ephemeral house -エフェメラルハウス-

れあちあ

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結衣の1年間

5

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もう3度目の呼び掛けだが、いつもと変わらない態度だった。

「優さーん、ご飯できたけどー?」

返事もせずにゲームをする彼の後ろ姿は既に見慣れた光景になってしまっていた。

あの日、お金もう無いよって伝えた日から関係が変わってしまったように思う。

無闇に話しかけてくることが無くなり、同じ部屋にいても顔を見ることが減り、身体を重ねる事があってもそれはただ優が性欲を処理したいが為のオナニーの延長のようなものだった。

……そういえば、殴られる事も無くなったな。

たまに話しかけてきたと思ったらものすごく遠慮がちに
「おれ、出かけるから…あの…お金…」って呟くだけだ。

昔はお金貰うのだってもっと普通に来てたじゃん。

何もかもが変わった。









先にご飯を食べ終え自分の分を洗っていると優がやっとゲームを終え食べ始めた。

「ごめん、お茶貰っていい?」

「はーい、ちょっとまってねー。」

洗い物を一旦やめて優のコップにお茶を入れると「ありがとう」と素っ気なく返事が返ってくる。

今までだったらお礼の言葉なんて言ってくること無かったのに、何だかあれ以来ホントに他人行儀というかよそよそしいというか…。

「ご馳走様、おれちょっと出かけるわ。」

「ん?わかったー、先寝てると思うから鍵持ってってね。」






金の切れ目が縁の切れ目





ねぇ優、知ってる?金の切れ目が縁の切れ目って言葉。

多分、私たちは、お金が無くてもズルズルと関係を続けると思う。お互いとってもとってもとっても弱いから。

最近気づいちゃったんだ。私もあなたも、もうお互いを想ってる訳じゃないんだって。

私、傷つくのは慣れてるからさ、だから貴方からちゃんと離れてよ。私からさよならするのは出来そうにないから…。






「誰か暇な人居ないかな」

あっという間に洗い物を終わらせて、もうやる事も無く暇になってしまった。

…そういえば、あいつらと全然話してないかも。

スマホを開き友達欄を眺めるとあいつの名前が目に留まる。

「……」

なんで、話してなかったんだっけ。

てか、なんで関わってなかったんだっけ……

「もしもし?どしたんいきなり。」

あぁ、懐かしい声。

「久しぶりだね、セナ」

「久しぶり…だね、元気してんのー?」

違う、こんな当たり障りない会話したいんじゃない。

「まぁ、普通?かな?そっちはどうなのよ、バンド順調?」

「おれー?まぁ、普通かな」

へへっと笑いながら答えるセナがとにかく懐かしい。

「…………」

「ゆいちゃん?ほんとどしたの。」













わがままきいて

いいよ、どしたの

一人でいたくないの

いくよ、そっち

でも、

ううん、大丈夫だよ

ほんとに?

秘密…一個くらいあってもいいでしょ

……まってるね。

すぐいくよ








ありがとう、セナ
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