ヴァーチャル・ラブ ~いつもあなたを好きでした。~

楠瀬 飛鳥

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本編

想い描く未来

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今日、唯の所にまたもやお邪魔モノが入荷した。

本当に唯の周りには、次から次へと僕と唯の邪魔をする奴が、こうも現れるものだと感心する。

そんなに僕と唯を引き離したいのか!
そうは、させないのだ!

そんな僕の気持ちが伝わったのか、唯からチャットの誘いが来た。
『やったね!』思わず、口をついた言葉だった。

秘密の箱をONする。二人の世界を作る部屋を早く作らないと。今日のチャットは、なんとも言えない幸せに包まれた。それは、唯の見た夢の話を聞いたからかもしれない。

唯の夢は、同棲している“僕と唯”の話だった。

玄関でジュニアくんと一緒に、僕を出迎える唯。きっと、ジュニアくんを抱きかかえた唯が、僕を発見して“にたっ~。”って顔で『おかえり!』って、言ってくれるのだろう。

この一言で一日の疲れも吹っ飛んでしましそうだ。僕は、当たり前のように唯とジュニアくんに『ただいま!』のキスをする。嬉しそうにいつもそうしているかのように、また僕のキスに答えるように、唯から僕にキスが返される。僕は、唯の肩に手をまわして「寒いから、部屋に戻ろう!」とか言いながら、エレベーターに向かうのである。今日の一日を唯に話ながら、エレベーターは、最上階で止まった。この部屋を選んだのも二人でだった。

『夜景の綺麗な部屋がいい。』僕のわがままお姫様の要望に答えて決めた部屋だ。

もうこの部屋に住んでどれくらいになるんだろう。すっかり、馴染んだ家具も当たり前のようにいつもの所に据えられている。変わらないのは、僕と唯だ。引っ越してきた日と少しも変わらない。先に帰った方が、ジュニアくんと共に出迎えるこの習慣も、、、。

『飯、食べた?』
唯の問いかけに『会社で食ったよ。唯は?』『私も食べたよ。じゃ、風呂でも入ってさっぱりしたら。私、ジュニアと遊んでる。タオルは、新しいの出してあるよ』
唯の促しに何の疑問も感じない。スーツを脱ぎ、下着姿で風呂場に向かった。いつものように身体を洗っていると唯とジュニアくんの楽しそうな声が聞こえる。その声で幸せな気持ちが倍増する。僕は一人じゃない、家族がいる。

『唯ぃ~、頭洗ってくれない?』
僕もジュニアくんに負けじと唯に甘えてみた。

『う~っん、今行く~。』
唯が、風呂場に入ってきた。僕は、シャンプーを唯に渡す。
もう、手慣れた唯の手が僕の頭をマッサージしてくれている。その間も二人で今日あった出来事を話しているのだ。
『は~い、流すよ。こっち向いて目つぶって。』
唯に泡を流してもらっている間、目を閉じていたが、『もういいよ。』の唯の言葉で目を開けた。唯のルームウエアが、目に飛び込んでくる。

なんで、僕は何も着てなくて、唯は、、、、。

僕の悪戯心に火はついた。唯の持っていたシャワーのコックを取り上げ、唯に向けた。
『だめだよ~、濡れちゃうじゃ~ん。』
そんな唯の大きな声もしったこっちゃない。
全身に目掛けて、シャワーを浴びせた。
『やったな~、修!』
唯が、はしゃぎながら、僕の首を締めに手をのばし近付いてきた。子供のような顔で、懸命に僕に向かってくる唯の顔をみている内に、『唯って、やっぱ、可愛いな。唯と暮らせて、僕、本当に良かった。』本心から出た言葉だった。しかし、唯はその言葉に反応して照れくさそうに45度に上がった口を尖らせている。

『修、、。私も、修とこんなことが出来るの幸せ、、。』
『唯、こっちおいで。』

二人はそっと唇を合わせてお互いの気持ちを無言で伝え合う。いつもと違う場所で見る唯の顔。

共鳴する二人の声。

『唯、唯が望めば、この幸せはいつまでも続くんだよ。』
『解ってる。』
唇から、振動で伝わるお互いの声がサラウンドしていく。その後、僕たちの風呂場は、異常なまでの熱気に包まれていったのであった。
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