世界のためなら何度でも

つぼっち

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七つのエンディング

Cエンド

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俺は……、

「もう心を痛めたくねぇよ。」

どうせ初代神王なんか当てにできない。

それだったら傷つくまえに死んどけばいいんだ。


ふと頭にゼロやミルドの顔がよぎる。

「…………ごめんな二人とも。俺は強くなんてなかった、主人公にもなれなかった、所詮ただの一般人だったんだ。」

こんなところで諦めていいのか?

良くはない。

でも悪くもないんだ。

もうこれ以上辛い思いはしたくない、痛い思いもしたくない、大切な人を失いたくない。

ちょうどそこにいい高さの大木があるじゃないか。

俺はその樹に魔力で作った縄をかけ、ちょうどいい高さの台を作る。

そして縄に首をかけ、台を蹴飛ばした。


「ぐっぅぇ!!」

勢いで首が締まり、苦しい。

しかし首の骨がポキリと折れて短い時間で絶命できた。

俺は強がってただけだったんだ。

「俺は弱虫だ……。」









その様子を遠くから見ている人影があった。

それは人と形容し難いもの。

赤く擦り切れたローブに身を包み大きな鎌を担いだ大男。

ガラス製のビーカーにどっぷりとハマった空色の液体。

存在が薄く息を吹きかければ吹き飛びそうな存在感の霧状の存在。

「ーーー、ーーーーーーー。」

「◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯?」

「……………、…………。」

発声器官の構造が全く違うのか今まで聞いたことのないような鳴き声、いや言語だった。

しばらく謎の言語を話し合った後、液体と霧はその場を後にした。

大男はしばらく聖夜の死体を眺めた後、二人の元へ這い寄った。


世界のためなら何度でもーCエンド。

自分が傷つくことが嫌で全てを諦めた者の末路
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