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ただ真っ直ぐに君の元へ・・・
7 クリスマスの出来事
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「ただいま」
「お帰り玲衣。寒かったでしょ~?」
「めちゃ寒だぞ。この分だと久々に駅前の噴水が凍りそうだ」
「本当に?ひゃ~」
李砂は肩をすくめた
「さき風呂入るよ」
「あ、うん」
浴室に向かう玲衣を見送りながらまた何かが引っかかる
「駅前の噴水?」
呟く様に言いながら記憶をたどる
前に駅前の噴水が凍ったのは3年前の冬である
2年前記憶を失くした玲衣が
『久々に』という言葉を使うのはどう考えても不自然だった
こんなことがもう何度あっただろうか
李砂の中で玲衣が記憶を取り戻しているだろう事が確信に変わりつつあった
『でも何で隠してるの・・・?』
その疑問を何度もぶつけようと思いながら結局出来ないままでいた
「李砂」
「ん?」
「・・・明後日出張入った」
「明後日?」
「クリスマスイブ」
玲衣は言う
「そうなの?」
「あぁ。ごめんな」
「何で謝るの?」
「・・・いや」
玲衣はごまかすようにテレビを着けた
「仕事だもん。仕方ないよ」
李砂はそう言って玲衣の横に腰掛ける
「・・・サンキュ」
玲衣は李砂の肩を抱き寄せた
「帰ってきたら2日分お祝いしよ」
「そうだな」
「ご馳走作って待ってるね」
「あぁ」
玲衣は頷くとキスをした
「愛してるよ」
優しい笑顔で玲衣は言う
「・・・久々に聞いたかも・・・」
「んなしょっちゅう言えるかよ」
玲衣は照れくさそうに顔をそらした
「ありがと」
「ん?」
「私も愛してるよ?」
「・・・ん」
笑顔で言う李砂を玲衣は思わず抱きしめた
クリスマスイブ当日李砂は会社帰りに寄り道をした
2年前通った道をたどるように足を進める
自然と右手の薬指に触れていた
玲衣と再会した日に玲衣に返したリングの跡を指でたどる
あのリングは2年前 今回と同じように
出張に行った玲衣が送ってくれたクリスマスプレゼントだった
***
「あ~疲れた」
李砂は部屋に帰るなりソファに倒れこむように寝転がる
「玲衣のいないイブは初めてだなぁ・・・」
呟きながら妙に広く感じる部屋を見渡した
『ピンポーン』
不意にインターホンが鳴る
「誰だろ」
首をかしげながら玄関を開けると宅配業者が立っていた
「水城李砂様にお届けものです」
彼はそう言って小さな箱を差し出した
「ご苦労様です」
李砂は受領印を押して箱を受け取った
『立浪玲衣』
差出人欄にそう書かれていた
「玲衣?」
李砂は首をかしげながら箱を開ける
中には小さな箱とカードが入っていた
カードを手に取ると目を通す
『メリークリスマス!
この先何があっても李砂のそばにいる
周りの人が皆敵になっても俺だけは李砂の味方だ
ほかの事を全て忘れても李砂のことだけは覚えている
それをこのリングに誓うよ』
玲衣の字が並んでいた
照れくさかったのか日本語ではなく
英語で書かれたそのカードに李砂は苦笑する
「玲衣・・・」
李砂はリングを取り出し指にはめた
***
幸せだった日々が走馬灯のように思い出された
でも玲衣は李砂のことを忘れてしまい李砂はそのリングを返した
李砂の足はマンションに向かっていた
もう行くあてはない
2年前と同じようにソファに身を預けて玲衣の事を考える
「愛してる・・・昔の玲衣も今の玲衣も・・・でも・・・」
同じ玲衣なのに思い出が繋がらない
それが李砂には何よりも寂しかった
『ピンポーン』
「え・・・?」
2年前と同じようになるインターホンに李砂の鼓動は早くなる
大きく深呼吸してから玄関に向かう
「はい?」
「水城李砂様へ立浪玲衣様からお届け物です」
「!」
李砂は耳を疑った
玲衣が何を考えているのか分からなかった
「あ・・・はい」
震える手で玄関を開け荷物を受け取る
中身は2年前と同様に小さな箱とカードだった
「偶然?それとも・・・」
記憶を失くしても本質は同じだから同じ事を考えても不思議ではない
でも玲衣は確実に記憶を取り戻しつつある
そのことがさらに李砂を混乱させていた
「お帰り玲衣。寒かったでしょ~?」
「めちゃ寒だぞ。この分だと久々に駅前の噴水が凍りそうだ」
「本当に?ひゃ~」
李砂は肩をすくめた
「さき風呂入るよ」
「あ、うん」
浴室に向かう玲衣を見送りながらまた何かが引っかかる
「駅前の噴水?」
呟く様に言いながら記憶をたどる
前に駅前の噴水が凍ったのは3年前の冬である
2年前記憶を失くした玲衣が
『久々に』という言葉を使うのはどう考えても不自然だった
こんなことがもう何度あっただろうか
李砂の中で玲衣が記憶を取り戻しているだろう事が確信に変わりつつあった
『でも何で隠してるの・・・?』
その疑問を何度もぶつけようと思いながら結局出来ないままでいた
「李砂」
「ん?」
「・・・明後日出張入った」
「明後日?」
「クリスマスイブ」
玲衣は言う
「そうなの?」
「あぁ。ごめんな」
「何で謝るの?」
「・・・いや」
玲衣はごまかすようにテレビを着けた
「仕事だもん。仕方ないよ」
李砂はそう言って玲衣の横に腰掛ける
「・・・サンキュ」
玲衣は李砂の肩を抱き寄せた
「帰ってきたら2日分お祝いしよ」
「そうだな」
「ご馳走作って待ってるね」
「あぁ」
玲衣は頷くとキスをした
「愛してるよ」
優しい笑顔で玲衣は言う
「・・・久々に聞いたかも・・・」
「んなしょっちゅう言えるかよ」
玲衣は照れくさそうに顔をそらした
「ありがと」
「ん?」
「私も愛してるよ?」
「・・・ん」
笑顔で言う李砂を玲衣は思わず抱きしめた
クリスマスイブ当日李砂は会社帰りに寄り道をした
2年前通った道をたどるように足を進める
自然と右手の薬指に触れていた
玲衣と再会した日に玲衣に返したリングの跡を指でたどる
あのリングは2年前 今回と同じように
出張に行った玲衣が送ってくれたクリスマスプレゼントだった
***
「あ~疲れた」
李砂は部屋に帰るなりソファに倒れこむように寝転がる
「玲衣のいないイブは初めてだなぁ・・・」
呟きながら妙に広く感じる部屋を見渡した
『ピンポーン』
不意にインターホンが鳴る
「誰だろ」
首をかしげながら玄関を開けると宅配業者が立っていた
「水城李砂様にお届けものです」
彼はそう言って小さな箱を差し出した
「ご苦労様です」
李砂は受領印を押して箱を受け取った
『立浪玲衣』
差出人欄にそう書かれていた
「玲衣?」
李砂は首をかしげながら箱を開ける
中には小さな箱とカードが入っていた
カードを手に取ると目を通す
『メリークリスマス!
この先何があっても李砂のそばにいる
周りの人が皆敵になっても俺だけは李砂の味方だ
ほかの事を全て忘れても李砂のことだけは覚えている
それをこのリングに誓うよ』
玲衣の字が並んでいた
照れくさかったのか日本語ではなく
英語で書かれたそのカードに李砂は苦笑する
「玲衣・・・」
李砂はリングを取り出し指にはめた
***
幸せだった日々が走馬灯のように思い出された
でも玲衣は李砂のことを忘れてしまい李砂はそのリングを返した
李砂の足はマンションに向かっていた
もう行くあてはない
2年前と同じようにソファに身を預けて玲衣の事を考える
「愛してる・・・昔の玲衣も今の玲衣も・・・でも・・・」
同じ玲衣なのに思い出が繋がらない
それが李砂には何よりも寂しかった
『ピンポーン』
「え・・・?」
2年前と同じようになるインターホンに李砂の鼓動は早くなる
大きく深呼吸してから玄関に向かう
「はい?」
「水城李砂様へ立浪玲衣様からお届け物です」
「!」
李砂は耳を疑った
玲衣が何を考えているのか分からなかった
「あ・・・はい」
震える手で玄関を開け荷物を受け取る
中身は2年前と同様に小さな箱とカードだった
「偶然?それとも・・・」
記憶を失くしても本質は同じだから同じ事を考えても不思議ではない
でも玲衣は確実に記憶を取り戻しつつある
そのことがさらに李砂を混乱させていた
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