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19・弱肉強食
しおりを挟む弱肉強食なのは、仕方がない。
マリン達に、理不尽を跳ね除ける力があるだろうか…。
「フロアちゃん、今日もお休みだった…。」
「………そっか…。」
寮のベッドで大の字に横になりながら、いつものようにマリンとマロンは語り合う。
新入生歓迎パーティーから1カ月が経っていた。
フロアは退学にはならなかったが、あの断罪劇をほとんどのクラスメイト達が見ていたので、クラスの皆に陰口を叩かれたり無視をされるようになってしまったのだ。
そんな事が数十日続き、フロアはとうとう学園を休むようになってしまった。
「…もしかしたら、もう寮にもいないかも…。
噂なんだけど、実家に戻っちゃったって…。」
「そんな…。」
このままフロアは候補から脱落してしまうのだろうか…。
マリン達も王子の候補から降りたいとは思っているが、こんな風に学園から去りたいとは思っていない。
「わたし達も、どうなっちゃうのかなぁ…。」
「……その前に、テストなかったっけ。」
「あ。」
年に2回、実技と学力のテストが行われ、成績表と今後のクラス替えに反映される。
「もうダメ…、もうクラス落ち覚悟する…。」
シクシクとうつぶせで泣き出すマロン。
前世の記憶を取り戻してから、マリンとマロンの特色が以前よりも強く分かれて出るようになった。
マロンは魔法がより得意となり、マリンは学力が向上した。
中間テストは、1日目が実技テストで2日目が筆記の学力テストだ。
その日程は全クラス同じで、黒魔導師のクラスは学園のグラウンドで実技のテストを。
白魔導師達はホール内でのテストが行われる。
学力テストの方は、それぞれのクラスでテスト問題のプリントを解く。
プリント用紙と用意されたペンは特殊な物で出来ていて、書いたペンを手に持っていない者からは書いた内容が見えないようになっている。
もしも、マロンがクラス落ちをしたら―――。
ティアや王子とは距離が取れるが…。
周りに何を言われるか、分かったものではない。
気の強いフロアですら、周りの悪意に負け、登校拒否となった。
精神的にそんなに強い訳ではないマロンに、耐えられる筈がない。
もう以前ほど、バカではなくなってしまったのだ…。
相手の悪意に気付けるようになってしまった。
マリンは一緒に居てやれない。
ならば、なるべく環境が変わらない現状を維持し、同じ候補生のシータも居るSクラスで居た方が良いだろう。
「マロン、よく聞いて。」
マリンはベッドから起き上がると真剣な声を上げた。
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