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第二章・ペーリュ視点
2-25・王族の重要性
ラーヴィはほんの一瞬苦々しい顔をした。
勿論、そちらを見ていなかったリーファは気付いていないけれど、顔に出る辺りまだまだ未熟だなと私は思う。否、年齢を考えるともうずっと一生未熟なのかもしれないがそれはともかく。
ラーヴィの身分は王子だ。
私の実弟なのだから、直系なことに違いはない。ただし、リーファがいて、しかもリーファが私の子供を身ごもっている以上、ラーヴィが王族としての要職に就くなどということは、ほとんど絶対的にと言っていいほど考えられなかった。
そもそも、私でさえ随分と血が薄まってしまっていて、あまりいい状況とは言えなかったのだ。
そうであるのならば、多少顔に出るぐらいの素直さは、残しておいていいのかもしれない。
ナウラティスには、王族でしか熟せない、唯一絶対の仕事があった。血の濃さが重要視されるのはそのためだ。ある程度の濃い血脈でないと資格そのものが得られない。
それは何か。すなわち、国全体を覆っている守護結界の維持。正しく言うならば張り直しである。
そもそも、その守護結界の要となる結界場はその場所に入ることそのものが、特定の条件を有した者でなければできないのだ。たとえ皇帝であってもこの条件を満たしているとは限らない。そして同時に直系王族でなかったとしても、この条件を満たしている者の方こそが優先された。
条件の一つに血の濃さがある。だからこそ王族は可能な限り血の近い者同士での婚姻が良しとされていて、極端な話、同父母の姉弟や親子などであっても特に問題とはされなかった。ただし、歴史をいくら紐解いても、そんな選択をした者は数えるほどしか存在しない。
それはもう一つの条件である、精神性が、それを良しとはしない傾向にあるからだろうと思われた。
だから、義理とは言え、自分で育てた義弟であるリーファを選んだ私などは問題とはならずとも珍しいのである。
なお、今、この守護結界の張り直しを担っているのはリーファだ。
私にも出来なくはない、のだが、件の結界場に入れる時と入れない時があり、安定しているとも、条件を常に満たしているとも言い難い状態だった。
リーファの前に担当していたのは曽祖父で、その前はリーファや曽祖父の実母だったと聞く。
つまり、私が長く淡い憧れを抱いていた彼の方である。
ラーヴィはこの条件を満たしていなかった。血の濃さという点においては、私と同じであるはずなのにもかかわらず。
そういった意味でもラーヴィは王族としては尊重される立場になく、現状でいくらリーファに想いを寄せても、どうすることも出来ないのはあまりにも明白すぎる事実だった。
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