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65.再戦
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セトイカを出て4日
往路よりも楽に俺達はこの場所までたどり着いた
「ある意味因縁の場所だよね」
「シアが死にかけた場所だしな…」
2人は複雑そうな顔で呟く
ポイズンベアにやられそうになった場所
俺達はここでポイズンベアと再戦しようと思っている
「今回も素材取れる様にするんでしょう?」
3日以上燻せば携帯食に利用できる肉を確保したいと言い出したのはシャノンだ
今インベントリに入ってる1体は99%コーラルさんが持って行くだろうから、自分たちの分も確保したいというのが一番の理由だ
ちなみにまだコーラルさんにこのことは知らせていない
3人で話し合って旅の土産として打ち明けることにしたからだ
「どんな作戦で行く?」
「とりあえず危険なのは爪と牙とブレスだな。動きをまず封じる必要があるし、業火が使えない以上窒息させるしかないと思うぞ」
「じゃぁ足元は僕が」
ルークの地魔法のスキルはこの旅のお陰で随分上がった
往路でひたすら穴を掘り続けた結果、今では深さ・直径3mくらいの穴なら普通に開けられるようになっている
「窒息させる間に前足を振り回されると厄介だな…」
木魔法があれば拘束できるけど、残念ながら俺達は使えない
分類としては地属性だけどスキルとして得てるのはごくわずかな人だけらしい
植物がある場所でしか使えないって制限があるから冒険者からは外れスキルだと言われてたりもする
だって迷宮の中なんて植物のない階層の方が多いからな
そこまで考えてふと思う
拘束まで行かなくても爪が俺らに当たらなければいいのか?
「シャノン」
「なに?」
「前足の先端を凍らせることは出来るか?」
「先端を凍らせる?」
「爪が直接俺達に触れなければそれでいい」
「なるほど…毒さえ回避できれば何とかなりそうだもんな」
「でも先だけ凍らせるなんてどうやったらいいんだろう…」
シャノンは考え込む
「一旦窒息させる時みたいに水球で包んで即時に凍らせるとかは?」
「それなら大丈夫。こういうことでしょう?」
シャノンは目の前でやって見せる
宙に浮いた水球が一瞬で凍り付くのを見て、これならいけると頷いた
「簡単に破壊されるかもしれないから何度か繰り返してくれ。ポイズンベアを窒息させるまで結構時間がかかる」
「分かった。ずっと重ね掛けしとく」
そう来たか
まぁ、それでも問題ない…のか?
左右交互に重ね掛けしてたら丁度いいかもしれないけどな
「念のため母さんの毒消し飲めるようにしとけよ」
「いっそ今飲んでても良くない?」
「いや、症状が出てない時に飲むのは避けた方がいいだろうな」
確か薬に対する耐性が付いてしまうはずだ
俺達はそんな話をしながら足を進めていた
『きたー』
リトスがそう言うなりポーチの中に入っていく
「相変わらず高い察知能力よね」
「その後の行動力も中々のものだよな」
告げてすぐに隠れる辺りリトスも旅になれたものだと思う
最初の頃はずっと震えてたのに、今ではここにいれば安全と信じて疑わない
一種の微笑ましさを感じながらも気を引き締める
少しして目に入ってきたのは…
往路よりも楽に俺達はこの場所までたどり着いた
「ある意味因縁の場所だよね」
「シアが死にかけた場所だしな…」
2人は複雑そうな顔で呟く
ポイズンベアにやられそうになった場所
俺達はここでポイズンベアと再戦しようと思っている
「今回も素材取れる様にするんでしょう?」
3日以上燻せば携帯食に利用できる肉を確保したいと言い出したのはシャノンだ
今インベントリに入ってる1体は99%コーラルさんが持って行くだろうから、自分たちの分も確保したいというのが一番の理由だ
ちなみにまだコーラルさんにこのことは知らせていない
3人で話し合って旅の土産として打ち明けることにしたからだ
「どんな作戦で行く?」
「とりあえず危険なのは爪と牙とブレスだな。動きをまず封じる必要があるし、業火が使えない以上窒息させるしかないと思うぞ」
「じゃぁ足元は僕が」
ルークの地魔法のスキルはこの旅のお陰で随分上がった
往路でひたすら穴を掘り続けた結果、今では深さ・直径3mくらいの穴なら普通に開けられるようになっている
「窒息させる間に前足を振り回されると厄介だな…」
木魔法があれば拘束できるけど、残念ながら俺達は使えない
分類としては地属性だけどスキルとして得てるのはごくわずかな人だけらしい
植物がある場所でしか使えないって制限があるから冒険者からは外れスキルだと言われてたりもする
だって迷宮の中なんて植物のない階層の方が多いからな
そこまで考えてふと思う
拘束まで行かなくても爪が俺らに当たらなければいいのか?
「シャノン」
「なに?」
「前足の先端を凍らせることは出来るか?」
「先端を凍らせる?」
「爪が直接俺達に触れなければそれでいい」
「なるほど…毒さえ回避できれば何とかなりそうだもんな」
「でも先だけ凍らせるなんてどうやったらいいんだろう…」
シャノンは考え込む
「一旦窒息させる時みたいに水球で包んで即時に凍らせるとかは?」
「それなら大丈夫。こういうことでしょう?」
シャノンは目の前でやって見せる
宙に浮いた水球が一瞬で凍り付くのを見て、これならいけると頷いた
「簡単に破壊されるかもしれないから何度か繰り返してくれ。ポイズンベアを窒息させるまで結構時間がかかる」
「分かった。ずっと重ね掛けしとく」
そう来たか
まぁ、それでも問題ない…のか?
左右交互に重ね掛けしてたら丁度いいかもしれないけどな
「念のため母さんの毒消し飲めるようにしとけよ」
「いっそ今飲んでても良くない?」
「いや、症状が出てない時に飲むのは避けた方がいいだろうな」
確か薬に対する耐性が付いてしまうはずだ
俺達はそんな話をしながら足を進めていた
『きたー』
リトスがそう言うなりポーチの中に入っていく
「相変わらず高い察知能力よね」
「その後の行動力も中々のものだよな」
告げてすぐに隠れる辺りリトスも旅になれたものだと思う
最初の頃はずっと震えてたのに、今ではここにいれば安全と信じて疑わない
一種の微笑ましさを感じながらも気を引き締める
少しして目に入ってきたのは…
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