傲慢王子から婚約破棄を突き付けられる予知夢を見る所から始まる一昔前のよくある物語

MM-M

文字の大きさ
26 / 27

25・自由

しおりを挟む

自由―――。

冬休みの間、リユーサとシャラにはたくさんの外の事を教えて貰った。
ガラス細工を売って生計が立てられるかも尋ねてみた。
生計が立てられるかは分からないが、こういった形の物が人気でよく売れるなどの情報を教えてくれた。
マリン達の作品は、マリン達が思った以上に人気と需要があるようだ。
前世の世界を視てからは、更に作品の精度が上がり、細部まで細かく作れるようになった。
その為、買い取り価格も上がり、今回渡した作品達は、今までの倍の値段で引き取って貰えた。
出来ればこれを仕事として外の世界で生きて行きたい。
マリンはそう思っている。
マロンは何も考えていないのか、マリンがそうリユーサとシャラに伝えた時、ぽやん…と上の空だった。
リユーサとシャラは、チューブに相談してくれると言っていた。
そして最悪、それだけで生計が立てられなくとも、冒険者となりギルドの依頼を請け負って魔物退治などをすればかなり稼げるので、そちらでも生きて行く事は出来るだろうとマリン達が考えていた事も言った。
だからその為にも、魔導師としての力を卒業までに付けておくべきだと付け加えられた。
高等科では、魔力を高める為の瞑想の授業や模擬戦、近隣の洞窟の魔物退治など、実技授業もたくさんある。
ちゃんと授業を熟して卒業すれば、かなりのレベルの魔導師になれる。
そんな学校はグロッシュラー以外には存在しないらしい。
魔導師として強くなりたい者からすれば、夢のような学び舎なのだ。

(そうだ…、わたしは…、わたし達は、今の不自由から抜け出して、自由に、戦争のない国で、暮らしたいんだ…。)
だが、マリン達だけグロッシュラーから離れても良いものか…。
グロッシュラーは国民が国外へ出る事を特には禁止していない。
外部の者が国内に入るには厳しい審査があるらしいが、内部の者が外に出る事には大した審査はない。
それで何故国民が減らないのかと、マリンは単純に尋ねた。
チューブも、グロッシュラーは国民を国の外に出したがらないと言っていた。
なのに、国外へ出る審査が甘いとは…?

その理由としては、国民は外で暮らしたがらないから、らしい。
皆、魔導師である事を誇りと思い、強い国を尊敬しているのだ。
そして一般人は、魔導師や騎士達に守られた治安の良い町で暮らせる上に、魔物退治などで国庫が潤っている為、スラム街や貧民区域が存在しない。
貴族制度もないので、大きな身分制度は王族だけの為、一般人にも国が手厚く保障をしてくれるのだ。
そう言う制度は、他の国では考えられない。
グロッシュラーは国民の保証制度がかなり進んでいて、安泰の国でもある。
そしてそれは、軍事力が高く魔物討伐等で国庫が潤っているから出来る保証制度でもある。
(一般人は住みやすい国かもしれないけれど、魔導師達はどうなんだろ…。
誇りや尊敬や給料が少し多いだけで、危険な目に遭っても良いと思えるの…?)

「あっ、ライちゃんの事、聞くの忘れちゃった…!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

私を見下していた婚約者が破滅する未来が見えましたので、静かに離縁いたします

ほーみ
恋愛
 その日、私は十六歳の誕生日を迎えた。  そして目を覚ました瞬間――未来の記憶を手に入れていた。  冷たい床に倒れ込んでいる私の姿。  誰にも手を差し伸べられることなく、泥水をすするように生きる未来。  それだけなら、まだ耐えられたかもしれない。  だが、彼の言葉は、決定的だった。 「――君のような役立たずが、僕の婚約者だったことが恥ずかしい」

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】

恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。 果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?

見捨ててくれてありがとうございます。あとはご勝手に。

有賀冬馬
恋愛
「君のような女は俺の格を下げる」――そう言って、侯爵家嫡男の婚約者は、わたしを社交界で公然と捨てた。 選んだのは、華やかで高慢な伯爵令嬢。 涙に暮れるわたしを慰めてくれたのは、王国最強の騎士団副団長だった。 彼に守られ、真実の愛を知ったとき、地味で陰気だったわたしは、もういなかった。 やがて、彼は新妻の悪行によって失脚。復縁を求めて縋りつく元婚約者に、わたしは冷たく告げる。

処理中です...