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第二章・ペーリュ視点
2-47・魔力欠乏③
しおりを挟む「それにしても、ここまでする必要なんてなかっただろう? いくら魔力が必要だからって、枯渇するほどまで注ぐだなんて。もう安定している時期なんだから、数日に一度ぐらいでも充分。リーファを眠り続けさせる為と言っても、そちらはそこまでの魔力など要らないんだろう?」
呆れたように問いかけられて、私は曖昧に頷いた。
必要か必要ではないかという話になると、確かにこれほどまでリーファへと魔力を注ぐ必要なんてなかった。
曽祖父が言うように、今リーファが必要としている魔力はそこまで多くはない。少なくとも数日に一度程度で問題なく、毎日さえも要らなければ長時間など、過剰もいい所だ。
加えてリーファを眠ったままにさせておくための魔力だって、流し込みさえすればいいというぐらいには少量でも問題はない。ならば何故、私がこんなことをしたのか。それはただ、単純に。
「……不安で」
そうしなければ不安で不安でたまらなかった。今も、リーファと離れている、ただそれだけのことがこれほどまでに恐ろしい。
どれだけリーファを揺さぶって、腹の中に突き入れ、魔力を注いでも、どうしてか、私の感じている不安は一向に和らいだりなどしてくれなかった。
それでも、触れていない時よりは余程良くて。
少しでも不安が少なくならなければ堪えられなかった。
リーファに触れて、繋がっていないと、私は私でさえいられなくなってしまいそうだったのだ。
私がそう、自分の心情を一言こぼしただけで、曽祖父は息を詰め、やがて、深く、長く吐き出した。
「……そう……」
否定も肯定もしない。ただ、同意しただけ。
私の気持ちなど、おそらく曽祖父には伝わっていないのだろうと思う。けど、反面、私が今、恐ろしいほどの不安に捕らわれていることは理解してくれている。
たとえ必要など全くなくても、私は今、リーファに触れ続けていなければならないということも。
「お前のことだから、リーファを苦しめたりはしていないとは思うけど……物事には限度がある。自分が体調を崩すほどなんて、どう考えてもやりすぎだ。その自覚はあるんだろう?」
私は頷いた。
「だったら、もう少しぐらい耐えなさい。リーファが元へと戻った時に、お前が参ってしまっていたら、リーファは必ず気にするんだから、それはお前だって本位じゃないだろう。体調を崩してしまわない程度に、自制しなければね。大丈夫だよ。それほど不安に思うことはない。リーファは必ず元に戻る。だから……」
曽祖父の言葉は、何処までも私を宥めるものだった。
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