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3.町へ
4
「あとは食品関連がこっちだな」
足を踏み入れた通りから色んな香りが漂ってきた
「パン?」
「ああ、そこがパン屋」
レイの指した先にパン屋があり自然と中に入る
「めずらしいねぇレイが女連れ」
「うっせ」
「かわいいお嬢ちゃんじゃないか。私はテレサ、奥で焼いてんのが旦那のベン」
「あ、サラサです」
名乗るとうんうんと何度も頷かれた
「これでレイもちょっとくらい身だしなみに気を使うようになるかね」
テレサが笑いながら言う
「身だしなみ?」
「気にすんな。お前朝1個だっけ?」
「え?うん」
「じゃぁ…こっち5個ずつとこれ1袋」
「はいよ」
テレサさんがパンを袋に詰めていく
「これで全種類?」
私は思わず尋ねる
全種類といっても4種しかない
食パンのような平パン、コッペパンのような丸パン、真っ白な白パン、スナックパンのような長パン
「ん?ああ」
「…この平パンもう1袋買って?」
「ああ、てことらしい」
「はいよ」
テレサさんが言われた通り袋に詰めて会計を済ませる
「次は野菜か?」
「うん」
八百屋のようなお店で野菜を片っ端から選んでいく
「おいレイどうした?」
「あんた野菜なんて食べたかい?」
店のご主人であるヨハンさんと奥さんであるエマリアさんが困惑していた
「あー何かこいつが作ったのは食えそ」
「へぇ…いい彼女見つけたねぇ?」
「そんなんじゃねぇって」
「またまたぁ…あんたが女の子連れ歩くこと自体めったにないのにこんなかわいい子捕まえたら絶対放しちゃだめだよ」
エマリアさんの言葉に自分の顔が赤くなるのが分かる
「もう勝手に言ってろ。俺はいいけどこいつ困ってるけどな」
「あれま。ごめんよ?」
「いえ…」
いたたまれないと思いながらなんとか言葉を返す
「レイはこの顔で稼ぎもあるだろう?しょうもない女がたかってくるようになってから女を避けるようになってねぇ…選べる立場とは言えやっぱり特定の彼女ができてくれたら私も安心だ」
「…」
「お前は黙っとれ。周りがそんなにまくしたてたらうまくいくもんもいかんくなるわい」
「うまくいくもいかねぇも昨日保護したばっかでそんな関係じゃねぇよ」
「お前が保護して自分のテリトリーに入れた時点で特別だろ。いつもなら保護しても憲兵に預けてるだろうが」
そうなのか?とレイを見ると視線をそらされた
「それに恋人だけがすべてじゃない。どんな形であれ気を許すことができる相手なら大事にしろ」
ヨハンさんの言葉はなぜか素直に心に届いた
「わかったよ。で、これでいくらだ?」
レイはため息交じりに言いながら会計を済ませた
「まったく今日はこんなのばっかだな」
「私のせいだよね…」
うっとおしそうに零された言葉に申し訳なくなる
「あーサラサのせいじゃない」
「でも…」
「…サラサを彼女と勘違いしてくれるなら余計な女が寄ってこなくなってむしろ助かるな」
「えー…」
少し考えてから発せられた言葉に少しあきれてしまう
「いっそ彼女のふりしてくれた方が周りが静かになるか?すでに誤解してるやつも多そうだし」
笑いながら言うレイにどこか救われた気がした
「それはレイが否定も肯定もほとんどしてないからじゃ…?」
「そいやそうか?」
そう言いながら雑貨屋さんのような店に入る
「ここは商会。食材や魔道具、迷宮品や他国から仕入れたものも置いてる。調味料はこの辺にあるはず…」
「あ、レイあった」
きょろきょろしながら目当ての調味料を一通り見つける
それ以外にもめぼしいスパイスや調理器具、食材を選んでいく
「レイこれは?」
「流石にそれはうちにもあるぞ」
「やっぱり?」
「お前な…」
あきれたように言いながら頭を撫でるように小突かれる
「あ、ねぇレイ」
「ん?」
「甘味は食べれる?」
「ああ。普通に食うな」
「そ?じゃぁこれと…これ。あとは…あ!」
「どうした?」
「ご飯用の魔道具は?」
「んなもんあるわけないだろ。いるならコメと一緒に買っとけ」
「わかったー」
どんどんかごに追加される品々を見ながらレイが苦笑する
「?」
「いや。最初の店で支払いの事言ってたなぁと思ってさ」
「!」
かごにどっさり入った商品を見て動きが止まる
「私またやっちゃった?」
「はは…もっとやっていいぞ。それがうまい飯になって出てくるんだろ?」
かなりハードルが上がった気がする
でもここまで来たら多少の開き直りも必要だと感じた
「…頑張る」
結局その後も色々追加して2つのかごが山盛りになるほどスパイスや食材、魔道具を購入した
「肉と魚は基本的に俺が採ってくるけどすぐに欲しくなったらそこの2軒な」
レイの指さした先には肉屋と海鮮商店があった
「ほかは?」
「…もう思いつかない」
「じゃぁ帰るぞ」
「うん」
気づいてみれば人通りがかなり増えていて私は無意識のうちにレイの服を掴んでいた
「用事はすんだのか?」
「ああ」
「…」
憲兵がじっとこっちを見ていた
「なんだよ?」
「いや。服とはいえレイが女に触られるのを許してるのが意外過ぎて…」
「!」
そう言われて初めて私はレイの服を掴んでいることに気付いて慌てて放す
「サラサだっけ?レイのこと頼むな」
「え?」
「こう見えて引きこもって本ばっか読んでやがる。家の中で倒れててもだれも気づかないからな」
「余計なこと言ってんじゃねぇよ。ほれ」
レイが馬上から手を伸ばす
その手を掴むと一気に引き上げられた
「じゃぁな」
レイはそう言うなり馬を走らせる
歩くと3時間近くかかる道のりもレイが馬を走らせれば15分もかからなかった
足を踏み入れた通りから色んな香りが漂ってきた
「パン?」
「ああ、そこがパン屋」
レイの指した先にパン屋があり自然と中に入る
「めずらしいねぇレイが女連れ」
「うっせ」
「かわいいお嬢ちゃんじゃないか。私はテレサ、奥で焼いてんのが旦那のベン」
「あ、サラサです」
名乗るとうんうんと何度も頷かれた
「これでレイもちょっとくらい身だしなみに気を使うようになるかね」
テレサが笑いながら言う
「身だしなみ?」
「気にすんな。お前朝1個だっけ?」
「え?うん」
「じゃぁ…こっち5個ずつとこれ1袋」
「はいよ」
テレサさんがパンを袋に詰めていく
「これで全種類?」
私は思わず尋ねる
全種類といっても4種しかない
食パンのような平パン、コッペパンのような丸パン、真っ白な白パン、スナックパンのような長パン
「ん?ああ」
「…この平パンもう1袋買って?」
「ああ、てことらしい」
「はいよ」
テレサさんが言われた通り袋に詰めて会計を済ませる
「次は野菜か?」
「うん」
八百屋のようなお店で野菜を片っ端から選んでいく
「おいレイどうした?」
「あんた野菜なんて食べたかい?」
店のご主人であるヨハンさんと奥さんであるエマリアさんが困惑していた
「あー何かこいつが作ったのは食えそ」
「へぇ…いい彼女見つけたねぇ?」
「そんなんじゃねぇって」
「またまたぁ…あんたが女の子連れ歩くこと自体めったにないのにこんなかわいい子捕まえたら絶対放しちゃだめだよ」
エマリアさんの言葉に自分の顔が赤くなるのが分かる
「もう勝手に言ってろ。俺はいいけどこいつ困ってるけどな」
「あれま。ごめんよ?」
「いえ…」
いたたまれないと思いながらなんとか言葉を返す
「レイはこの顔で稼ぎもあるだろう?しょうもない女がたかってくるようになってから女を避けるようになってねぇ…選べる立場とは言えやっぱり特定の彼女ができてくれたら私も安心だ」
「…」
「お前は黙っとれ。周りがそんなにまくしたてたらうまくいくもんもいかんくなるわい」
「うまくいくもいかねぇも昨日保護したばっかでそんな関係じゃねぇよ」
「お前が保護して自分のテリトリーに入れた時点で特別だろ。いつもなら保護しても憲兵に預けてるだろうが」
そうなのか?とレイを見ると視線をそらされた
「それに恋人だけがすべてじゃない。どんな形であれ気を許すことができる相手なら大事にしろ」
ヨハンさんの言葉はなぜか素直に心に届いた
「わかったよ。で、これでいくらだ?」
レイはため息交じりに言いながら会計を済ませた
「まったく今日はこんなのばっかだな」
「私のせいだよね…」
うっとおしそうに零された言葉に申し訳なくなる
「あーサラサのせいじゃない」
「でも…」
「…サラサを彼女と勘違いしてくれるなら余計な女が寄ってこなくなってむしろ助かるな」
「えー…」
少し考えてから発せられた言葉に少しあきれてしまう
「いっそ彼女のふりしてくれた方が周りが静かになるか?すでに誤解してるやつも多そうだし」
笑いながら言うレイにどこか救われた気がした
「それはレイが否定も肯定もほとんどしてないからじゃ…?」
「そいやそうか?」
そう言いながら雑貨屋さんのような店に入る
「ここは商会。食材や魔道具、迷宮品や他国から仕入れたものも置いてる。調味料はこの辺にあるはず…」
「あ、レイあった」
きょろきょろしながら目当ての調味料を一通り見つける
それ以外にもめぼしいスパイスや調理器具、食材を選んでいく
「レイこれは?」
「流石にそれはうちにもあるぞ」
「やっぱり?」
「お前な…」
あきれたように言いながら頭を撫でるように小突かれる
「あ、ねぇレイ」
「ん?」
「甘味は食べれる?」
「ああ。普通に食うな」
「そ?じゃぁこれと…これ。あとは…あ!」
「どうした?」
「ご飯用の魔道具は?」
「んなもんあるわけないだろ。いるならコメと一緒に買っとけ」
「わかったー」
どんどんかごに追加される品々を見ながらレイが苦笑する
「?」
「いや。最初の店で支払いの事言ってたなぁと思ってさ」
「!」
かごにどっさり入った商品を見て動きが止まる
「私またやっちゃった?」
「はは…もっとやっていいぞ。それがうまい飯になって出てくるんだろ?」
かなりハードルが上がった気がする
でもここまで来たら多少の開き直りも必要だと感じた
「…頑張る」
結局その後も色々追加して2つのかごが山盛りになるほどスパイスや食材、魔道具を購入した
「肉と魚は基本的に俺が採ってくるけどすぐに欲しくなったらそこの2軒な」
レイの指さした先には肉屋と海鮮商店があった
「ほかは?」
「…もう思いつかない」
「じゃぁ帰るぞ」
「うん」
気づいてみれば人通りがかなり増えていて私は無意識のうちにレイの服を掴んでいた
「用事はすんだのか?」
「ああ」
「…」
憲兵がじっとこっちを見ていた
「なんだよ?」
「いや。服とはいえレイが女に触られるのを許してるのが意外過ぎて…」
「!」
そう言われて初めて私はレイの服を掴んでいることに気付いて慌てて放す
「サラサだっけ?レイのこと頼むな」
「え?」
「こう見えて引きこもって本ばっか読んでやがる。家の中で倒れててもだれも気づかないからな」
「余計なこと言ってんじゃねぇよ。ほれ」
レイが馬上から手を伸ばす
その手を掴むと一気に引き上げられた
「じゃぁな」
レイはそう言うなり馬を走らせる
歩くと3時間近くかかる道のりもレイが馬を走らせれば15分もかからなかった
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