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独りぼっちの女の子
しおりを挟む寂しい…
…ツライ……
哀しい…
…苦しい…
…もういや…
『…さびしいの…
助けて…もう…
死にたいの…』
一条の光も
差さない
漆黒の闇の中
ひとりぼっちの
少女が…
泣いている…
そこに…
…蹲り…
泣いている…
★ ★ ★ ★ ★
…俺は、
今の状況に…
ほんの少しだけ
途惑っていた。
…だって…
俺の肩に、
無防備な彼女の
頭がコテンと可愛く
乗っているから
嬉しいけれど…
…どうしよう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「本当ねっ」
「…甘くて美味しい~」
あの後…
俺たち家族に、
怯えた様子が
無くなった彼女に
この世界の事を
知って欲しくて。
俺の、一番
お気に入りの
…場所に…
案内をしたのは
彼女の体調が
完全に落ち着いた
三日後のことだった。
遥か彼方…
山の麓まで続く
見渡すかぎりの、
色とりどりの花々が
…咲き乱れる…
美しいお花畑とか。
美味しい…
蜜を溜めている
…花の蜜を吸う…
やり方とかを
ふたりして楽しんだ。
少しだけ疲れた
様子を見せる、
彼女を気づかい
敷物をしいて…
…休憩を…
することに。
そして、
母さんが
用意をしてくれた
お昼ごはんの
パンに野菜やハム
ゆでた卵を挟んだ
お昼ごはんを食べて
寛いでいたら…
「ウィルの、
お母さんは
本当に…お料理が
得意なのね!」
「…食事を作る
お手伝いをしたら
教えてくれるかな?
…駄目かな?」
なんて、
可愛らしい~
ことを喋っていた
彼女が…なぜが
突然黙ってしまい
不思議に思い?
彼女を見ようと
したのだが…
彼女の体がコテンと
傾き…あろう事か
…俺の肩に…
彼女の頭が(うわぁっ)
のっかったのだ!
嬉しいやら…
恥ずかしいやら
まあ…
嬉しいのだが。
彼女の、重みや
体温を直に感じる
幸せや嬉しさに
もっと浸っていたい。
けど…この体勢は…
彼女に、リンに…
リンカに負担がかかる
そっと、リンの
頭と背に腕を添えて
ゆっくりと彼女を
敷物の上に寝かせて
リンカの髪を撫でた。
そして…思い出す。
彼女が…
俺たち家族に…
彼女自身の名前を…
………………………
………まさか…
名前を…
…考えて…
付けて欲しいと…
…お願いされる
なんて…
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