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エピローグ
x-x・そして、これからも続いていく日々
しおりを挟む幸いだったのは、魔術師塔の者たちが研究していた題材が、それほど急を要するものではなかったことだろうか。
もっとも、現状ナウラティスでは特に物凄く困る事態というもの自体がほとんどなく、急を要する研究など存在しないと言っていい。従って魔術師塔に所属する者達は皆それぞれ自分が興味のある分野を好きなように研究していた。
勿論、いずれは何らかの方法で社会に広く貢献できればと、明確な理想をもって研究している者も中にはいるが、大多数の者はそのようなことは所詮後付けで。ただ、何かの役に立てばいいなとふんわり認識している者ばかり。ただし、皆ナウラティスの国民らしく、自身の研究を独占したり悪用したりするような者はおらず、役立つようなことなら随時反映されていっている。
今回事故を起こした魔道具だって、完成したら主に医療の現場等で活用されるようになるのだろう。物が物だけに少々取り扱いには慎重になる必要が出てくる可能性が高いが。
リーファを戻すために構築された魔術式だって同じだ。
リーファはあれ以降、特に何ら変わりなく過ごしている。あんな事故など、何もなかったかのように。
ラーヴィとも別に近く、より親しくなったなどということはない。敢えて違いというのなら、やはり、私から離れないままである所だろうか。リーファの私への依存度は、より高くなったように感じられた。
だが、反面、視察の時のことを夢に見ることは減っているようだ。おそらく、それよりもその後の事故の方が、リーファにとってはより衝撃が大きかったからなのだろう。
それはつまり、認識の齟齬が引き起こした混乱が、いかにリーファにとって重要であったかということ。すなわち、私の存在自体の、リーファの中での重さの表れだ。
リーファはまだ悪夢に悩まされている。ただ、見る悪夢の内容が変化しただけ。
これは関しては曽祖父も、時間をかけてリーファを支えていくしかないという考えで、私もおおむね同じ意見だ。
リーファは、二つの出来事によって、自分が随分と不安定になっているという自覚がおそらくない。自分は何も変わっていないつもりでいるようだった。
だからこそ、時間をかけるより外になく、私は別にそれでいいと思っている。
何もかもを自覚することが必ずしもいいことだとは限らないからだ。
私自身ももしかしたら色々と影響を受けているのかもしれず、だが、それで構わないとも考えていた。
なにせ、私とリーファはようやく双方自覚して、共に歩み始めたばかり。まだまだこの先は長く続いていく。
お互いの望み合う限り、ずっと。ずっと。
私もリーファも魔力が多く、お互いの認識次第ではどれほど長い時を共にいられるのかさえ分からない。
曽祖父の年齢は魔力の比較的多い貴族たちの寿命と見なされている150歳を疾うに超えている。曽祖父やリーファの母親は耐えられず150でこの世を去った。その年数を超えて、生きられるだけ生きるつもりであるらしい。
いったいどれだけ生き続けるつもりなのか、今も大変に若々しく、精力的だ。普段は伴侶である青年と冒険者として旅を続けていて、その傍ら、何かあると今回のように転移魔法を駆使し、単身、国まで戻ってきてくれるのである。
リーファの魔力は、そんな曽祖父よりも上だった。私は流石に曽祖父ほどの魔力は持たないのだが、それでもそれに迫る程度の魔力は擁していて。
つまりはこれから続くだろう長い人生の中、今はまだ、始まったばかりのようなもの。これから長く、長く共に生きるのだ。いくらだって時間はあるだろう。だから。
「リーファ」
呼びかける。
昼間の執務室。リーファは部屋から出ずに、私の側で私に寄り添って、リーファが出来る書類の処理などを少しばかり手伝ってくれていた。
手を伸ばすと届く距離に、最近新たに席が設けられているのだ。リーファはそこにいて。
「義兄上」
手を止めて、ふわり、花のような笑みで微笑み返してくれるリーファ。
私とリーファの初めての子供を宿したばかりの大切なリーファ。
私から、あまり離れようとしなくなったリーファ。
少しぐらい不安定だというのがなんだというのだろうか。
リーファが子供を産んだ後には、今度は私とリーファの婚姻式が待っている。
そうして、私の妃、皇后と成ってくれるリーファと、これから共に長く、生きていくのだ。
「? どうかなさいましたか? 義兄上」
呼びかけたっきり、しばし、眩しそうにリーファに見惚れてしまっていた私に、リーファが不思議そうに首を傾げた。
私は緩く首を横に振った。
「いや、なんでも。お前は今日も可愛いなぁとつくづく思って」
「なんです? それ。義兄上ったら。義兄上も、今日もとってもかっこいいです」
「本当に?」
「ええ、とっても。いつだって素敵で」
「ふふ。嬉しいなぁ。リーファもとっても素敵だよ」
「ありがとうございます」
こんな風、他愛無い会話は私達の日常だ。
私の言葉に、逐一照れたように頬を赤らめるリーファはかわいくて、ああ、本当に愛しくて。
「ねぇ、リーファ」
「はい、義兄上」
「愛しているよ」
「義兄上……僕も、愛しています」
心のまま、告げた言葉に、返ってきたのは、柔らかくてまっすぐな、疑いようのないリーファ自身の心だった。
ああ。
人はきっと、これを幸せと呼ぶのだろう。
思いながら、胸がいっぱいになった私はリーファへと、そっと、心からのくちづけをしっとりと、厳かに一つ、贈り降らせたのだった。
Fine.
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あぁヨカッタ…
リーファくん、幸せになってくれた~
感想ありがとうございます!
ハピエンにしました☆
リーファに何が起こってしまったのでしょう😱😱
義兄上が…心配ですね😱😱😱
義兄上は…
リーファへの
溺愛→執着心→変態→溺愛…
ループですね😂😂😂
感想ありがとうございます!
リーファに何が起こったのか……そう大したことは起こってないんですが、リーファの混乱はひどい感じです!
次か次の次には描写予定なのでよろしければもう暫くお待ちくださいね!😊💕
やっぱり…義兄上は、ティアリィに淡い初恋を抱いていたんでしょうね。。。
超鈍感なティアリィが気づいたか、気づいていないかは別として😅
でも、ティアリィにはやはりミスティという絶対に離れない(死んでも離れない)おもーいおもーい愛を注ぎ込む夫がいたので、そこにはやはり叶わない…
そんな中、ティアリィの忘れ形見となる、ティアリィにそっくりなリーファ…まだ誰のものでもないリーファの事を義兄上はどれほど喜んだのでしょうね。
幼いリーファの成長すら、全て自分のものにする、こちらもおもーいおもーい愛…
義兄上は、ミスティの血が漕いのでしょうか🤔🤔🤔
リーファはティアリィのように逃げる気もないし、義兄上は逃がす気など毛頭もないし、産まれた瞬間に決まったカップリングだったのですね😊
感想ありがとうございます!
概ねだいたいその通りですー!
ちゃんと伝わっていて嬉しいです!
義兄上は何故か血は薄まってるはずなのに見た目も中身もミスティそっくりです。(実は母親が中身ミスティそっくり。)
リーファも 見 た 目 はティアリィそっくりなので、見た目だけならちょっと年の差があるだけの再現みたいになってます。
しかし、リーファはティアリィなど目じゃないぐらいに実は歪んでいるので義兄上とだとベストカップルなのだと思います!
第2章はそんな義兄上がリーファリーファ言いながら変態行為に勤しむ描写が続く予定です
よろしければお付き合いくださいね♥️