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第二章・ペーリュ視点
2-6・歓喜
しおりを挟む私は可能な限り、彼の方の元へと通った。
勿論、愛しいあの子供にたとえ一目でも会う為だ。
リアファディエと名付けられた愛しいあの子は、母親の愛に包まれ、すくすくと成長していった。
リーファ。私のリーファ。愛しい子。
彼の方は一年、きっちり、私に触れることを許さなかったが、その後は多少のことなら目を瞑ってくれるようになった。
おそらく、初めから予定していた通り、儚くなるつもりであったからなのだろう。
自分がいなくなった後の子供の預け先を、吟味していたのだと思う。私もおそらくはまた、試されていた。
彼の方が生きている間に、どれほど、リーファを愛しく思っているのか、示さなければならない。
私にとって、どれほどリーファが大切なのかということを、しっかりと。少しでも暇を作っては通う私を、彼の方はどう見ておられたのだろうか。
私が、率先してリーファの世話を焼くのを、彼の方からは咎められず、だから私はリーファ付きの女官や侍女たちから赤ん坊の世話の仕方を習いつつ、私自らでリーファへと手をかけていった。
例えば食事の補助から始まり、排泄物の処理まで。
出来ることは全てやった。否、むしろ、私が全てやりたかった。
かわいいかわいい愛しいリーファ。私のリーファ。私の全て。
そんな私の想いが伝わったのだろうか。それとも他の思惑でもあったのか。幸いにして私は、彼の方亡き後に、リーファを引き取る許可を得ることが出来たのだった。
程なくして彼の方は予定通り儚くなられた。
リーファの父親である彼の方の伴侶も、追従するように彼の方の最期を看取った後、すぐに追うように儚くなられて、リーファはたった2歳で、最大の庇護者であった両親を失うことになった。
たった2年。それだけしか、リーファといなかった彼の方は、もう、それ以上は生きられないぐらいに、精神が摩耗していたのだろうと曽祖父が言った。
リーファを、気にしていなかったはずがないのにと、寂しそうに。
私は、曽祖父のような寂寥感に襲われることはなかった。
なにせ、そうは言っても、初めからわかっていたことで、そして私はその後のリーファを託されたのだ。
リーファを預ける先として、私は選んで頂けた。
私にとっては、彼の方が儚くなられたことよりも、そちらの方が重要で。だってこれからはずっと、私はリーファの側にいられるのである。
私が、育てることが出来ることとなったのだ。愛しいリーファに、思うさま触れられる。もう、我慢などしなくていい。
それは、彼の方を失くした寂寥など、吹き飛ばすほどの歓喜だった。
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