[完結]召喚に巻き込まれたけど元の世界に戻れないのでこの世界を楽しもうと思います

真那月 凜

文字の大きさ
22 / 317
8.晩餐

3

しおりを挟む
2人でロビーに向かうとジョンとウー、3人の子供の中で一番大きな男の子が荷台から荷物を降ろしていた

「あの、ジョンが私達もここに住まわせてもらえると…仕事も…」
私達に気付いた女性が戸惑いながらそう言った
その目には不安と戸惑いが見て取れた

「ええ。私はオリビア・グラヨール。今日からこの屋敷の持ち主になりました。彼はクロキュス・トゥルネソル。ここで一緒に暮らします」
とりあえず自己紹介をする
ロキは軽く会釈をする程度だけど…

「あ、カメリア・オーチデです。この子たちは上からコルザ7歳、ロベリ5歳、リラ3歳です。よろしくお願いします」
「「お願いします」」
コルザとロベリが揃って頭を下げる

「まぁ偉いわね?」
思わずそう言うと2人は嬉しそうに笑いながら顔を見合わせていた
褒められたことが嬉しいというのに加えてそのことに驚いている感じだろうか?
母親の仕事についてきていれば友達と遊ぶ機会も、他の人と関わる機会も少ないのかもしれない

「部屋は後で案内しましょう。しばらくここに荷物を置いてても誰も困らないから」
「でも…」
カメリアは申し訳なさそうな顔をした

「外は寒かったでしょう?先にみんなでお食事にしましょう」
「ご飯?ボクのもあるの?」
ロベリのそう問いかける顔からは期待がにじみ出ていた

「もちろんよ。これからは皆で一緒に食べましょう」
「あの、本当によろしいのですか?私に加えて子供とは言え3人も…」
「ええ。料理は私の趣味みたいなものだし、食事は大勢で食べたほうがおいしいでしょう?さぁこっちよ」
ためらうカメリアを説得するよりも子供たちを促せば嫌でもついてくるだろう
そう思い子供たちと歩き出すとリラを抱き上げたままついてきた

「うわぁ…」
テーブルに並んだ料理を見てコルザとロベリが目を丸くしている
「見たことないのが並んでる」
ウーがボソッと呟いた

皆が席に着いたのを確認してからロキにしたのと同じ簡単な説明をする
シチューと取り皿をそれぞれの前に置けば準備は完了だ

「みんながどんなものをどれだけ食べるかわからなかったから大皿に盛ったの。必要な分だけ取り皿に取りながら食べてね」
「「いただきます」」
「ます」
コルザとロベリに続いてリラが言う

ジョンとウーもとりあえず一口分ずつ取り分けている
カメリアは興味津々という感じで口に運んでいた

「母さん肉団子もっと欲しい」
そう言ったのはロベリだ
コルザは自分で取り分けている為早く入れてとせがんでいる

「ロベリ、焦らなくてもまだいっぱいあるから大丈夫よ」
「分かってるけどぉ…」
どうやらそういう問題ではないらしい

ジョンはソテー、ウーはフリッターが気に入ったようで大量にお皿に取っていた
私としては気に入ってもらえたようでホッとした
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

【完結】魔王様、溺愛しすぎです!

綾雅(りょうが)今月は2冊出版!
ファンタジー
「パパと結婚する!」  8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!  拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。  シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。 【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう 【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264) 挿絵★あり 【完結】2021/12/02 ※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過 ※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過 ※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位 ※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品 ※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24) ※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品 ※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品 ※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品

追放令嬢のスローライフなカフェ運営 ~なぜか魔王様にプロポーズされて困ってるんですが?~

月城 友麻
ファンタジー
国を追放された悪役令嬢シャーロットの夢は、平穏なスローライフを送ること。彼女は、王都の公衆衛生を陰から支え、毒とされる青カビから秘密裏に特効薬を作っていた過去を捨て、辺境の町で念願のカフェを開店する。 前世の知識を活かした温かい料理は、すぐに町で評判となった。特に、毎日通ってくる無口な常連客は、彼女の作るオムライスを心から愛しているようだった。 しかし、シャーロットを追放した王都では、彼女がいなくなったことで疫病が大流行し、国は滅亡の危機に瀕していた。元婚約者の王子が助けを求めに現れるが、時を同じくして、あの常連客が正体を現す。彼の名は魔王ゼノヴィアス。 「お前の料理は俺の心を癒した。俺の妃になれ」 これは、ただ静かに暮らしたいだけなのに、料理で胃袋を掴んでしまった魔王に求婚され、その重すぎる愛からスローライフを死守しようと奮闘する、元悪役令嬢の物語。

【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む

凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

処理中です...