世界のためなら何度でも

つぼっち

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第十章、二人の葛藤

#166 属性相性

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「……真っ二つになってない?」

剣が当たったのは魔力でできた障壁だった。

「属性の相性、ですね。」

ゼロはあの強大な力は味方を巻き込まないように何か特殊な仕掛けがあると気づいたのだ。

今頃になるが属性は種類。

まず基本となる純四属性ハイエレメントは火ひ、水みず、土つち、風かぜの四つであり、火→水→土→風→火の順に強い。

そしてその派生である第一派生属性アインエレメントは炎ほのお、氷こおり、毒どく、雷かみなりの4つで、雷→毒→氷→炎→雷と純四属性の逆回りに強い。

それと同じく怪カイ、深シン、機キ、迅ジンの第二派生属性ツヴァイエレメント、印イン、焉エン、腐フ、空クウの第三派生属性ドライエレメント・・・・・・と派生していく。

これらは全て四属性の法則に基づいて根本は同じなのだ。

あのメイドの服に練り込まれた属性はサーチするに土属性の第2派生属性『機』。

その服で弾かれるということはあの剣は土に弱い風属性の第二派生属性、『迅』。

風のように素早く鋭く切り裂く属性だ。

そこでゼロはエクストラスキルを解除して絶対防御形態に戻り『機』属性の魔力を固め障壁を作り、クロムウェルの攻撃を防いだのだ。

ゼロは一応ドライエレメントまではある程度扱えるので造作もないことだった。

「チッ、感づいたか。」

「私天才ですから。」

「……。」

クロムウェルは聞き流し、剣に魔力を込める。

「だったら属性変えれば問題ねぇな!!」

ブォンブォンと剣が形を微妙に変え始め、属性が変化される。

剣に属性遮断効果があるのか間近で見ない限り判別できないだろう。

クロムウェルは横凪で剣を振る。

これはどこへ逃げても当たるだろう。

なら障壁で守る!!

「これで死ねや!!!!」

剣がだんだん近づいてくる。

まだわからない。

もう少し近くないと。

まだだ、まだだ、まだだ、まだだ……。

「今!!」

剣の属性は全てを飲み込む『焉』の属性!!

それに強いのは印を組んで術を強化する『印』だ!!


バッバッバッバッ!!!!


ゼロは素早く手で印を結び、障壁に印属性を混ぜて防御する。


パチン!!!!!!!


「なぁ!?」

ゼロの印で強化された障壁はカウンターのようにクロムウェルを弾き返した。

その威力は絶大。

クロムウェルは地面に激突し、頭を強打した衝撃で軽く体が痺れている。

「お…お前どこでその印を……。」

第三派生属性ドライエレメント以上の派生属性は強大な力を持っているが独学で学ぶのが難しく、市販の魔導書にも載っていない。

「これは博士が教えてくれたんです。博士意外と陰陽道とか研究してましたし。」

じゃりじゃりと土を蹴り、ゼロはクロムウェルの側まで近寄る。

「なんだ?トドメでも刺しに来たか?」

ゼロは少し沈黙した後、

「はい、そのつもりです。」

「ゑ?」

ゼロは零石を使ってエクストラスキルを発動する。

「ちょ、ちょっと待て。こういうのは大体俺を生かしとくんじゃないの?君主人公サイドだよね?ねぇ待ってその目怖いんですけど、待って待って待って待ってあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!!!!!!!!!」




クロムウェルは半殺しフルボッコにされましたとさ。


【博識】のゼロ、勝利。

【希望】のクロムウェル失禁!!!!
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