ヴァーチャル・ラブ ~いつもあなたを好きでした。~

楠瀬 飛鳥

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本編

先輩の告白

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唯が会社の先輩に強姦された、、、。
それは、残業で二人きりになった3つ上の先輩だったらしい。それも計画的に、、、。
唯のことが気になっていた先輩社員が、同期の女性社員に話をしていたらしく、夜に二人きりになるようにその女性の先輩社員が、環境づくりをした。その女性の先輩社員も『告るくらい』に思っていたらしいが、困った顔をした唯を見た男性の先輩社員、衝動的に唯に襲い掛かった。その後の詳細を唯は、淡々と僕に話している。

「もういい!」、「もう聞きたくない!」心が叫ぶ。チャットの画面に映し出される言葉が僕の心臓を抉る。目に熱いものがこみ上げてくる。自分が傷つく恐怖なのか、好きになってしまった唯を苦しめる相手への憎悪なのか、それとも、その時の唯の心の叫びを今、感じているのか、僕にはわからない。

例えようのない悲しみがこみ上げてくる。返す言葉が見つからない。

画面には「、、、、、。」しか、打てないのだ。でも、容赦なく、唯の報告は続いていく。
先輩に思うがままにされる唯が目の前に現れては、消える。唯にとってみれば、あったことを僕に話すことで、僕への想いを伝えてくれているんだ。ちゃんと聞かないといけない!でも、自然と画面から目を背けてしまう。文字を読むことがこんなにも、パワーを使うことなのか、、、。

全ての話し終えたのだろう。最後に

『以上』

の文字を最後に時間が止まった。

僕はなんと文字を打てばいいんだろう。その時間は、短くも長い。
何とか絞り出した言葉。

『ありがとう』
自分でもどうして、『ありがとう』だったのかわからない。ただただ、ここから逃げたい気分だった。

『ありがとうって、どういうこと?』
聞かれたくないレスが容赦なく画面に現れる。

『本当だったら、そんなことがあったら平常心ではいられない。でも、わざわざ僕に全てを話そうと思ってくれたのは、唯の決心だった訳で、僕はそれを真摯に受け止めないといけない!と思ったんだ。』

『そうなんだ。』

『そうなんだ。って、随分、他人事のことに言うんだね。』

『だって、起きてしまったことだし、訴えても、会社を辞めることになるだけだし。それに、さすがに“中出し”はされなかったから、、、まだいいのかと。 でも、凄く傷ついたけど、私が無防備だったのも良くなかったんだと反省してる。女の先輩には話をして状況が解ったんだけど、その女の先輩が会社に訴えるとは言ってた。そして、その女の先輩にも謝られて、私が泣きたいくらいなのに、先輩の方が泣いていた。だから、修にはそういう私を成長させて欲しいの。本当だったら言えないことだと解ったいるんだけど、修には聞いて欲しかった。』

この子は、冷めているのか、こういうことに無頓着なのか、僕にはわからない。僕が強姦されることはないが、こんなにも冷静でいられるものなのか、謎だった。

『わかった。もうこれ以上は聞かない。その代わり、ちゃんと僕たち、付き合おう!この中途半端な感じが、心に隙を生むと思うんだ。 いいね、会社には彼氏がいる!と公言しなさい。 順序は逆になるけど、近い内に僕は大阪に行って、本物の唯に逢う! いいね!』

『嬉しい。ありがとう。。。』

少し気が抜けるような、これが彼女自身の表現なのか解らないが、僕が告白をすることで互いに、さらに距離が縮まるのだと信じている。
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