ephemeral house -エフェメラルハウス-

れあちあ

文字の大きさ
54 / 78
新学期

5

しおりを挟む
その曲はどう聞いても私たちのことを言っていた

ただ、その中に「好き」や「愛」なんて言葉はひとつも無くただ、これまでの経緯が詰まっていた

経緯ってより思い出?

それだけ、ただそれだけなのにすごく切なく感じたのはセナの気持ちを知っているからなのかな?

ううん、違う

きっと誰が聞いてもそう思う

あんなにも明るい曲調なのに、とても切ない曲だった。





セナのバイクはやっぱりかっこいい

「そろそろどこ向かってるか教えてよー」

風の音がうるさく、どれだけ大きい声を出してもちゃんと聞き取ってくれない

車だったらこんな苦労しなくて済むのにね、、、

でも、しばらくすると見たことある景色が出てきた

「なるほどね」

多分あそこだ


突き当たりを左に曲がると"あの"駐車場が出てきた

「到着」

てことは、この段差を登っていけば

ほら、やっぱり

約1ヶ月ぶりに来た

「時間潰すって言ったらここでしょ」

あの時の海だ

「なんか久しぶりに来た」

「おれほぼ毎日来てるわ」

そりゃ、ご苦労さまなこと

「あいつらも抜け出してこっち合流するってよ」

全く新学期早々みんなして………

何時になるかはわかんないらしく
それまでセナと2人で他愛も無い会話を続けていた

どれくらい経ったのか

だんだんと会話も減ってきてセナはタバコを吸いながら海を見つめぼーっとしてる事が増えてきた

そうなってくると私もやる事が無く暇になるからケータイを意味も無くいじる

そうやってテキトーに時間を潰しているとセナが話しかけてきた

「ゆいちゃんゆいちゃん」

「んー?なに?」

「お腹すいちゃった」

知らんがな

時計を見てみると時刻は11時を回った所

「まだ昼前だよ」

「んー、でもお腹空いた」

「私何も持ってないよ」

「え?」

え?っていつでも食べ物持ってる人の方が少ないでしょ

「珍しい…いつも弁当作って来てるのに」

「はい?今日半日なんだから持ってきてるわけないでしょ?」

「え?」

でたよ、バカセナ

「なんで教えてくれなかったの!?半日なら行けばよかった」

あんたが後悔するといま無駄なことしてる気分になるんですけど…

「まあでもいっか、2人で海来れたし」

いいぞ、その意気だ

「あ、そういえばこんなのならあるよ」

本当は甘やかすの良くないしみんなが甘やかすからこのダメ男はすーーーぐ「お腹空いた~」だの「ジュース買ってーー」だの騒ぐから嫌だけど
可哀想だからカバンに入ってたパンをあげた

「メロンパンおれめっちゃ好き!!ありがと~」

嬉しそうに頬張るセナ

私やっぱり着実にこいつの保護者ポジションになってってるわ……

「あとでジュース奢るね!」

珍しいことを言うセナを軽く小突いてまたケータイに視線を落とし時刻を見た

そろそろ2人が来る頃だ

そんな気がした
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった

naomikoryo
恋愛
【♪♪♪第19回恋愛小説大賞 参加作品♪♪♪ 本編開始しました!!】【♪♪ 毎日、朝5時・昼12時・夕17時 更新予定 ♪♪ 応援、投票よろしくお願いします(^^) ♪♪】 出会いサイトで“理想の異性”を演じた二人。 マッチ率100%の会話は、マッチアプリだけで一か月続いていく。 会ったことも、声を聞いたこともないのに、心だけが先に近づいてしまった。 ――でも、君は彼女で、私は彼だった。 嘘から始まったのに、気持ちだけは嘘じゃなかった。 百貨店の喧騒と休憩室の静けさの中で、すれ違いはやがて現実になる。 “会う”じゃなく、“見つける”恋の行方を、あなたも覗いてみませんか。

鷹鷲高校執事科

三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。 東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。 物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。 各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。 表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

処理中です...