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*7・溺れる
しおりを挟むそう言えば俺はやはり見慣れない服を着ていて、到底脱がしやすそうでなどなかったのだが、いつの間にか、今はすっかり肌があらわだった。
素肌同士が触れる。グローディの服もすっかり寛げられている。いつの間に。
いや、俺がキスでとろけている間に、なのだろう。
「ぁっ、ん、んぁっ……、ん!」
気持ちよすぎるくちづけから与えられる快感に身悶え続けて、ようやくそんなことに気付けるようになったのはこのくちづけの気持ちよさに慣れてきたからなのか、それとも。
グローディ自身が、あえて手を緩めたからなのか。
とろけきった頭ではそんな判断などできるはずはなく、俺にわかったのは、この先への期待だけ。
期待? 期待だなんて、何故。
「あっ!」
一瞬よぎった疑問は、きゅっとつまむことで胸へとくわえられた刺激によって霧散した。
それでいて上がった声はやはりグローディの口の中へと吸い込まれる。
唇は解かれていないままだからだ。
「ぁっ、ん、ぁむっ、ん! ん!」
さわさわと揉まれ、かと思えばねじ切るような強さでつままれて、やや乱暴でさえある動きであるはずなのに、胸へとくわえられるそれらは、間違いなく愛撫と呼ばれるもので、その度に俺の体はびくびくと跳ね、ジンジンとした疼きが胸を中心に広がっていく。
それら全てが気持ちよくて堪らなかった。
口も気持ちいいのに、胸も気持ちいい。
もっと、もっと! そう言葉にする代わりに、いつしか俺は背中をたわませて、胸をグローディへと押し付けるようにしてしまっていた。
グローディは応えるようにぎゅむぎゅむと胸への愛撫を続け、俺の口内も探り続けてくれている。
だけど、触れられている胸は片方だけで、それが不満で。俺は触れられていない方を更に突き出し、グローディの裸の胸元へと擦り付けた。
知らぬ間にぷっくりと立ち上がっていたらしい乳首が、滑らかな肌に触れ、もどかしい刺激もまた、快感となって俺に襲い掛かる。
「んっ、んっ、んんっ……! あ!」
なのに。
夢中でグローディに体を擦り付けていた俺を、急にグローディが引き剥がした。
俺から上がった声は落胆に擦れ、うっすらと開いた目は縋るようにグローディを見てしまっていた。
だけど視界に入ったグローディは先ほど見た獣性を保ったまま、俺を焼き尽くすほどの眼差しを注いできて、ならどうしてと俺は不安になってしまう。
どうして。とっても気持ちよかったのに。
物欲しげな顔をしているのだろう俺に、グローディはひどく満足そうな笑みを浮かべていた。
「ああ、レシア様。貴方はいつだって何処までも強欲で……だからこそ愛らしい」
欲張りと、そう言えば先ほども言われた。今度は強欲と。それはいけないことなのだろうか。
否、言葉ばかりは咎めるようでありながら、グローディの声音も表情も、それでいいと俺を肯定してくれていた。
ああ、なんだと俺は安堵する。
全く何もわからないまま、気持ちよさに支配されきった俺は、なら構わないかと、グローディへと両手を伸ばし、その頭を引き寄せた。
もっと深く、彼へと溺れる為に。
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