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4-155.家づくり
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思ったより早く土地の整備が終わった
広さのせいもあるけど、結界は場所によって当初の予定から機能を変更した
中腹付近に薬草が数種類育ってるのを見つけたからその辺りまでは誰でも入れるようにした
誰でもって言っても悪意を持つ者以外は、という大前提は有るけどな
同じ付近でも少し貴重な素材がある場所は許可制の結界に変更して生態系を守る事を優先した
次は建物の建築に取り掛かる
元の世界と違い地震などないこの世界において耐震という概念はない
用いられるのは“クリコート”と呼ばれるコンクリートに似た素材で、違いがあるとすればその速乾性と驚異の粘着度だろう
型に流し込んで魔力を流せば10秒もかからないうちに固まるし、継ぎ目が脆いと思われがちだがそんなこともなく驚きの連続だった
まぁ、驚くだけじゃなく色々試しまくったのはご愛敬
おかげで色んなものが出来上がった
家を建てるために俺は大工を雇った
そのおかげでこの世界の建築事情や工法を大工の親父から直接教わることができる
元々モノ作りは好きなせいか楽しくて仕方がない
多分自分一人でも建てれるけど、『金を回すためにも大工を使え』と父さんから言われて雇ったのが今住んでる家を建ててくれたこの親父だ
新しいもの好きで考え方も柔軟なこの親父は、母さんが世に広めたおもちゃのうち材質が木の物はほとんど、見よう見まねで自分でまねして作ったらしい
それをすべて孤児院に寄付したっていうから中々男気のある親父だと思う
棟梁に位置するこの親父は下っ端の雑用に孤児院出身の人間を雇う
まぁ、子は宝だっていうこの世界でそういう人間は少なくはないけど、大抵はスキル持ち限定だ
でもこの親父は技術やスキルが無くても雇うし平均的な給金を出す
流石にそこまで手厚いのは珍しいと思って話を聞いたら、親父自身も孤児院出身で先代に雇ってもらったかららしい
「それにしても変わった造りだな」
外回りと間仕切りが完成した段階で大工の親父がぼやく
ここまでが半日もかからず出来上がるのだからこの世界の建築事情は凄いの一言に尽きる
「そうか?」
「お前分かってて尋ね返してるだろ?」
親父はそう言いながら拳骨を落としてくる
物心つく前から知ってる親父には俺達家族の非常識さは筒抜けだ
「親父の拳骨は父さんのより痛いんだって」
「当然だろうが。レイがサラサと似たお前を普通に殴れるわけないだろう?」
「…は?」
思わぬ反撃だった
「お前な…考えりゃわかんだろ?あいつのランクを何だと思ってやがる?」
「あ…」
完全に受け落ちてたけど言われてみれば当然のことだった
高ランク冒険者と大工の力の差なんて考えるまでもなかったのにな…
あっけにとられた俺を見て親父は豪快に笑っていた
広さのせいもあるけど、結界は場所によって当初の予定から機能を変更した
中腹付近に薬草が数種類育ってるのを見つけたからその辺りまでは誰でも入れるようにした
誰でもって言っても悪意を持つ者以外は、という大前提は有るけどな
同じ付近でも少し貴重な素材がある場所は許可制の結界に変更して生態系を守る事を優先した
次は建物の建築に取り掛かる
元の世界と違い地震などないこの世界において耐震という概念はない
用いられるのは“クリコート”と呼ばれるコンクリートに似た素材で、違いがあるとすればその速乾性と驚異の粘着度だろう
型に流し込んで魔力を流せば10秒もかからないうちに固まるし、継ぎ目が脆いと思われがちだがそんなこともなく驚きの連続だった
まぁ、驚くだけじゃなく色々試しまくったのはご愛敬
おかげで色んなものが出来上がった
家を建てるために俺は大工を雇った
そのおかげでこの世界の建築事情や工法を大工の親父から直接教わることができる
元々モノ作りは好きなせいか楽しくて仕方がない
多分自分一人でも建てれるけど、『金を回すためにも大工を使え』と父さんから言われて雇ったのが今住んでる家を建ててくれたこの親父だ
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それをすべて孤児院に寄付したっていうから中々男気のある親父だと思う
棟梁に位置するこの親父は下っ端の雑用に孤児院出身の人間を雇う
まぁ、子は宝だっていうこの世界でそういう人間は少なくはないけど、大抵はスキル持ち限定だ
でもこの親父は技術やスキルが無くても雇うし平均的な給金を出す
流石にそこまで手厚いのは珍しいと思って話を聞いたら、親父自身も孤児院出身で先代に雇ってもらったかららしい
「それにしても変わった造りだな」
外回りと間仕切りが完成した段階で大工の親父がぼやく
ここまでが半日もかからず出来上がるのだからこの世界の建築事情は凄いの一言に尽きる
「そうか?」
「お前分かってて尋ね返してるだろ?」
親父はそう言いながら拳骨を落としてくる
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「親父の拳骨は父さんのより痛いんだって」
「当然だろうが。レイがサラサと似たお前を普通に殴れるわけないだろう?」
「…は?」
思わぬ反撃だった
「お前な…考えりゃわかんだろ?あいつのランクを何だと思ってやがる?」
「あ…」
完全に受け落ちてたけど言われてみれば当然のことだった
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あっけにとられた俺を見て親父は豪快に笑っていた
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