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38・突然の痛み
しおりを挟むその日、俺は朝からグローディにもシェスにも釘を刺された。
「レシア様、今日は出来るだけ安静にして、あまり動き回らないようになさってくださいね」
「? わかりました」
言われて俺は理由もわからないまま頷く。グローディはその後、後ろ髪をひかれる様子でたっぷり躊躇いながら何とかかろうじて仕事に向かい、その後でシェスにも、
「母上。今日は可能な限りご無理はなさらないようになさってくださいね」
「? ああ、気を付けるよ」
無理などいつもしていないのだけれどと、俺は不思議に思いながら首を傾げ、だけど素直に首肯した。
その上。
「昼過ぎにはおばあ様もいらして下さるそうですから、どうぞご安心下さいね」
などともいわれ、ますますわけがわからなくて首を傾げる。
おばあ様ということはティアリィさん?
今日はこちらまでいらっしゃるのか。
思えば直接顔を合わせるのは、あの、初めて会った時以来。その後で幾度か通信機越しに、相談に乗ってもらってはいるのだけれど。
今日はいったい何があるというのか。
グローディもシェスも少しおかしい。
だが、子供たちはいつも通りで、俺は彼らにこの頃少し慣れてきた仕草で構い、可愛がり、勉強の時間になると、上の子供達を見送った。
昼食の後、お昼寝の時間、ティアリィさんが来る前、子供たちの寝顔を見ていた俺は、ふと今日は大変気持ちのいい天気であることに気付いた。
窓の外、空は青く澄み晴れ渡って、あたたかそうな陽気が降り注いでいる。
俺は最近ずっと罪悪感に苛まれ続けていて、そんな落ち込んでいた気分が少し、晴れそうな気がして。誘われるように庭へ出た。
「母上?」
「すぐに戻るよ」
気づかわしげにシェスが声をかけてきたけれど、俺はそれに微笑んで返し、ゆっくりとした足取りで歩きだす。
庭に出ること自体はこれが初めてというわけではなく、俺はいつも通りのちょっとした散歩のつもりだった。
そもそも使用人や侍女、侍従はそこかしこにいるし、おそらく護衛もついている。
心配するようなことは何もなく、ほんの少しだけ庭を回って、本当にすぐに戻るつもりだった。
なのに。
この城の庭園はきれいに手入れされていて、色とりどりの花が目に美しい。
鮮やかで華やかで、見ているだけで気分が晴れるようだった。
しばし、いつも常に付きまとう罪悪感を忘れ庭を楽しむ。
庭のだいたい中心近くにある、ガゼボに差し掛かった時だった。
突然、つきり、腹が痛み始め、俺はあまりの痛みに耐えきれず蹲るしか出来なくなったのである。
「レシア様っ!」
使用人だろうか、誰かの声が聞こえた。
ぱたぱたと幾人もが走り寄ってくる気配も。
だけど俺は、すでに痛みによってか、意識が朦朧とし始めていて。
そして。
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