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第一章・リーファ視点
1-47・いつも通りの朝
しおりを挟むどくどくとたくさんお腹の中に体液とともの魔力を注がれる。
じんわりあったかくて気持ちいい。
しばらく余韻を味わった後、義兄上はずるんとゆっくり、熱くて硬いままの義兄上ご自身の象徴を僕のお腹の中から抜いていった。
「ぁんっ……」
大きな義兄上が抜け出ていく感触に背筋がぞわぞわする。知らず僕の体はびくんっと震えて、僕の喉からは小さな喘ぎ声が零れ落ちる。
そこに込められた響きが、名残惜しく思う僕の気持ちを、余さず現しているみたい。
あたたかいお腹にそっと触れた。
とくん、とくん、まるで鼓動みたいに、赤ちゃんの魔力の波動が感じられて安心する。赤ちゃん。僕の赤ちゃん。元気に育っている。
ふふ。小さく笑った。
「リーファ」
そんな僕に、義兄上もやっぱりどこか名残惜しそうに、触れるだけのくちづけを顔へと降らせてきて。
「ん、んんっ……」
くすぐったくて身を捩る。義兄上も小さく控えめに笑い声を漏らしていた。
「リーファ。煽っているの? あまり可愛いことをしないで。キリがなくなるからね。もう起きないと」
煽ったりなんてしていないのに、義兄上ったらおかしなことを言いながら僕からゆっくりと体を離した。
お腹の中が痺れているみたい。義兄上に魔力を注いでもらったらいつもこうなる。お尻の穴も、お腹の奥も、やっぱり少しだけ痛いから僕は自分で自分に向けて、治癒魔術を行使した。
そうしないと、きっと今日一日まともに起き上がっていられないからね。
せっかく義兄上が魔力を注いでくださった、その証みたいな痛みを消してしまうのは少しもったいないなとも思うんだけど、痛むってことは、いろいろな所が傷ついているっていうことで、それはやっぱりよくない事だし、仕方がない。
義兄上だけじゃなく、僕にだって今日も予定はあるんだし。
「ぁっ……」
とろっと、お尻の穴から、義兄上が注いでくださった体液が流れ出てくる感触がする。
義兄上からの視線がそこに向かっているのが分かった。僕のお腹の中から義兄上の体液が出てくるのがそんなに気になるんだろうか。いつものことなのに、変なの。
首を傾げる僕のお尻を見つめながら、義兄上はぎゅっと顔を険しくして、何かを振り切るように、ようやく顔を逸らしたみたいだった。
そのまま、降ろしていた天蓋を開ける。途端、入ってくる朝の光。
さっき義兄上が言った通り、きっともうすぐ起きないといけない時間だ。身支度を整えないと。
近くにあったローブのようなものを簡単には追った義兄上が、改めて僕へと向き直った。
「リーファ? 大丈夫? 起きれるかい?」
優しく差し伸べられた手を掴む。
「大丈夫です、お腹とお尻は治したから、もう平気。多分起きられます」
ゆっくりと義兄上に支えられながら体を起こす。少し重怠い、かな? でも多分、これぐらいなら大丈夫。だってそもそもいつものことだしね。
義兄上に魔力を注いでもらうと、どうしても体が怠かったり、お腹の奥が疼いたりするんだ。
だけど僕はそんな感触も、義兄上が魔力を注いでくださった証だと思うと、なんだか愛しい気がして気に入っている。
それに、よほどひどくてつらいなら、仕方がないから自分で治してしまえるし。だから本当に大丈夫。
ちょっとだけ動きが鈍いままの僕を義兄上が、さっと洗浄魔法でキレイにしてくれた。
色々な体液に塗れていた体がすっきりする。
さっきいっぱいトロトロ流れ出たからかな? お尻からも多分しばらくはもう、義兄上の体液はこぼれ出たりしないと思う。もし後で降りてきたらその時には次は自分で洗浄魔法をかければいいだけだけど。いつも通りにね。
僕がキレイになったのを見た義兄上は小さく頷いている。
「うん、こんなもんかな。ふふ。リーファは今日も可愛いね」
そしてやっぱりいつも通りに、甘くそう囁いてくれた。だから僕はくすくす笑ってこう返すんだ。
「義兄上だって、今日もかっこいいです」
ってね。そうしたら義兄上はとってもとっても優しく、愛しげに僕を見てくれる。
いつも通りの、僕達の朝だった。
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