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04・翌朝
しおりを挟む陛下は……――否、リア様はとても優しくて、だけど大変に情熱的だった。
何もかもよくわからず、戸惑うばかりの僕をリア様は根気強く、溶かして下さったように思う。
にもかかわらず、思い返せば何処か手つき全てがおぼつかず、ぎこちなかったのは、聞けばリア様ご自身も、誰かとそのような接触を持つのは、初めてだったからなのだとか。
例えば服を乱すのだとかは器用ではあられたのだけれど、リア様の手指はそれだけだったのだ。
もっとも、僕自身、よく覚えてはいないのだけれども。
少なくとも、慣れているという風には思えなかった。
リア様はご自身を、甥であるティネ殿下へと王位を引き継がれるまでの中継ぎであると認識していらっしゃった。
だからこそ、後々ややこしいことにならないよう、これまで婚姻さえなさっておらず、必然、誰かと閨を共にするだとかいうことも、避けるようになさっていらしたのだそうだ。
でも今回、ティネ殿下の所為で事情が変わり、僕を娶らざるを得なくなられ、それで……――正直、何故、僕なのか。いくらティネ殿下のお父君であられた、先代国王のお決めになったこととはいえ、そこまでせねばならないようなことだったのか。
僕にはわからなかったのだが、リア様は、
「仕方がない」
「そうせねばならない、急ぐのだ」
そんな風におっしゃって。
とても、お優しかったのだ。
きっとリア様は僕になどまるで気持ちがおありでないだろうに、とても。
元々のリア様への憧れもあるとは思う。だけど僕はふわふわとリア様のお優しさに浸るばかり。
勿論、実際に体をつなげる際には痛みもあったし苦しくも感じた。だけど、そういったことを含めても、大変に気持ちのいい思いもたくさんさせて頂いて。
「イーフェ、イーフェ、ああ、凄い、まさかこれほどとは……イーフェ、かわいいよ、すまない、すまない……」
僕を揺さぶりながら何度もそのようなことをうわごとのようにたくさんおっしゃられたリア様も、どうか僕と同じよう、気持ちよさを感じて下さっていればいいなと僕は思うばかりだった。
「……、――……、様、イーフェ様」
呼びかけられて、ついうっかり昨夜、否、今朝?
えぇと、昨夜から今朝方まで続けられたリア様との閨のことを思い出していた僕は、はっと我に返って頬を赤らめた。
不思議そうに僕をのぞき込み、何度か呼び掛けてくれていたのは、初めて見る年若い侍女。
「えっと、あの、ごめんなさい、ちょっと僕、ぼんやりしていたみたいで……」
頬の赤みも引かせられないまま気まずく俯く僕に、彼女はくすと大変に微笑ましそうに小さく笑った。
その眼差しは、まるで小さな子供を見るかのような慈しみにあふれていて、ますます僕は身を縮こまらせる。
僕と、それほど変わらないように見えるけれども、実際の年齢はもっとずっと上なのかもしれないとちらと思った。
そもそも、見た目というものは、ある一定以上の年齢ともなると、ほとんど年齢に左右されなくなるものだから。
特にそれは魔力の多いものほど顕著で。例えば100を超えてなお少女や少年のような者だってそれなりに存在している。
王族、までとはいかずとも、高位貴族などになると、珍しくもないことだった。
彼女も見る限り目の色も髪の色も明るいので、それなりに魔力が多いはずだ。
そもそも、女性の年齢を詮索することほど失礼なこともない。
内心で、
(いけない、いけない)
なんて戒めつつ、僕は戸惑ったままなんとなく彼女を見つめ続けてしまっていた。
「気を悪くされました? 微笑ましくて、つい。」
先程くすと笑みをこぼしたことにだろう、それでもにこやかなまま確かめられ、僕はふると首を横に振った。
「いや、まさか! そんな、全然……」
「そうですか? それでしたらよいのですけれども……」
「あの、僕、ほんとごめんなさい、その……」
居た堪れなくて俯く僕に、彼女は小さく首を横に振った。
「どうぞお気になさらず。陛下のことを思い出しておられたのでしょう?」
「え?! どうして、そんな……」
「そのようなお顔をなさっていらっしゃいましたから」
僕はいったいどんな顔をしていたというのか。そんなにも顔に出ていたのだろうか。
恥ずかしくて堪らない。
「大切にして頂けたようで、ようございましたね。……それよりも。髪形などはこのようにさせて頂きましたが、問題ございませんでしょうか?」
幸いにしてと言えばいいのか、そこで彼女が気を取り直したように話を変えてくれて、ようやく僕は、そもそも彼女が僕へと呼びかけてくれていたのは、そういった確認のためのようだと思い至った。
実際に僕が今いるのは鏡台の前。彼女は今、僕の身支度の手伝ってくれていて、仕上げにと、髪を結ってもらっている最中なのだった。
なお、さっきの、彼女に覗き込まれた、というのも鏡越しである。
どうやらそれも終わったようだけれど。
鏡の向こうでは、あまり長くもない僕の髪が、僅かばかり、ゆるく編みこまれ、髪飾りで留められていた。
見慣れない髪飾りにぱちりと目を瞬かせる。
少しばかり女性的ではあれど、僕に似合わないわけでもない、とても繊細でキレイな髪飾り。
「あれ、それ……」
見咎めると彼女はやはり柔らかく微笑んだ。
「気がつかれました? 陛下がイーフェ様へと。新しくご用意は流石に間に合われませんでしたけど、こちらは代々王家に引き継がれてきた物ですので、見劣ることもないだろうと。よくお似合いでいらっしゃいますわ」
「え」
僕は驚いて目を見開いた。
新しいものだとしても、過分だと思うのにまさかそれよりもずっと価値があるだろう物だなんて。
似合っているだなんて言われても、恐れ多い、そう思うのはどうやっても止められそうになかった。
僕が見るからに臆してしまっていることが、彼女にも伝わったのだろう、鏡の中で彼女が、少し困ったように微笑む。
「イーフェ様はもう王妃でいらっしゃるのですから、最低限でもこれぐらいの格式は必要となりますので」
立場から考えると、決しておかしなものではなく、むしろ必要なことなのだと、僕はいっそ窘められているかのような気分になる。
王妃。
今更その言葉が、なんだか僕へと迫ってでも来るかのようだった。
昨日、ティネ殿下も言っていたように、僕は元々は子爵家の人間で、つまり決して身分など高くない。
だが、なぜか王太子であったティネ殿下の婚約者として僕が指名され、いずれは王妃となるのに相応しい家格をと、ユナフィア侯爵家の養子となり、それ以来王太子妃教育、あるいは王妃教育をと様々な勉強に邁進してきた。
その中で確かに、今侍女が告げたような事柄も会ったことを思い出す。
それぞれの立場にあった品位と格式。
特に国王や王妃ともなれば、外交上の問題もある。
他国へ向けて、おかしな態度など取るわけにはいかず、そういった場で慌てたりしないよう、普段からそれ相応の装いや振る舞いが求められるのだという話だったはずだ。
王宮内の、今、例えばこうして僕の世話を焼いてくれている侍女や、他にも部屋の外に控えてくれているだろう護衛。彼ら彼女らに対してでさえ、示さねばらない威厳があるのだと。
もし、彼ら彼女らに侮られてしまえば、それがどういった影響となって発展していくのかわからないのだから。
隙を見せてはいけないということなのだろう。
わかっている。
わかっては、いても。
慣れない。
ただ、その一言に尽きた。
王妃。
いずれは、ということはわかってはいても、まさかこれほど急にだなんて思ってもみなかった。
少なくともあと数ヶ月は先だとばかり思っていたのだから。
だが。
昨夜、僕は書類に署名した。
陛下……リア様との、婚姻に関する書類だ。
つまり僕はもうすでにリア様の妃となっている。
婚姻式やお披露目こそまだだけれども、少なくとも書類上では、僕はリア様の正妃。つまりフィアリュス王国の王妃なのだ。
否、さっそくとばかり閨も共にして、あれほどまでに愛されたのだから、きっと名実ともに、と言ってもいいのだろう。
だからこそ臆してはならないのだと、侍女は咎めているのである。
「昨日の今日ですから、今はまだ戸惑われておいででしょう。徐々に、で結構です。ですが、こういったことぐらいは、当たり前として受け止められるようになられませんと」
困ったようにそう続けた彼女は優しげで、だが僕はそこでそもそも、侍女にこのようなことを言われている自分を恥じた。
侍女は決して、僕の教育係などではないのだ。
彼女がどのような立場なのかはわからない。
だが、少なくとも僕に、こんなことを言うのは侍女としての領分を超えていることだろう。にもかかわらず口に出さずにはいられなかった。
それは彼女が僕の至らない態度を気にして、気を使ってくれたが故、僕を思ってくれてのもののはずだ。
証拠に彼女から注がれる眼差しはまるで小さな子供を慈しむかのよう、僕への思いやりしか感じられなかった。
僕はなんとなく気まずくなった。
少しだけ唇をかんで、ぎこちなく微笑む。
「そう、なんだ、ね……覚えておくよ、ありがとう」
きっとこの対応でいいはずだ。
その証拠に彼女は柔らかく微笑んで。
「ええ。ぜひそうなさってください」
やはり穏やかに、どこか満足そうにうなずいたのだった。
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