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66.オルフィの町再び

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ポイズンベアを狩ってから2か月、セトイカに向かった時に対峙した魔物は遥かに倒しやすくなっていた
お陰でかなりゆとりをもって移動できる
途中や住む場所は行きに見つけた洞窟を利用することにしたから探す手間も省ける
これに関しては母さんからもらった世界地図に感謝だ

日が暮れようとしている頃、俺達は再びオルフィの町に足を踏み入れた
「お~お前さん達か。元気そうだな」
前回と同じ宿に入ると宿主が笑顔で迎えてくれた

「部屋開いてるか?」
「前回と同じ2人部屋と1人部屋でいいのか?」
「どうする?」
「僕はシアと一緒でいい」
「私は個室」
「ってことで前と一緒で2泊」
「朝食は?」
「もちろん有りで」
何故かシャノンが答えた
提示された額を前回同様カードから引いてもらう

「食い気は変わらずか。これがカギで部屋は2階だ。細かい説明は…」
「大丈夫だ。流石に覚えてる」
苦笑しながら答えると頷いて返される

「さて、一応ギルドには顔を出しとくけど…素材の売却は明日にして飯の調達だな」
「屋台!」
「先にギルドだぞ~」
「分かってるよ?流石にそれくらい我慢できるからね?」
「どうだか」
きっとギルドに着くまでに何品かは胃袋の中に納まる事だろう

「じゃぁ準備出来たら部屋に来い」
「わかった~」
シャノンは嬉しそうに応えながら部屋に入って行った
俺達も部屋に入ってダミーバッグを適当に投げ出した
リトスは早速部屋の中を勝手に走り回って物色している

「シャノンはあいかわらずだね」
「まぁ、相変わらずのシャノンに戻ってよかったんだろうけどな」
「確かに」
ケリーの事で色々あった時は流石にヒヤッとしたけど何とか持ち直したしな

「裏賭博といい、ケリーといい…何であんなデカすぎる山ばっか引くのかは分かんないけど…」
苦笑しながら言うルークに頷いて返す

「これから慎重になるだろうし、そう言う意味ではよかったんだろうけどな」
「お姫様は警戒心がなさ過ぎたからね。甘やかされすぎるのも問題だ」
「そういや一時お前はひがんでたか…」
同じ時に生まれた双子のはずなのに明らかに特別扱いされるシャノンを見て、ルークはよく俺の布団にもぐりこんできていた

「僕はいらない子なんだって言ってきた時は流石にビビったけどな」
「…それはもう忘れて欲しいんだけど?」
ルークは顔を反らしてそう言ったけど耳元が赤く染まっていた

「さて、先にテーブルも出しとくか」
これ以上からかうのもどうかと思い話題を変える
屋台で大量に買い込んでくれば部屋に備え付けられているテーブルでは到底足りない

「このテーブルは窓際でいい?」
「ああ」
邪魔にならなければどこでもいい
俺達がテーブルの準備が出来たタイミングでシャノンが入ってきた

「準備できたのか?」
「うん」
「シャノンその服は?」
ルークの問いにシャノンをもう一度見ると、見た事のない服を着ていた
というのもシャノンは買ってくるなり屋敷の中でファッションショーをするせいで、俺達はシャノンがどんな服を持ってるかは大体把握しているからだ

「これはサイラさんがくれたの」
「サイラさんが?」
いつの間にそんなに仲良くなってたんだ?

「サイラさんが若い頃に来てたワンピースなんだって。息子さんの恋人か奥さんにと思ってたけど、いつになるかわからないからって私にくれたの」
「そういえばルワードさんのところに弟子入りしたんだっけ?」
「そ。だから今は漁に夢中なんだって。それより2人ももう行けるんでしょう?」
「俺達には特に準備はないからいつでも行ける」
「そういうこと」
「じゃぁ出発?」
「ああ。行こうか」
頷くとシャノンは勢いよく飛び出していった
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