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第二章・ペーリュ視点
*2-44・どれほど空しくても
しおりを挟む「あっ、あっ、あっ、あっ」
リーファから上がる声は全て反射だ。
リーファの意思など何処にもない。
何故ならリーファの意識はないまま。だけど、だからこそ素直に私の魔力を受け入れてくれていた。
「ぅっ、くっ……! リー、ファっ……! リーファ、リーファっ!」
だけど当然、いくら名を呼んでも応える声はなく、閉じられたままの瞳は開かれず、私の姿はそこに映らない。
「ぁっ、ぁっ、あっ、ぁあっ、」
私はリーファの心が一切乗らないリーファの喘ぎを聞きながら、リーファの腹の中へと腰を突き入れ続けた。
たとえ眠ったままであっても。リーファの体は大変に気持ちよく、私の下肢をどこまでも健気に咥えこみ、ぎゅむぎゅむと痛いぐらいに私を締め付け、かと思えば柔らかく包み込み蠕動した。
絡みつくリーファの体内を刺激に導かれるようにしてかき分け、擦る。
あたたかくて溶けてしまいそうで、こうなると私はいつだって腰の動きを止められず、もっと、もっとと際限なくリーファを求め続けてしまった。
ずちゅずちゅ、ばちゅんばちゅん、水音と肌を打つ音。
ぐいと力任せに奥へと腰を打ち着けるとぐぽっと、先端が狭い部分を抜けてちょうど敏感なくびれの辺りがぎちゅっと強く締め付けられたのがわかる。
おそらくは奥の弁を突き抜け、更に奥へと嵌まり込んだのだろう、そこを強引に入れたり出したりすると、それだけでも堪らなくて。
「ぁあっ! あっ! あっ! ああっ!」
リーファの声が更に高くなり喉は仰け反り、がくがくと震え、ぎちゅん、びくびくと、ひときわ強くなった締め付けと震えに、リーファがおそらく達したのだろうと察した。
「ぅっ、くっ……」
同時に堪えることなく、体液と共に魔力を吐き出していく。特に魔力は意識して多く、多く、もっと、もっと更に、リーファの全てを満たせるようにと。
リーファの腹には魔力の塊があり、その塊は、リーファとも私とも違う鼓動を刻んでいて、しっかりと子供として成り、問題なく順調に育っていることを私に教えてくれていた。
私の魔力は、その塊に向かって流れ、塊は嬉しそうに脈動し、そんな些細なことが、今の私の行為を全て肯定してくれているようで。
「ああ、リーファ」
リーファ。
私はまた、リーファを揺さぶり続けた。
何故か、わけのわからない空しさを感じながら、だけど止められず。もっと更に注がなければと焦燥感だけに支配され、空しいばかりの交わりを解いてしまうことが出来ない。
こうしてリーファの腹を穿ち、リーファを抱きしめ、常に魔力を注いでいないと不安で。
『ペーリュ、義兄上』
そう、私を呼んだリーファの瞳に映っていた恐怖と嫌悪が、頭の奥、刻みつけられたかのように無くならず、私はそれを塗りつぶすように更に激しく、腰を打ち付け続けることしか出来ないのだった。
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