11 / 61
本編
8.初めての友達①
しおりを挟む
「やっと帰ってきたわね」
寮の入り口の前で待ち構えていた女生徒がそう言った
クラスメイトにいた顔だと思いながらも特に興味はない
名前など元から覚える気もないので知らない
ただ、この日の厄介ごとはまだ終わっていなかったらしいと思っただけだった
「あなた恥ずかしくないの?」
「言ってる意味が分からないんだけど?」
ウンザリしながら答えたのが気に障ったのかいきなり掴みかかられた
「仲のいい2人を引き裂くような真似はやめろって言ってんの!。想いあう2人を引き裂くお飾りの婚約者って言われてることくらい知ってるんでしょう?そんなうわさを毎日聞かされる方の身にもなってよね」
「…」
またかとため息をつく
「何よ?言いたいことがあるなら言いなさいよ」
喧嘩腰に言ってくるのを見ながらこれは新しいパターンだわと思う自分に呆れた
「…婚約者を変われるものならいつでも変わるわ。それを望むならヨハン様を説得してちょうだい」
「は?」
ポカンとする彼女に更に続ける
「私たちの婚約はヨハン様の意思。ヨハン様が本当に姉を必要とするなら勝手に婚約者を入れ替えるでしょうね」
その言葉の意味を彼女はようやく理解したらしく複雑そうな顔になる
「丁度いいから皆にも伝えてくれない?同じ説明を何度も繰り返しするのもウンザリなのよ」
私はため息交じりにそう言って彼女を置いて寮に入った
本当に何でみんな気付かないのかしら?
そう思いながら…
翌朝、寮の部屋を出ると昨日の女生徒が待ち構えていた
「…またあなたなの?」
ウンザリした顔を向けると彼女はいきなり頭を下げてきた
「昨日はごめんなさい。ちょっと考えればわかったことだったのに…」
「…」
この潔さは悪い気はしないなと思う
「周りの言葉で惑わされた自分が恥ずかしいわ」
そう言った彼女は本当に申し訳ないという顔をしていた
「別に構わないわ。もう慣れた事だから」
用がそれだけならもういいかしら?とその場を立ち去った
でもその日から彼女、モニカはやたらと私にかまう様になった
話しかけてきたり、ランチを一緒に取ろうとしたり…
めんどくさいと思いながらも、ある意味新鮮なので好きにさせることにした
「おはようマリエル」
教室に入ってくるなりモニカは私の側にやってくる
その様子をクラスメイトが遠巻きに見ていた
「私に話しかけてるとあんたまで噂の的になるわよ?」
「ん~別に好きに言えばいいと思うけど?」
想定外の反応だった
「私はマリエルに興味がある。だから話しかける。シンプルでしょう?」
何か文句ある?と続けられれば私に返す言葉は無い
こんな風に接してくる人間が周りに居なかっただけに戸惑いはするものの悪い気はしなかった
寮の入り口の前で待ち構えていた女生徒がそう言った
クラスメイトにいた顔だと思いながらも特に興味はない
名前など元から覚える気もないので知らない
ただ、この日の厄介ごとはまだ終わっていなかったらしいと思っただけだった
「あなた恥ずかしくないの?」
「言ってる意味が分からないんだけど?」
ウンザリしながら答えたのが気に障ったのかいきなり掴みかかられた
「仲のいい2人を引き裂くような真似はやめろって言ってんの!。想いあう2人を引き裂くお飾りの婚約者って言われてることくらい知ってるんでしょう?そんなうわさを毎日聞かされる方の身にもなってよね」
「…」
またかとため息をつく
「何よ?言いたいことがあるなら言いなさいよ」
喧嘩腰に言ってくるのを見ながらこれは新しいパターンだわと思う自分に呆れた
「…婚約者を変われるものならいつでも変わるわ。それを望むならヨハン様を説得してちょうだい」
「は?」
ポカンとする彼女に更に続ける
「私たちの婚約はヨハン様の意思。ヨハン様が本当に姉を必要とするなら勝手に婚約者を入れ替えるでしょうね」
その言葉の意味を彼女はようやく理解したらしく複雑そうな顔になる
「丁度いいから皆にも伝えてくれない?同じ説明を何度も繰り返しするのもウンザリなのよ」
私はため息交じりにそう言って彼女を置いて寮に入った
本当に何でみんな気付かないのかしら?
そう思いながら…
翌朝、寮の部屋を出ると昨日の女生徒が待ち構えていた
「…またあなたなの?」
ウンザリした顔を向けると彼女はいきなり頭を下げてきた
「昨日はごめんなさい。ちょっと考えればわかったことだったのに…」
「…」
この潔さは悪い気はしないなと思う
「周りの言葉で惑わされた自分が恥ずかしいわ」
そう言った彼女は本当に申し訳ないという顔をしていた
「別に構わないわ。もう慣れた事だから」
用がそれだけならもういいかしら?とその場を立ち去った
でもその日から彼女、モニカはやたらと私にかまう様になった
話しかけてきたり、ランチを一緒に取ろうとしたり…
めんどくさいと思いながらも、ある意味新鮮なので好きにさせることにした
「おはようマリエル」
教室に入ってくるなりモニカは私の側にやってくる
その様子をクラスメイトが遠巻きに見ていた
「私に話しかけてるとあんたまで噂の的になるわよ?」
「ん~別に好きに言えばいいと思うけど?」
想定外の反応だった
「私はマリエルに興味がある。だから話しかける。シンプルでしょう?」
何か文句ある?と続けられれば私に返す言葉は無い
こんな風に接してくる人間が周りに居なかっただけに戸惑いはするものの悪い気はしなかった
10
あなたにおすすめの小説
魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――
ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。
魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。
ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。
誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
拝啓。私を追い出した皆様へ! 化け物と噂の辺境伯に嫁がされましたが噂と違い素敵な旦那様と幸せに暮らしています。
ハーフのクロエ
恋愛
公爵家の長女のオリビアは実母が生きている時は公爵家令嬢として育ち、8歳の時、王命で王太子と婚約して12歳の時に母親が亡くなり、父親の再婚相手の愛人だった継母に使用人のように扱われていた。学園の卒業パーティーで婚約破棄され、連れ子の妹と王太子が婚約してオリビアは化け物と噂のある辺境伯に嫁がされる。噂と違い辺境伯は最強の武人で綺麗な方でオリビアは前世の日本人の記憶持ちで、その記憶と魔法を使い領地を発展させて幸せになる。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
婚約破棄されたトリノは、継母や姉たちや使用人からもいじめられているので、前世の記憶を思い出し、家から脱走して旅にでる!
山田 バルス
恋愛
この屋敷は、わたしの居場所じゃない。
薄明かりの差し込む天窓の下、トリノは古びた石床に敷かれた毛布の中で、静かに目を覚ました。肌寒さに身をすくめながら、昨日と変わらぬ粗末な日常が始まる。
かつては伯爵家の令嬢として、それなりに贅沢に暮らしていたはずだった。だけど、実の母が亡くなり、父が再婚してから、すべてが変わった。
「おい、灰かぶり。いつまで寝てんのよ、あんたは召使いのつもり?」
「ごめんなさい、すぐに……」
「ふーん、また寝癖ついてる。魔獣みたいな髪。鏡って知ってる?」
「……すみません」
トリノはペコリと頭を下げる。反論なんて、とうにあきらめた。
この世界は、魔法と剣が支配する王国《エルデラン》の北方領。名門リドグレイ伯爵家の屋敷には、魔道具や召使い、そして“偽りの家族”がそろっている。
彼女――トリノ・リドグレイは、この家の“戸籍上は三女”。けれど実態は、召使い以下の扱いだった。
「キッチン、昨日の灰がそのままだったわよ? ご主人様の食事を用意する手も、まるで泥人形ね」
「今朝の朝食、あなたの分はなし。ねえ、ミレイア? “灰かぶり令嬢”には、灰でも食べさせればいいのよ」
「賛成♪ ちょうど暖炉の掃除があるし、役立ててあげる」
三人がくすくすと笑うなか、トリノはただ小さくうなずいた。
夜。屋敷が静まり、誰もいない納戸で、トリノはひとり、こっそり木箱を開いた。中には小さな布包み。亡き母の形見――古びた銀のペンダントが眠っていた。
それだけが、彼女の“世界でただ一つの宝物”。
「……お母さま。わたし、がんばってるよ。ちゃんと、ひとりでも……」
声が震える。けれど、涙は流さなかった。
屋敷の誰にも必要とされない“灰かぶり令嬢”。
だけど、彼女の心だけは、まだ折れていない。
いつか、この冷たい塔を抜け出して、空の広い場所へ行くんだ。
そう、小さく、けれど確かに誓った。
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
【完結】冷遇され続けた私、悪魔公爵と結婚して社交界の花形になりました~妹と継母の陰謀は全てお見通しです~
深山きらら
恋愛
名門貴族フォンティーヌ家の長女エリアナは、継母と美しい義妹リリアーナに虐げられ、自分の価値を見失っていた。ある日、「悪魔公爵」と恐れられるアレクシス・ヴァルモントとの縁談が持ち込まれる。厄介者を押し付けたい家族の思惑により、エリアナは北の城へ嫁ぐことに。
灰色だった薔薇が、愛によって真紅に咲く物語。
「契約結婚だって言ったよな?」「そもそも結婚って契約でしょ?」~魔術師令嬢の契約結婚~
神田柊子
恋愛
王立魔術院に勤めるジェシカは、爵位を継ぐために結婚相手を探していた。
そこで、大きな商会の支店長ユーグに見合いを申し込む。
魔力の相性がいいことだけが結婚相手の条件というジェシカ。ユーグとジェシカの魔力の相性は良く、結婚を進めたいと思う。
ユーグは子どもを作らない条件なら結婚してもいいと言う。
「契約結婚ってわけだ」
「契約結婚? そもそも結婚って契約でしょ?」
……という二人の結婚生活の話。
-----
西洋風異世界。電気はないけど魔道具があるって感じの世界観。
魔術あり。政治的な話なし。戦いなし。転移・転生なし。
三人称。視点は予告なく変わります。
※本作は2021年10月から2024年12月まで公開していた作品を修正したものです。旧題「魔術師令嬢の契約結婚」
-----
※小説家になろう様にも掲載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる