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0・始まりの朝
しおりを挟む目が覚めた。
頭がガンガンと痛む。
これはおそらく二日酔いの症状だと当たりを付けた。
だが、同時に気付く。
今、自分が感じている不調はそれだけではないと。
痛むのは頭だけではなく、言うならば全身。
まるでひどい筋肉痛にでもなったかのようだった。
まともに動けなさそうだとうんざりする。とりわけ腰と、何より尻の穴の違和感がひどい。
何か、物凄く太いものが挟まっているかのように感じられていて、だけどもちろん、それはどうやら便意ではない。
とは言え、便意ではなくて、では何だというのだろう。
なにせ尻の穴なのだ。
今まで出す以外で使用したことなどなかった。だけど。
「昨日……俺はどうしたんだ……」
思い出す。
必死で、思い出す。
何故ならもう一つ、気付いていることがあったからだ。
あり得ない。
だが、これはきっと間違いがない。
……――腹に、自分以外の魔力が凝っていた。
考えたくもない、かと言って、間違いようもない、知りたくもないのによく知っている魔力。
「俺は……本当に、昨日、何を」
何も思い出せなかった。
今、自分が感じている感覚だけが全てだった。
そして……――。
「……うぅん」
もぞり、動いた傍らの気配に、びくん、体を震わせた。
おそるおそる、ちらとそちらを窺ってみる。
本当は見ずともわかっていた。
だが、見ずにはいられなかったのだ。
目に入ってきたのは肌色だ。
見るからに逞しい、誰かの体。
日に焼けているわけでもなく白いのに、脆弱な雰囲気など一切ない。
憎たらしいほど雄々しい肉体。
そろそろと視線を上にあげていくと、髪らしきものが目に入った。
青い。
見るも鮮やかな青だ。
俺は……この、髪色を、知っていた。
「…………ロディス……」
知らず、小さく呟いたのは、忌々しくも腹立たしい、俺の、ライバルと言ってもいい、嫌い合っている男の名だった。
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