世界のためなら何度でも

つぼっち

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第八章、天へと届く鐘の音と

#103 鍛治師ガーソン

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「それで魔剣のメンテなんだけど。」

「わかりました。ちなみにその魔剣お持ちですか?」

「持ってるぞ。」

そう言って俺は魔剣を手渡す。

「……これが本物の魔剣ですか。確かに普通の剣と保有魔力量が段違いに違いますな。」

『そうだろう。何せ俺様が入ってるぐらいだからな。』

「喋った!?」

「あぁ、その魔剣悪魔が3体入ってるんだ。」

「悪魔を憑依させる魔剣……。素晴らしい、さすがは国王陛下の剣。」

「それで、メンテの方法を教えてほしいんだ。」

「そうですね……これほどの業物を素人が磨くには難しい、よければこの剣私が磨きましょうか?」

「いいのか?」

「ええ、私の店はそのようなサービスもしておりますので。国王陛下のお越しなので無料で大丈夫ですよ。」

「そういうわけにはいかねぇよ。ちゃんと金は払う。」

「作用ですか。わかりました、それでは今から磨き始めるので少しお時間かかります。その間に他の買い物も済ませておいたらどうでしょう。」

「そうするよ。ありがとな、ガーソン。」

「いえいえ。」

俺とゼロは鍛冶屋を出る。

「あのおっさん気前がいいな。」

「ガーソンさんはああいう人ですからね。」

「じゃあ今のうちにポーションとかかっとくか。」

「ですね。」

俺たちは鍛冶屋を後にした。




「ポーションってめっちゃ数あるな。」

「とりあえずマナポーションと回復薬は買っておきましょう。後スタミナポーションも。」

「ポーションとかも自分で作れたらいいんだけどな。」

「ポーションは調合師が作る方が純度が高いですもんね。」

俺はピンク色のポーションが入った棚に目をやる。

その棚には媚薬と書かれていた。

「……。」

俺はしばらく考える。

「ゼロ、俺決まったから店先に出とくな。」

俺は無言でそのポーションをレジに持っていき、店を後にした。

これは今度誰かで試してみよう。

「マスターなんか幸せそうですね。」

「そうか?」

「そういえばさっき媚薬の棚からひとつ消えていたんですけど。」

「ギクッ。」

「まさか買ってなんかいませんよね。」

「当たり前だろ、俺を誰だと思ってんだ?」

「むっつりスケベ国王でしたよね。」

「よーし次の店行くか。」

俺は早歩きでポーション屋から颯爽とはなれていった。
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