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第一章・リーファ視点
1-60・知らない誰か⑧
義兄上とは全然違う、グロテスクでやっぱりとっても汚い象徴。
あんなものを、あのかわいそうな人のお尻に入れるの?!
ぐったりしているかわいそうな人は、それでも意識があるようで、カタカタと震え、怯え、当たり前に抵抗しようとして、でも押さえつけられてできないみたいだった。
首を、必死で横に振っている。
嫌なのだろう。当たり前だ。
気持ちが悪い。
行為だけを見れば、僕が毎晩義兄上にして頂いているのと同じ、でも違う。何もかもが同じではない。
何より、嫌がっているかわいそうな人に、殴って押さえつけて、無理やりそんなことをするなんて。
「やめて……」
ぐずぐずと泣く僕を見て、男の人が笑う。
「ははは! 王子様は泣き顔もキレーだなぁ! こんなやつじゃできねーんじゃねぇかと思ったが、王子様の顔見るだけで出来そうだぜ。はは、ははは、よく見てろよ、王子様! 本当はお前がこうなるはずだったんだ。父親のわかんねぇような子供を孕むお前にはお似合いだろう? 俺達で存分に相手をしてやれって言われててなぁ……なのにいざてめぇをさらってきてみれば、なんでだか近づけねぇときてる。結界だか何だか知らねぇが小賢しいんだよ! てめぇが変な小細工なんざしてるから、こいつがてめぇのわかりをする羽目になったんだ! こいつがこんな目にあってんのはてめぇの所為だ! てめぇが自分だけ守ってるからこいつが代わりになるんだぜ? はは! ははははは!」
やっぱり、何を言っているのか全然わからなかった。
でも、あのかわいそうな人が僕の代わりだってことだけはわかる。
あの人は今、僕の代わりにひどい目に合っているんだ。僕には守護結界が張られていて、僕には近づけないから!
だからって、どうして。
泣きじゃくる僕を見ながら男の人はそんなことを言って、股間の象徴をしごいて、そして。
ふるふると首を横に振りながら、カタカタ震えて怯えるかわいそうな人にのしかかった。
「やめてぇー!!」
僕は必死だった。
だってこんなの、見てられない、こんなの、堪えられない。だから必死で体を動かして。
さっき、あのかわいそうな人が僕のことを、支え起こしてくれていてよかった。
だから僕は少しだけでも動くことが出来た。そのまま身を捩って、何とかそちらへ向かって倒れ込む。
「ぅわあっ?!」
僕の結界に弾かれて、男の人達が押しやられる。だから僕は何とか少しだけ、あのかわいそうな人と、体の一部を触れ合わせることが出来たんだ。
だから。
「義兄上っ!!」
叫びと共に行使した転移魔法は、しっかりと発動して、ほんの瞬きの間に、あのかわいそうな人ごと、僕は義兄上のすぐそばまで移動することが出来ていた。
「リーファっ!」
驚いた義兄上の声。顔を上げて、なんとか、そのお顔を見て。
「義兄上ぇ……!」
僕は、今度は安堵の涙を流しながら。えぐえぐと情けなく泣きじゃくったのだった。
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