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15.ミュラーリアの婚姻の形
6
「いじわる…」
倒れこみ息を乱したまま何とか声にする
「体は落ち着いただろ?」
「…そもそも…レイのせいなのに…」
納得できない何かがある
「わかった。今日はサラサの言うこと何でも聞いてやるから、な?」
「…じゃぁレイから触れない。キスしない。甘いささやきも禁止!」
「…は?」
「変になるのはレイのせいだから…今日はそういうの全部禁止!」
言った瞬間レイがキョトンとし、次の瞬間噴出した
「…わかったよ。今日は何もしない」
少し考えながらとはいえ約束してくれたことに安堵する
この時の私は気づいていなかった
約束したことがもたらす様々なことに…
気を取り直して動き出したのは昼を回ってからだった
「レイご飯できたよ?」
「ああ、サンキュ」
本を読んでいたレイがキッチンにやってくる
「…?」
何かが物足りない
そう感じるのは何度目だろうか
でもその何かが分からなかった
そんな私をよそにレイはおいしそうに食事を始めた
「食わねぇの?」
「食べるよ」
気持ちを切り替えて食事を始める
「婚姻後って何か変わることあるの?」
ふと気になって尋ねてみた
「普通なら婚姻後に一緒に住み始めるから色々変わるだろうけど…」
ずっと一緒に住んでいればそのあたりは何も変わらない
「特別なことと言えるとしたら…」
「?」
「婚姻後の1か月を家で2人で過ごすのが習わしってくらいか。必要なものは親が家の前まで定期的に届けるから家も出ないし誰も訪ねない。そのために仕事の調整も優先される」
「え…?」
「まぁずっと2人でいるのもいつもと変わんないけどな。違うのは依頼も受けないってくらいか?」
レイはあっさり言うもののこれはハネムーンどころの話ではない
レイとずっと2人きりで家の中で過ごす
今の話を聞いた上でそう考えるとひどく生々しく感じる
私は聞くんじゃなかったとこの後何度も思うことになる
目が合った時、そばに立ったとき、触れそうになった時
いつもなら抱きしめられたり口づけされたりしていたことに気付く
今日は何もしないと言ったレイとの約束のせいでかえって強く意識してしまうのを、レイに悟られないように意識しないように取り繕ってはみるもののうまくいかない
「コーヒー、淹れる?」
ソファで寛ぎながら本を読んでいるレイに尋ねる
「ああ」
本から視線を離す事の無い、いつも通りの返事に2人分のコーヒーを用意する
自分が読みたい本も用意してコーヒーを運ぶと同じようにソファに座り本を読む
珍しい事でも何でもないはずなのに、レイの息遣いをやたらと意識してしまう
「…!」
時々触れそうになる腕が気になって仕方ない
そしていつもなら触れられたり抱きしめられたりしていたはずの場面で、何も起こらないことに寂しさを感じている自分に気付く
レイに愛されていることが、甘やかされていることが日常に当たり前のように溶け込んでいたのだと思い知るには充分だった
無意識のうちに自分からレイに触れていることに気付かないまま夜を迎えた
「レイなんかいいことあった?」
ベッドに横になって鼻歌を歌うレイを覗き込む
「別に?」
そう答えるもののその笑みは意味ありげに見える
「…何か気になる」
呟きながらベッドに横になった途端組み敷かれていた
「レ…イ…?」
一瞬何が起こったかわからなかった
「反撃開始」
「え?」
「さっき日付が変わったから約束守ったご褒美でも貰おうかと」
「…!」
舌なめずりするようなレイに喉が鳴る
「意識しすぎて寂しくなった?」
「そんなこと…ない…」
「へぇ…」
意味ありげな笑みが返ってくる
その笑みの意味を思い知ったのは焦らすような愛撫を続けられてからだった
レイに触れられているというだけで全身が喜んでいる
それを嫌というほど自覚していると
「体が喜んでる」
耳元でささやかれてこれまでにない羞恥に包まれる
それでも敏感な場所のすぐそばで遠ざかっていく手や舌がひどくもどかしい
「やらし…」
「え…?」
意味が分からない
「こんな風に押し付けて来るなんて初めてだろ?そんなにここに触れて欲しかった?」
「ちが…っ!!」
いきなり一番敏感な場所に触れられたとたん体がはねる
「いじわる…」
「何が?」
試すような尋ね方が返ってくる
でもその目から涙が零れ落ちた瞬間レイが息を詰まらせた
「…その顔は反則」
「ひぁ…!」
一瞬息を飲んだレイから突然与えられた快楽にそのまま溺れていった
倒れこみ息を乱したまま何とか声にする
「体は落ち着いただろ?」
「…そもそも…レイのせいなのに…」
納得できない何かがある
「わかった。今日はサラサの言うこと何でも聞いてやるから、な?」
「…じゃぁレイから触れない。キスしない。甘いささやきも禁止!」
「…は?」
「変になるのはレイのせいだから…今日はそういうの全部禁止!」
言った瞬間レイがキョトンとし、次の瞬間噴出した
「…わかったよ。今日は何もしない」
少し考えながらとはいえ約束してくれたことに安堵する
この時の私は気づいていなかった
約束したことがもたらす様々なことに…
気を取り直して動き出したのは昼を回ってからだった
「レイご飯できたよ?」
「ああ、サンキュ」
本を読んでいたレイがキッチンにやってくる
「…?」
何かが物足りない
そう感じるのは何度目だろうか
でもその何かが分からなかった
そんな私をよそにレイはおいしそうに食事を始めた
「食わねぇの?」
「食べるよ」
気持ちを切り替えて食事を始める
「婚姻後って何か変わることあるの?」
ふと気になって尋ねてみた
「普通なら婚姻後に一緒に住み始めるから色々変わるだろうけど…」
ずっと一緒に住んでいればそのあたりは何も変わらない
「特別なことと言えるとしたら…」
「?」
「婚姻後の1か月を家で2人で過ごすのが習わしってくらいか。必要なものは親が家の前まで定期的に届けるから家も出ないし誰も訪ねない。そのために仕事の調整も優先される」
「え…?」
「まぁずっと2人でいるのもいつもと変わんないけどな。違うのは依頼も受けないってくらいか?」
レイはあっさり言うもののこれはハネムーンどころの話ではない
レイとずっと2人きりで家の中で過ごす
今の話を聞いた上でそう考えるとひどく生々しく感じる
私は聞くんじゃなかったとこの後何度も思うことになる
目が合った時、そばに立ったとき、触れそうになった時
いつもなら抱きしめられたり口づけされたりしていたことに気付く
今日は何もしないと言ったレイとの約束のせいでかえって強く意識してしまうのを、レイに悟られないように意識しないように取り繕ってはみるもののうまくいかない
「コーヒー、淹れる?」
ソファで寛ぎながら本を読んでいるレイに尋ねる
「ああ」
本から視線を離す事の無い、いつも通りの返事に2人分のコーヒーを用意する
自分が読みたい本も用意してコーヒーを運ぶと同じようにソファに座り本を読む
珍しい事でも何でもないはずなのに、レイの息遣いをやたらと意識してしまう
「…!」
時々触れそうになる腕が気になって仕方ない
そしていつもなら触れられたり抱きしめられたりしていたはずの場面で、何も起こらないことに寂しさを感じている自分に気付く
レイに愛されていることが、甘やかされていることが日常に当たり前のように溶け込んでいたのだと思い知るには充分だった
無意識のうちに自分からレイに触れていることに気付かないまま夜を迎えた
「レイなんかいいことあった?」
ベッドに横になって鼻歌を歌うレイを覗き込む
「別に?」
そう答えるもののその笑みは意味ありげに見える
「…何か気になる」
呟きながらベッドに横になった途端組み敷かれていた
「レ…イ…?」
一瞬何が起こったかわからなかった
「反撃開始」
「え?」
「さっき日付が変わったから約束守ったご褒美でも貰おうかと」
「…!」
舌なめずりするようなレイに喉が鳴る
「意識しすぎて寂しくなった?」
「そんなこと…ない…」
「へぇ…」
意味ありげな笑みが返ってくる
その笑みの意味を思い知ったのは焦らすような愛撫を続けられてからだった
レイに触れられているというだけで全身が喜んでいる
それを嫌というほど自覚していると
「体が喜んでる」
耳元でささやかれてこれまでにない羞恥に包まれる
それでも敏感な場所のすぐそばで遠ざかっていく手や舌がひどくもどかしい
「やらし…」
「え…?」
意味が分からない
「こんな風に押し付けて来るなんて初めてだろ?そんなにここに触れて欲しかった?」
「ちが…っ!!」
いきなり一番敏感な場所に触れられたとたん体がはねる
「いじわる…」
「何が?」
試すような尋ね方が返ってくる
でもその目から涙が零れ落ちた瞬間レイが息を詰まらせた
「…その顔は反則」
「ひぁ…!」
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