17 / 33
第17話【デリートマンの友達⑧】
しおりを挟む
「雨の日は、暇だな」
店のカウンターから外の雨を見ながら、麻里はぽつりとつぶやいた。
平日でも夕方に店を開けてしばらくすると一人、二人とお客がきて、9時を回るころには賑わっているのだが、この日は雨ということもあって、7時を少し回った今でも、お客は一人もきていなかった。
しかし、麻里は雨が好きだった。いや、正確に言えば好きになっていた。計画を実行した、あの日から。
あの日、計画はうまくいき、すべてが思い通りになったが、まだ、心のどこかで不安を感じる自分がいた。
(ひょんなことから、ばれるのではないだろうか)
そんな不安が、常にあった。しかし雨は不思議と、自分の残した痕跡、正確には、自分達の残した痕跡を、消してくれるような、そんな気がした。
(まさか、こんなにうまくいくとは思わなかった)
1年経った今でもそう思う。正直なところ、計画は穴だらけのように思えた。
(うまくいけばいいな)
くらいに考えていた。仮にうまくいかなかったとして、旦那から問いつめられるようなことがあったとしても、いくらでも言い逃れできる気がしていた。何せ、直接手を下すわけではないのだ。それが、こんなにうまくいくとは。
計画を思いついたのは、偶然だった。
(ほんとに偶然だったな)
麻里は外の雨をみながら、ぼんやりとその時を思い出した。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
その日、麻里は一人で飲みに出ていた。旦那の気持ちが変わらないことに、むしゃくしゃしていた。お店の改装を反対されたあの日、今は反対しているが、ダメな旦那だ。横で猫なで声を出していれば、また以前のような気持ちに戻るだろうとたかをくくっていた。
ダメ旦那は、私が好き勝手に生活してても何も言ってこない。その生活に満足していたし、後は自分の好きなお店を持つだけでよかったのだ。それには、旦那の気持ちが戻るのが一番手っとり早い。ここまできて離婚になり、また一からなど考えられなかった。
しかし、旦那の気持ちは変わらなかった。
「お前が店を変えるんやったら、離婚や」
今でもこう言われていた。
(くそ、なんでよ。そもそも、あの常連客、田坂が余計なこと言うからこんなことに)
店のカウンターで、ウイスキーロックを一気に煽った。
(旦那、消えてくれないかな)
初めて、そう思った。そのとき、
「ええ飲みっぷりやなぁ」
と、声が聞こえた。見ると、カウンターの離れた席から男がこちらを見て笑っていた。
自然と微笑み返した。それから流れで、その男と一緒に飲むことになった。男はいかにも遊んでそうな雰囲気で、話も面白く、酒も強かった。
意気投合し、二件目へ行き、そして、その日はそのまま男の家に泊ったのだ。
これまでも何回かこういうことがあったが、男についていくのは、好みとかよりも、その日の気分が大きい。特にむしゃくしゃしてる時などはついて行くことが多いのだが、この日の気分は言うまでもない。
朝になって目を覚ますと、横にいる男が仰向けの状態のまま、手を天井へ伸ばしていた。手の先にはリモコンのようなものが握られていた。
「何してるの?」
と聞くと、
「鬱陶しいやつをな、撃退してんねん」
ということだった。どういうことか尋ねてみると、そのリモコンのようなものは、超音波を発生させる発信機で、これを受け続けると気分が悪くなったり、体に不調が出ることがあるとのことだった。
マンションの上のやつがうるさくてむかつくから使っているとのことだったが、実際に体に不調が出はじめているらしい。興味をもったので詳しく聞いてみると、
「こんなん、売ってないけんけどな、日本橋で部品揃えたら作れんねん。ツレに電子工作得意なやつがおってな。作ってもらってんけど、効果覿面やったわ」
大阪の日本橋界隈は、東京でいう秋葉原のような街である。パソコンや周辺機器はもちろん、電子基板からICチップのような細かな部品ま取り扱っているお店が多く、電子工作に必要な部品はなんでも揃う。
「体に悪いの?」
「おれ、アホやから詳しい事はわからんけど、何か、めっちゃ高い周波数出すねんて。ほんでな、これはそこまでやないらしいねんけど、周波数をさらに高くしたら、脳にダメージとか、心臓麻痺とかもおこせるかもしれんってツレは言うてた」
「え?」
自然と声が出ていた。
(心臓麻痺?)
「それって、例えば心臓のペースメーカーとかつけてる人の近くで使ったりしたら、ペースメーカーが誤作動したりとか、心臓に悪かったりする?」
「そらそやろ。だって、電車でも携帯切らなあかん車両あるくらいやで。これ、携帯どころの騒ぎやないもん。心臓悪い人の近くで使ったら心臓止まるんちゃう?知らんけど」
(使えるのではないのか?)
瞬間的にそう思っていた。これだったら、証拠を残せず、消えてもらえるのではないのか。
離婚という選択肢はない。ここまで来たのだ。だったら、消えてもらうしかないのではないのか。
「それ、ちょっと貸してもらえるかな?」
「なんや、お前も近所に鬱陶しいやつおんのか?」
「鬱陶しいって言うより、消えてほしいやつかな」
「何や、死んでほしいってこと?穏やかやないな。誰や」
「旦那」
笑って言ってみた。この男は頭が悪い。もしかすると、面白がって貸してくれるかもしれない。いや、ひょっとすると、手を貸してくれるかも。予想した反応でなければ、冗談で済ませればいい。
「おもろそうな話やな。ちょっと聞かせてくれや」
思った通りだ。麻里は、男に一通り説明した。
「なるほどな。それで、これを使って心臓発作に見せかけて殺すんを思いついたんか。おもろそうやないか。そやけど、ほんまにやるなら、これを作ったツレも仲間に入れよう。そいつ頭ええから、ちゃんと作戦を考えてくれるはずや」
その意見には賛成だった。自分でもうまい作戦を思いつかないし、目の前にいる見るからに頭の悪そうなこの男から良い考えなど浮かぶはずがない。
「その人、大丈夫。あなたが大丈夫なのは、何となくわかるけど」
「大丈夫や。秘密は守れるやつや。それに、『自分の作ったもんで人を殺してみたい』みたいなこと言うとったし、喜ぶと思うで」
類は友を呼ぶ。
いくら頭がよくても、根っこの部分ではそのツレもこの男と同じなのかもしれない。利用させてもらおう。
「その人に聞いてもらえるかな?」
「ええよ、聞いてみたるわ。ただ、手伝うのには条件があんで」
男が上に覆いかぶさってくる。
「なに?」
「週に1回は、ウチに泊りにきてや」
「週に1回でいいの?来れる日は、全部くるよ」
男をきつく抱きしめる。
(この躰が気に入ったなら、存分に抱かせてあげる。そのかわり、その分はしっかり働いてもらう)
男が投げ捨てた周波数発信機を見て、麻里は笑った。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
(あの出会いが、人生を変えてくれたな)
なんてことない、ただのバカナンパ男だったけど、そのバカナンパ男には感謝している。
ただ、調子に乗りすぎだ。今でも恩着せがましい。この店に飲みに来ては、当時のことをちらつかせ、たまに飲み代を払っていかない。最初のうちは安いもんだと思っていたけど、半年以上続くと、さすがに腹が立ってくる。
そろそろ、本気で「いいかげんにしろ!」と言ってやろうと思っていた。あいつらは、こういう暇そうな日によく来る。おそらく、他にお客がいないと、人前で話しづらい話を、気を使わずに話せるからだろう。
(今日きたら、言ってやる)
そう思ったとき、入り口のドアが開いた。
(よし!今日は言ってやろう!)
「あんたら…」
「麻里ちゃん。お久しぶりやね。元気にしとったかな。あれ?忘れられたかな」
全身が固まった。二度と会いたくないと思っているほど、嫌いな人間を忘れるはずがない。
「田坂さん、お久ぶりです」
声が震えているのが自分でもわかった。
(今さら、何をしに来た)
不安になる。でも、大丈夫だ。もう、1年も経っている。残っている痕跡は、何もない。大丈夫だ。
(今日が、雨でよかったな)
外を見る。今さら天気など関係ないが、少し、気が楽になる。
「カウンター、いいかな?」
そう言う田坂に、少しの間返事ができなかった。
自分の味方だと思っていた雨が、止んでいた。
店のカウンターから外の雨を見ながら、麻里はぽつりとつぶやいた。
平日でも夕方に店を開けてしばらくすると一人、二人とお客がきて、9時を回るころには賑わっているのだが、この日は雨ということもあって、7時を少し回った今でも、お客は一人もきていなかった。
しかし、麻里は雨が好きだった。いや、正確に言えば好きになっていた。計画を実行した、あの日から。
あの日、計画はうまくいき、すべてが思い通りになったが、まだ、心のどこかで不安を感じる自分がいた。
(ひょんなことから、ばれるのではないだろうか)
そんな不安が、常にあった。しかし雨は不思議と、自分の残した痕跡、正確には、自分達の残した痕跡を、消してくれるような、そんな気がした。
(まさか、こんなにうまくいくとは思わなかった)
1年経った今でもそう思う。正直なところ、計画は穴だらけのように思えた。
(うまくいけばいいな)
くらいに考えていた。仮にうまくいかなかったとして、旦那から問いつめられるようなことがあったとしても、いくらでも言い逃れできる気がしていた。何せ、直接手を下すわけではないのだ。それが、こんなにうまくいくとは。
計画を思いついたのは、偶然だった。
(ほんとに偶然だったな)
麻里は外の雨をみながら、ぼんやりとその時を思い出した。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
その日、麻里は一人で飲みに出ていた。旦那の気持ちが変わらないことに、むしゃくしゃしていた。お店の改装を反対されたあの日、今は反対しているが、ダメな旦那だ。横で猫なで声を出していれば、また以前のような気持ちに戻るだろうとたかをくくっていた。
ダメ旦那は、私が好き勝手に生活してても何も言ってこない。その生活に満足していたし、後は自分の好きなお店を持つだけでよかったのだ。それには、旦那の気持ちが戻るのが一番手っとり早い。ここまできて離婚になり、また一からなど考えられなかった。
しかし、旦那の気持ちは変わらなかった。
「お前が店を変えるんやったら、離婚や」
今でもこう言われていた。
(くそ、なんでよ。そもそも、あの常連客、田坂が余計なこと言うからこんなことに)
店のカウンターで、ウイスキーロックを一気に煽った。
(旦那、消えてくれないかな)
初めて、そう思った。そのとき、
「ええ飲みっぷりやなぁ」
と、声が聞こえた。見ると、カウンターの離れた席から男がこちらを見て笑っていた。
自然と微笑み返した。それから流れで、その男と一緒に飲むことになった。男はいかにも遊んでそうな雰囲気で、話も面白く、酒も強かった。
意気投合し、二件目へ行き、そして、その日はそのまま男の家に泊ったのだ。
これまでも何回かこういうことがあったが、男についていくのは、好みとかよりも、その日の気分が大きい。特にむしゃくしゃしてる時などはついて行くことが多いのだが、この日の気分は言うまでもない。
朝になって目を覚ますと、横にいる男が仰向けの状態のまま、手を天井へ伸ばしていた。手の先にはリモコンのようなものが握られていた。
「何してるの?」
と聞くと、
「鬱陶しいやつをな、撃退してんねん」
ということだった。どういうことか尋ねてみると、そのリモコンのようなものは、超音波を発生させる発信機で、これを受け続けると気分が悪くなったり、体に不調が出ることがあるとのことだった。
マンションの上のやつがうるさくてむかつくから使っているとのことだったが、実際に体に不調が出はじめているらしい。興味をもったので詳しく聞いてみると、
「こんなん、売ってないけんけどな、日本橋で部品揃えたら作れんねん。ツレに電子工作得意なやつがおってな。作ってもらってんけど、効果覿面やったわ」
大阪の日本橋界隈は、東京でいう秋葉原のような街である。パソコンや周辺機器はもちろん、電子基板からICチップのような細かな部品ま取り扱っているお店が多く、電子工作に必要な部品はなんでも揃う。
「体に悪いの?」
「おれ、アホやから詳しい事はわからんけど、何か、めっちゃ高い周波数出すねんて。ほんでな、これはそこまでやないらしいねんけど、周波数をさらに高くしたら、脳にダメージとか、心臓麻痺とかもおこせるかもしれんってツレは言うてた」
「え?」
自然と声が出ていた。
(心臓麻痺?)
「それって、例えば心臓のペースメーカーとかつけてる人の近くで使ったりしたら、ペースメーカーが誤作動したりとか、心臓に悪かったりする?」
「そらそやろ。だって、電車でも携帯切らなあかん車両あるくらいやで。これ、携帯どころの騒ぎやないもん。心臓悪い人の近くで使ったら心臓止まるんちゃう?知らんけど」
(使えるのではないのか?)
瞬間的にそう思っていた。これだったら、証拠を残せず、消えてもらえるのではないのか。
離婚という選択肢はない。ここまで来たのだ。だったら、消えてもらうしかないのではないのか。
「それ、ちょっと貸してもらえるかな?」
「なんや、お前も近所に鬱陶しいやつおんのか?」
「鬱陶しいって言うより、消えてほしいやつかな」
「何や、死んでほしいってこと?穏やかやないな。誰や」
「旦那」
笑って言ってみた。この男は頭が悪い。もしかすると、面白がって貸してくれるかもしれない。いや、ひょっとすると、手を貸してくれるかも。予想した反応でなければ、冗談で済ませればいい。
「おもろそうな話やな。ちょっと聞かせてくれや」
思った通りだ。麻里は、男に一通り説明した。
「なるほどな。それで、これを使って心臓発作に見せかけて殺すんを思いついたんか。おもろそうやないか。そやけど、ほんまにやるなら、これを作ったツレも仲間に入れよう。そいつ頭ええから、ちゃんと作戦を考えてくれるはずや」
その意見には賛成だった。自分でもうまい作戦を思いつかないし、目の前にいる見るからに頭の悪そうなこの男から良い考えなど浮かぶはずがない。
「その人、大丈夫。あなたが大丈夫なのは、何となくわかるけど」
「大丈夫や。秘密は守れるやつや。それに、『自分の作ったもんで人を殺してみたい』みたいなこと言うとったし、喜ぶと思うで」
類は友を呼ぶ。
いくら頭がよくても、根っこの部分ではそのツレもこの男と同じなのかもしれない。利用させてもらおう。
「その人に聞いてもらえるかな?」
「ええよ、聞いてみたるわ。ただ、手伝うのには条件があんで」
男が上に覆いかぶさってくる。
「なに?」
「週に1回は、ウチに泊りにきてや」
「週に1回でいいの?来れる日は、全部くるよ」
男をきつく抱きしめる。
(この躰が気に入ったなら、存分に抱かせてあげる。そのかわり、その分はしっかり働いてもらう)
男が投げ捨てた周波数発信機を見て、麻里は笑った。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
(あの出会いが、人生を変えてくれたな)
なんてことない、ただのバカナンパ男だったけど、そのバカナンパ男には感謝している。
ただ、調子に乗りすぎだ。今でも恩着せがましい。この店に飲みに来ては、当時のことをちらつかせ、たまに飲み代を払っていかない。最初のうちは安いもんだと思っていたけど、半年以上続くと、さすがに腹が立ってくる。
そろそろ、本気で「いいかげんにしろ!」と言ってやろうと思っていた。あいつらは、こういう暇そうな日によく来る。おそらく、他にお客がいないと、人前で話しづらい話を、気を使わずに話せるからだろう。
(今日きたら、言ってやる)
そう思ったとき、入り口のドアが開いた。
(よし!今日は言ってやろう!)
「あんたら…」
「麻里ちゃん。お久しぶりやね。元気にしとったかな。あれ?忘れられたかな」
全身が固まった。二度と会いたくないと思っているほど、嫌いな人間を忘れるはずがない。
「田坂さん、お久ぶりです」
声が震えているのが自分でもわかった。
(今さら、何をしに来た)
不安になる。でも、大丈夫だ。もう、1年も経っている。残っている痕跡は、何もない。大丈夫だ。
(今日が、雨でよかったな)
外を見る。今さら天気など関係ないが、少し、気が楽になる。
「カウンター、いいかな?」
そう言う田坂に、少しの間返事ができなかった。
自分の味方だと思っていた雨が、止んでいた。
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
思いを込めてあなたに贈る
あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる