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15.ミュラーリアの婚姻の形
7
「これからも、何もしない方がいいのか?」
何度も抱いた後ようやく一息ついたレイが耳元で囁くように尋ねた
「や…だ…」
「何がイヤ?」
「…触れて欲しぃ」
首筋に顔を埋めて必死で訴える
恥ずかしいけどそれ以上にあんな思いはもう嫌だった
「仰せのままに」
からかうように言いながら優しく頭を撫でられる
レイの温もりに安心しているのを嫌でも自覚してしまう
「言っとくけど、戸惑ったのはお前だけじゃないからな」
「え…?」
少しして突然零されたのは予想外の言葉だった
「…サラサに触れられないのはマジきつい」
余裕のない声にドキッとする
「お前が触れてくんのに触れられないとか…本当勘弁してくれ」
いつもより強く抱きしめられる
「平気そうに見えたのに…」
「…考えないようにしないと襲いそうだったんだよ」
バツが悪そうに言うレイに思わず笑ってしまう
約束破るわけにはいかないだろうと不貞腐れたようにつぶやいていた
触れたい、触れられたい
その気持ちを必死で抑え込んでいたのは自分だけではなかったらしい
「ありがとレイ」
いつもより強く抱きしめ返すと心が満たされるような気がした
「最初に意識しすぎたせいでヤバいな」
レイがそう言ったのは半月ほど経ったときだった
「ヤバいって何が?」
「ん~?ほとんどベッドの上」
その言葉に絶句する
確かにほとんどベッドの上なのだ
食事はインベントリにあり、身体もクリーンを使えば一瞬で綺麗になる
排泄以外にベッドを出る必要がなかったりもする
「何かこの1か月が終わってもお前を離せなくなりそうだな」
レイは苦笑交じりに言う
「腕の中にお前がいるのが当たり前になってる」
レイの言う通りほとんど抱きしめられている気はする
ベッドの上とはいえずっと抱かれているわけでもなく、ただこうして抱きしめられたままいろんな話をしていた
その時間があまりにも穏やかに過ぎていくのが不思議でならない
「カルムが言ってた言葉の意味がやっと分かった」
「なんて言ってたの?」
レイに向き合うように体の向きを変えて尋ねる
「婚姻後の1か月は1回意識したら後戻りできなくなる」
その言葉に思わず息を飲む
「聞いたときは笑い飛ばした。最初から一緒に住んでて、ちゃんと付き合いだしてから毎日抱いてんのに何が今さら変わるんだってな」
少し諦めの入った口調だ
「たった1日だ。目の前にいて、触れたいのに触れることも出来ない時のもどかしさを1日感じてただけなのにな…」
そう言いながらまた強く抱きしめられる
「それだけでもう、お前を手放すことなんてできないと思い知った」
「レイ…?」
「お前が出て行った時も、お前を失いかけた時も同じように思ったし、そのたびにその気持ちは強くなるけど…それ以上だ」
そう言いながら額に口づけるレイを真っすぐ見返すしかできない
「何があってもお前を守るよ」
「え?」
「お前を腕の中で守り続けられるなら他はどうでもいい。今になって初めて一緒にいれるだけで充分だと言った言葉の意味が理解できた」
それは弾丸が休息していた時の事だろう
一緒にいたいと望むのを不満に感じていたレイとギクシャクしていた時間を思い出す
「あの時『わかった』って言ってなかった?」
「…お前がそう思ってるならって自分を納得させた」
「そうだったの?」
「俺の中では一緒にいるのは当たり前の事だったからな。カルムだって同じだ」
「…じゃぁあの時戸惑ってたのは…」
「ん?」
「あの時カルムさんに質問されて…一緒にいるのが一番の望みだって答えたら困ったような顔してたから」
カルムさんにとって一緒にいるのが当然の事だとしたら、それをあえて望む私は滑稽だっただろう
「今は俺もサラサと一緒にいれるだけで充分だ」
「私もレイと一緒に入れるだけで充分だよ」
お互いの気持ちを伝えあい、確かめ合う
この世界に来てお互いに命を落としかけたからこその気持ちなのかもしれない
自覚したことでこれ以上ない幸福感に包まれながら残りの半月も過ごすことになったということは確かだった
何度も抱いた後ようやく一息ついたレイが耳元で囁くように尋ねた
「や…だ…」
「何がイヤ?」
「…触れて欲しぃ」
首筋に顔を埋めて必死で訴える
恥ずかしいけどそれ以上にあんな思いはもう嫌だった
「仰せのままに」
からかうように言いながら優しく頭を撫でられる
レイの温もりに安心しているのを嫌でも自覚してしまう
「言っとくけど、戸惑ったのはお前だけじゃないからな」
「え…?」
少しして突然零されたのは予想外の言葉だった
「…サラサに触れられないのはマジきつい」
余裕のない声にドキッとする
「お前が触れてくんのに触れられないとか…本当勘弁してくれ」
いつもより強く抱きしめられる
「平気そうに見えたのに…」
「…考えないようにしないと襲いそうだったんだよ」
バツが悪そうに言うレイに思わず笑ってしまう
約束破るわけにはいかないだろうと不貞腐れたようにつぶやいていた
触れたい、触れられたい
その気持ちを必死で抑え込んでいたのは自分だけではなかったらしい
「ありがとレイ」
いつもより強く抱きしめ返すと心が満たされるような気がした
「最初に意識しすぎたせいでヤバいな」
レイがそう言ったのは半月ほど経ったときだった
「ヤバいって何が?」
「ん~?ほとんどベッドの上」
その言葉に絶句する
確かにほとんどベッドの上なのだ
食事はインベントリにあり、身体もクリーンを使えば一瞬で綺麗になる
排泄以外にベッドを出る必要がなかったりもする
「何かこの1か月が終わってもお前を離せなくなりそうだな」
レイは苦笑交じりに言う
「腕の中にお前がいるのが当たり前になってる」
レイの言う通りほとんど抱きしめられている気はする
ベッドの上とはいえずっと抱かれているわけでもなく、ただこうして抱きしめられたままいろんな話をしていた
その時間があまりにも穏やかに過ぎていくのが不思議でならない
「カルムが言ってた言葉の意味がやっと分かった」
「なんて言ってたの?」
レイに向き合うように体の向きを変えて尋ねる
「婚姻後の1か月は1回意識したら後戻りできなくなる」
その言葉に思わず息を飲む
「聞いたときは笑い飛ばした。最初から一緒に住んでて、ちゃんと付き合いだしてから毎日抱いてんのに何が今さら変わるんだってな」
少し諦めの入った口調だ
「たった1日だ。目の前にいて、触れたいのに触れることも出来ない時のもどかしさを1日感じてただけなのにな…」
そう言いながらまた強く抱きしめられる
「それだけでもう、お前を手放すことなんてできないと思い知った」
「レイ…?」
「お前が出て行った時も、お前を失いかけた時も同じように思ったし、そのたびにその気持ちは強くなるけど…それ以上だ」
そう言いながら額に口づけるレイを真っすぐ見返すしかできない
「何があってもお前を守るよ」
「え?」
「お前を腕の中で守り続けられるなら他はどうでもいい。今になって初めて一緒にいれるだけで充分だと言った言葉の意味が理解できた」
それは弾丸が休息していた時の事だろう
一緒にいたいと望むのを不満に感じていたレイとギクシャクしていた時間を思い出す
「あの時『わかった』って言ってなかった?」
「…お前がそう思ってるならって自分を納得させた」
「そうだったの?」
「俺の中では一緒にいるのは当たり前の事だったからな。カルムだって同じだ」
「…じゃぁあの時戸惑ってたのは…」
「ん?」
「あの時カルムさんに質問されて…一緒にいるのが一番の望みだって答えたら困ったような顔してたから」
カルムさんにとって一緒にいるのが当然の事だとしたら、それをあえて望む私は滑稽だっただろう
「今は俺もサラサと一緒にいれるだけで充分だ」
「私もレイと一緒に入れるだけで充分だよ」
お互いの気持ちを伝えあい、確かめ合う
この世界に来てお互いに命を落としかけたからこその気持ちなのかもしれない
自覚したことでこれ以上ない幸福感に包まれながら残りの半月も過ごすことになったということは確かだった
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