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本編

12.会いたかった人②

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何が起こったかわからず固まった私を見てレオンが笑う
「俺だって向こうで遊んでたわけじゃない。空間魔法は最初に極めた」
「それっておじさまがずっと望んでる魔術よね?そのためのお父様への援助でしょう?」
「みたいだな。空間魔法の使い手は数えるほどしかいないらしいからな。親父は長年かけて金をドブに捨ててきたってことかな」
そう言って笑うレオンにため息をつく
おじさまが次男のレオンも大切にしていれば望んだモノが手に入っていただろうに…
ただ次男だからと虐げた結果、無駄なお金を払い続け、そして望みの物を持ったレオンに逆に切り捨てられたのだ

「どうした?」
「…おじさまが生まれた順に関係なくレオンを大事にしてれば、望むものは身内から手に入ったのにって思っただけ」
「それはどうかな」
「え?」
思わぬ返しにキョトンとしてしまった

「そうなってれば俺が隣国に行くことも無かったってことだろ?なら空間魔法を極める理由も術もない」
「…そっか…」
確かにその通りだ
レオンが空間魔法に興味を持ったのは私の大切なものを守る為だった
最初に手に入れた空間魔法の付与されたネックレスはレオンの興味をさらに引き付けた
隣国行きが決まった時、レオンは喜んでいた
その理由こそが空間魔法の使い手が隣国に居るからという理由だったのだから

「結局親父は馬鹿を見る運命だったってだけだな」
バッサリ言い捨てるレオンはある意味清々しい

「とりあえずこのケース2つでこの店の1フロア分の荷物が納められる。すべてが終わった時にこれを使えばいい」
「すごい…」
「大したことじゃない。これを何人かに分散させれば検閲でも不振に思われることは無いだろう」
「そうね。このサイズなら普通の荷物と変わらないもの」
どう考えても大量の品物が入っているとは思われない

「準備にかかる時間が節約できるから、こっちで広まるまでの時間も稼げるはずだ。事前の輸送分には小包タイプのものをすでに預けてある。それを何度かやり取りする分には何の問題もないだろ」
「そこまで準備してくれてるとは思わなかったわ…でも本当にありがとう」
「…それは全てが終わってから聞くよ」
そう言って笑うレオンに私も笑い返していた

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