始めた。

「だ、大丈夫なのですか?」

逆十字騎士団団長のエーミールが恐る恐る聞いてくる。

「問題ない。こういう時に使わなくていつ使うんだ。それに宝なんぞ他国から奪えば簡単に手に入る。」

俺がそういうとみんな納得したような顔になる。

「そこで急だが明日、アレイスターの店で宝のほとんどを換金することにした。その時に連れて行く護衛が必要なんだ。人数が少ない方がいいから一人でいいんだが。」

俺がそういうとミルドが静かに手をあげる。

「私が行きましょう。」

「ミルドか。心強いな。」

「もったいなきお言葉。この命に変えてでも貴方様をお守りします。」

「命はかけなくていいよ……。」


そして会議が終わり、俺は自室で一息つこうとしたがゼロに止められ、溜まりに溜まった仕事をさせられた。



翌日

「し、死ぬ……。」

「大丈夫ですか我が主人よ。」

「だ、大丈夫だ。このくらい余裕だぜ。」

「そんなヘロヘロの体と顔で言われましても。」

俺とミルドは宝物庫に入り、どれを売るかを考えていた。

「この宝石は高く売れそうだな。この王冠は……俺がつけたいからとっておこっと。」

「我が主人……。」

そうしてしばらく宝を整理していると神聖なオーラを放つ剣が見つかった。

「これは確か邪神アーサーからもらった(奪った)『失われた聖剣』だったかな。聖剣なんだしミルドが持っとけよ。」

「い、いいのですか?」

「俺は聖剣に触れないしな。それに聖剣は売っても理解されないからガラクタ扱いされるし。」

「ではありがたくもらっておきます。」

「あぁ。お、この七色の鉱石なんかも売れそうだな。」

そうして俺とミルドは宝物庫のものをあらかた空間魔術で詰め込み、アレイスターの店へ行くことにした。」
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