世界のためなら何度でも

つぼっち

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第一章、地獄の炎を纏し竜

#120 焔帝竜ガルミラナ

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「ついたぞ。ここが焔帝竜が眠っているマグマだまりだ。

「マグマだまりで寝るなよ。」

「ここの温度がちょうどいいらしいぞ。」

確かにマグマだまりを見るとツノのようなものが少しはみ出ている。

そして近くには皮膚がただれた死体がゴロゴロ転がっていた。

おそらく焔帝竜にちょっかい出してマグマがかかって死んだんだろう。

「さて、どうやって起こします?」

「そうだな、このマグマだまりに毒でも流し込んでもがき苦しんだところを俺の対戦車ライフル(氷属性ver)とアイスクリスタルをぶち込んで怯んだところを俺が氷属性付与した剣達でボコボコにするっていうのはどうだ?」

「外道ですね。」

「外道です。」

「外道だな。」

3人に同じようなことを言われて少し凹む。

「じゃあ正々堂々と勝負挑むか。」

俺はお手製のキンキンに冷えたクーラードリンクをマグマだまりに注ぎ込む。

すると温度の変化を嗅ぎ取ったのかマグマだまりから真っ赤に染まった竜がのそりとめんどくさそうに出てきた。

「これでいいのか?」

「ここまで正々堂々とするのは逆にどうかと思いますが……。」

「単純ですね。」

「単純だな。」

「じゃあどれが正解なんだよ!!」

俺たちがもめていると竜は完全に目を覚ましてブレスの構えに入る。

「こいつのブレス暑そうだな。」


ボッ!!!!!!!!!!!!!!


今までの竜とは比にならないくらい広い範囲に炎のブレスを吐いてきた。

「あちぃ!!」

「結構距離はとったはずなのにこの威力はまずいですね。」

「私は全然暑くないですけど。」

「「お前は離れすぎだ!!」」

超高速でブレスの範囲から避けていたゼロが涼しい顔で言ってくる。

「ベルゼブブ入れ!!俺が一気に鱗を剥がす!!」

『まかせろ!!」

ベルゼブブは素早く魔剣に入り、それと同時に目にも止まらぬ速さで竜の懐に入り込み、鱗を削る。

「あっつ!!」

「大丈夫かベルゼブブ。」

『こいつの鱗も半端じゃないくらい熱いぞ!!ちょ、暑すぎる!!』

ベルゼブブはあまりの暑さに魔剣から離れる。

そういう俺もマグマだまりに近づきすぎたせいか火傷を負ってしまった。

「仕方ない。試練で身につけたエクストラスキルを使うか!!」

俺はエクストラスキルを発動する形に入る。

だがそれは一人の声によって遮られた。

「その必要はないぜ聖夜!!」

地獄の業火に負けない暑苦しい声。

俺はゆっくり声の主を見る。

声の主は高い場所で黄金の鎧に身を纏い、剣を地面に突き刺しマントをバサッと翻しポーズをとっていた。

「我が『大』親友聖夜!!俺はお前に悪の道に進んでしまっていた俺を正してくれた!!だから今度は俺がその恩を返す時だ!!トウッ!!!!!!」


聖夜はバッとマントをバサバサと鳴らしながら落下し、綺麗に着地する。

「俺の名は国守正義!!神成聖夜の大親友にして全ての悪を正す者だ!!!」

暑苦しい男、正義は俺の方を見て腰に手を当てたからかに笑っていた。






「だっせ。」
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