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まったり地球での生活編
モフモフ怪談「廃病院の噂」(怪ノ逢)
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「むきゅむきゅ?」
受付カウンターの上。
受話器にボンボンを貼り付けて、ムー太は電話に出た。
「って、躊躇なしに出るのかにゃ!? そこは事前に、取ろうかにゃ、怖いにゃ、でもにゃ……みたいな葛藤があるべきじゃないかにゃ!?」
クロがツッコミを入れてきたが、電話に興味津々のムー太はスルーした。
しかし、受話口からは何も聴こえてこない。体を捻っていると口に当てた方のスピーカーから雑音らしきものが聴こえてきた。どうやら受話口と送話口を反対にしていたようだ。ムー太は了解して、受話器を持ち直すと、再度問いかけた。
「むきゅむきゅ?」
ちなみに補足しておくと、ムー太は「もしもし?」と言っているつもりである。
「ところで、どうやって受話器を持ってるにゃ? どうにも不自然に貼り付いているように見えるにゃ。そのボンボンは磁石か何かかにゃ?」
横合いから問いかけられたが、ムー太は電話に集中していたのでまたもやスルーした。少し、ほんの少しだけれどクロは寂しそうだった。
電話の向こう側では誰かがしゃべっているようなのだが、ザァーザァーという雑音が酷くて上手く聞き取れない。それでも懸命に耳を澄ましていると、か細い女の子の声がボソボソと聴こえてきた。
『寒い……すごく寒いの』
「むきゅう?」
寒い? 少女のいる地では雪でも降っているのだろうか。ちなみにムー太はモフモフなので、雪が降るほどの寒さでなければへっちゃらだ。
「にゃ、可愛らしい女の子の声にゃ。もしかして、まだ電気が通っているのかにゃ……それなら、間違い電話ということも有り得るにゃん」
三角の耳をピクリと立たせ、身を寄せるようにしてクロが受話口に顔を近づけてきた。おしくらまんじゅうするみたいに二つのモフモフはくっ付き合い、仲良く聞き耳を立てる。
『暗い……何も見えない。ここは寒くて暗くて……』
「にゃ、オマエは何を言ってるにゃ? 番号間違えてないかにゃ?」
『助けて……お願い。私をここから出して。でないと、私……』
「とつぜん助けてと言われてもにゃ。まず、オマエの居場所がわからないにゃ。それにオイラたちは今忙しくてにゃん。なんせ幽霊が出ると噂の廃病院に――」
言い掛けた言葉を呑み込み、クロがハッと目を瞠る。そして間髪入れる暇も与えず、受話口から少女のものとは思えない、どこか間延びした声が響いた。
『オ カ シ ク ナ ッ チ ャ ウ』
それは、ビデオ映像をスローモーションにした時のような、低く、くぐもった声だった。機械によって無理矢理に歪められ、本来あるべき姿から逸脱してしまった音階。男女の区別すら付かない程に低音の、それでいて地を這うような醜い声。直感的に誰しもがそこから不協和を感じ取り、警戒に身を硬くしてしまうようなそんな声だった。
しかし、心の優しいムー太は、そんな事よりもクロの態度に不満を持った。助けを求めてきた少女に対して、突き放すような物言いはあんまりではないか。
困っている人がいたなら、手を差し伸べてあげるべきだ。どうしたの、と声を掛けてあげるべきだ。そして出来る限り力になってあげるべきなのだ。そう、ムー太が困っている時に七海がしてくれたように。
そんな使命感に燃えるムー太は、不自然に歪んだ電話の声に恐れを抱くこともなく、またクロから反撃されることも恐れずに黒い背中をぽふぽふし続けた。クロは優しい猫だから、きっとわかってくれると思ったのだ。しかし、クロは途中で言葉を呑んだまま、押し黙ってしまっている。
「むきゅううう?」
不審に思い、固まったクロの視線の先を追ってみると、電話の液晶ディスプレイが目に入った。エメラルドグリーンに発光する小さな四角、その中に。
――内線。
と短く記されていた。
無論、一般家庭に馴染みのないその単語の意味をムー太は知る由もない。必然的に湧いて出た疑問に応えるようにクロが震える声で言った。
「内線っていうのはにゃ……」
「むきゅう?」
「同じ建物内……簡単にいうと、この病院の中から掛かってきた電話って事にゃ」
それはつまり、救援を送ってきた人物は、都合が良いことに病院の中にいるということを意味する。確かにクロの言う通り、どこにいるのかわからないようでは助けようもない。しかし、近場にいるというのなら話は別だ。
「むきゅう!」
「にゃんで嬉しそうなのかにゃー……」
いつの間にか、電話は切れていた。
通話終了の合図であるプープー音を発することもなく、受話器は完全に沈黙している。青緑に輝いていた液晶ディスプレイもその輝きを失い、灰色の画面には何も映されていない。静寂が身を寄せ合う白と黒のモフモフを包み込む。
「やっぱり、電気は通っていなかったんにゃ」
切れた電話線を爪の間に挟み、青ざめた顔でクロがぽつりと言った。
その時、院内のどこか近場で「チンッ」と音が鳴った。
小腹のすいていたムー太は、オーブントースターの音かと思い、辺りを念入りに見回した。けれど、パンの焼けるいい匂いは漂ってこないし、それらしきものも当然のことながら見当たらない。
体を捻っていると、ガコンという音が背後で鳴った。ムー太が振り向くのと、薄暗い室内に光が満ちるのはほぼ同時だった。
受付カウンターから向かって右手、少し奥へと入った所――先程まで壁だったはずの空間――に白く発光する小部屋が出現している。
「むきゅう?」
あれは隠し部屋だろうか?
もしかすると、助けを求めてきた少女はあの中に閉じ込められているのかもしれない。決断と同時に、ムー太は弾丸のように飛び出した。一メートル程の高さある受付カウンターから身を躍らせ、重力加速度を身に纏った球体は、流星の如きスピードで床に着地――びっくりするほど大きく跳ね返った。
「にゃ!? 待つにゃー!」
その後ろをクロが追うようにして付いてくる。
激しくバウンドして揺れる視界。手綱を握るのも困難な状況にありながら、それでもムー太は重心移動を駆使することで何とか曲がり角をターンした。しかし、安心するのはまだ早い。今度は左手に控える隠し部屋へと入らなければならない。もしも通り過ぎてしまえば、直線通路をどこまでも転がって行く羽目になるだろう。
高速に流れ過ぎる右の壁へ、自らの意志でバウンドさせた体を衝突させ、強制的に進路を変更。斜めに跳ねたサッカーボール大の体は、眩い光を放つ隠し部屋へと一直線に駆ける。
「にゃー!? 止まるにゃー!!」
その背――と表現していいものか怪しいところだが――を追いかけて、クロが必死に静止を呼びかける。その警告は耳に届いていた。しっかりと聴こえてはいるのだが、まるい体は急には止まれない。
そのまま隠し部屋へ突っ込むしか道はなく、狭い室内を四方八方に跳ね飛び回って停止する他なかった。幸い、柔らかいムー太は衝撃に滅法強い。被害と言えば、目を回したぐらいのもの。集中力が切れたので、【ヒーリング】は解除されてしまったが。
「むきゅう……?」
「早くここから出るにゃ! 絶対に罠にゃー!!」
目を回すムー太の耳元で、クロが何かを叫んでいる。天井には蛍光灯が据え付けられており、そこから燦々と輝く白色光が降り注いでいる。見慣れた人口の光に晒されて、ムー太は七海の部屋に帰ってきたのだと錯覚した。
自分の名を呼ぶ優しい声が聴こえた気がして……。
「むきゅう!?」
抱きしめて貰おうと飛び起きた。
しかし、そこは温かみのない空虚で寂しい空間だった。
狭い。二メートル四方ほどの小部屋。
天井に据えられた蛍光灯からの明かりに、暗闇に慣れていた目が眩む。
急かすように体を揺っていたクロの顔がすぐ目の前にあった。
「気がついたかにゃ? とにかく一度外に出るにゃ」
「むきゅう?」
改めて室内を見回す。
当然のこと人影はなかった。無論、助けを求めていた少女の姿もない。
壁には数字の書かれたボタンと「開」「閉」と書かれた二つのボタンが嵌め込まれている。似たような映像を、何かのテレビドラマで見たような気がする。
あれは確か、
「ぼーっとするにゃ! 電気が通ってるだけでも怪しさ全快にゃのに、狙い澄ましたようなタイミングでエレベーターが到着するなんて、絶対おかしーにゃー!」
そうだ。エレベーターという上下に移動する乗り物だ。
ムー太はもっとゆっくり内部を観察したかったけれど、クロが背中をぐいぐいと押してくるので仕方なく従うことにした。
未だに揺れる地面に体を立たせ、ぴょんぴょんと出口を目指そうとしたその時、ガコンという音と共にドアが勝手に閉まり始めた。
「むきゅう!?」
「にゃ!?」
慌てた二人は出口に殺到した。しかし、とっさに飛び出るにしては距離が開きすぎていた。結果、閉まった扉に鼻先を強打することとなり、ムー太は悶絶。クロは急ブレーキが間に合い無事である。
――閉じ込められてしまった。
ぽふぽふと扉を叩いてみるも反応はない。
ムー太が不毛なぽふりを続ける横で、クロが垂直にジャンプして「開」ボタンへ猫パンチを繰り出し、華麗に着地を決めてみせた。気取る様子もなく、しなやかな足運びのまま扉の前へと戻ってきたクロは、不服そうに嘆息した。
「やっぱり、ボタンを押しても駄目かにゃん。そんな気はしてたけどにゃ」
「むきゅう」
ムー太は隣に腰を下ろしたクロを不安そうに見つめた。自分のせいで閉じ込められてしまったから、怒っているのではないかと思ったのだ。それに閉じ込められている状況というのは、どうにも落ち着かない。
「さて、どうしたものかにゃ。玄関の自動ドアぐらいにゃら、破ることは可能なんだけどにゃあ。鉄の扉となると厳しいにゃん」
「むきゅう……」
「にゃ? 珍しく元気ないにゃ。まぁ、どうにかなるにゃろ」
元気付けるようにポンポンと肩(体の側面)を叩かれた。その心遣いが嬉しくて、ムー太はちょっぴり元気になった。
この状況を打破する手段として【フレンズゲート】の使用が考えられる。しかし、あれはムー太専用のゲートなので、他の生命体が潜ることは許されない。唯一の例外は、ムー太の持ち物と認識されている髪飾りぐらいなものだ。
もう一つの可能性としてマフマフに標準実装されている【斥力制御】という魔法がある。この魔法は力場を発生させることで、あらゆる物体を弾き返す防御壁として使うことが本来の用途である。これを目の前の鉄扉に向けて使用すれば、風穴を開けることができるかもしれない。
けれど、ムー太はこの【斥力制御】をボンボンに付いた汚れを払うための魔法としか認識していない上、そもそもそういう乱暴な解決策を好む性格ではないので、名案として閃くことはなかった。
ゆえに解決策は何も思い浮かばず、ムー太は困ってしまった。ふと、思慮に沈んでいた顔を上げると、先程まで視界に無かったはずのモノが目に入ってきた。
ボタンの並ぶ操作盤の前。すっと伸びた白く細長い足が二本、ムー太の視界に収まっている。少し視線を上げた先、今度は白いワンピースと無造作に伸ばされた長髪が視界に映る。漆黒に彩られた黒髪だ。膝元に垂らされた黒髪は、水に濡れたみたいに黒光りしている。両手はだらりと脱力し、姿勢はやや前傾。長すぎる前髪に隠れて、俯き加減の顔は死角となっていて見えない。
少女という雰囲気ではない。大人の女性のようだ。
「むきゅう?」
いつの間に乗り込んで来たのだろうか?
どこかに抜け道があるのかもしれない。
意見を求めて隣にいるクロへ視線を移す。
「むきゅう!?」
なんとクロは【お地蔵さんの術】を使用していた。それはそれは見事なもので、本物の石像と見紛うほどの出来である。微動だにしないのは勿論のこと、瞬き一つ挟まれないという徹底ぶり。これぞプロの仕事。本物の忍術というものだ。その完成度の高さにムー太は感心してしまった。
しかし、何故クロは【お地蔵さんの術】を使っているのだろうか。何か理由があるのかもしれないが、ムー太はもう人間に対して使う必要がない。だから、ボンボンをフリフリして女性に挨拶してみることにした。
「むきゅう」
「…………」
反応は無かった。ムー太はちょっぴり悲しい。
その場でポーンポーンと跳ねて気を引く作戦に出るが、これも無駄に終わる。
よく見れば女性は靴を履いておらず、素足のまま突っ立っている。そして、埃の積もった床を歩いて来たにしては、つま先から踝にかけて汚れが一切見当たらない。これではまるで、実体がないみたいではないか。
「むきゅう?」
妙である。
この世界に来てから、ムー太は女性からモテモテだ。黄色い歓声を浴びることはよくあれど、完全に無視されるなんてことは今までで一度も無かった。「ムー太のモフモフに興味を示さない女の子なんて、この世には存在しないのよ」とは七海の言である。とすれば、目の前の女性はこの世の者ではないということだろうか。
そこでムー太は閃いた。
「むきゅう!」
この女性はきっと幽霊なのだ!
一般人が瞬間的に達するであろう回答に、ムー太はうんと遠回りして寄り道までした挙句、頭をフル回転させることにより、ようやく辿り着くことができた。しかし、本人は至って真面目であり、その結論に大満足している。
ただ気になるのは、女幽霊がムー太に関心を示さないという点にある。コミュニケーションを取る気がないのか、あるいは取れないのか……後者だった場合、幽霊との交信は不可能ということになり、ムー太としてはとても残念だ。
熱い視線を注いでいると、女が動きを見せた。だらりと下がっていた右腕を緩慢な動作で持ち上げ、縦に並んだ数字のボタンへ人差し指を伸ばす。透明のボタンには「3」と書かれており、女の指が出っ張ったそれを押し込むと白い光が宿った。
次の瞬間、小部屋全体が小さく揺れた。そして浮遊する感覚が全身を覆い、空を飛んでいるような気分になる。部屋が丸ごと上昇していることに、ムー太は直感で気付いていた。
上昇はかなり長い間、続いた。体感で五分以上は経過しただろうか。経験の乏しいムー太には、その異常さがまるでわからない。
最後に床が小さく揺れて、エレベーターは停止した。
ガコンという音を響かせて、鉄の扉が横へスライドしていく。
お地蔵さんの術を解いたクロが、叫んだ。
「早くここから出るにゃ!」
また閉じ込められては敵わない。残念ではあるけれど、異論はなかった。速やかに脱出を果たしたクロに続いて、ムー太もぴょんと跳ねる。扉の前に陣取っていたということもあり、一回の跳躍で脱出することができた。
「一時はどうなることかと思ったにゃ……無事に出られて良かったにゃん」
「むきゅう」
お互いの無事を喜び合い、ムー太は嬉しそうに頷く。視線は自然と床へ。
と、そこで又しても奇妙なことに気が付いた。
「むきゅう?」
病室の並ぶ三階の廊下には、一階の待合室と異なりどういう訳だか塵一つ落ちていない。まるで入院患者が居た頃のように掃除は行き届き、磨き抜かれた石床は艶やかな光沢さえ放っているようだ。
光……?
そして今更ながらに気付く。エレベーター内の照明が差し込んでいたため気付くのが遅れたが、それとは別に廊下が薄っすらと明るいのである。それも赤色に。
「にゃ……窓の外を見てみるにゃ……」
ムー太から見れば天窓程の高さにある窓ガラスから、真っ赤な月が昇っているのが見えた。普段よく見るお月様とは、その色だけでなく、雰囲気までもが異なるように感じる。差し込まれる赤色光からは、嫌でも血の色を連想させられてしまい、さしものムー太も不安を感じずにはいられなかった。
「何だか様子がおかしいにゃ……黄色かった月がいつの間にか赤く染まっているのもおかしいにゃが、それ以前に、月とはあんなにも大きいものだったかにゃ?」
言われてみれば、毎夜目にするお月様よりも二回りほど大きく見える。先程から感じている圧迫感はそのせいなのかもしれない。
更によく観察してみれば、問題となっている月のサイズだけに留まらず、闇夜を照らす月明かりまでもが、普段の物と比べて強いようだった。
「まさか本当に異世界へ繋がっていた……とでも言うのかにゃ……!?」
「むきゅう!?」
ムー太が廃病院へやって来た目的の一つは、幽霊との交信方法を確立することにあったが、もう一つの目的は異世界を探索することにあった。
しかし、廃病院の三階が異世界だとするなら、思っていたのとは少し様子が違うようだ。ムー太は、地球にやって来た時がそうであったように、見たことのない文明世界が広がっていることを期待していたのだ。
ガコン。
背後から扉の閉まる気配が伝わってきた。廊下へと差し込んでいた蛍光灯の明かりが、その面積を減らしていく。逸早く反応したクロが、叫んだ。
「エレベーターがその入り口だったとするにゃら……マズイにゃ! 急いでエレベーターに戻るにゃ!!」
何やら不穏な雰囲気である。まだまだ好奇心は枯れていないけれど、危険があるのなら七海と一緒でなければ不安だ。かつては、邁進することしかできなかった魔物も、今では一時撤退を決断できるまでに成長していた。
「むきゅう」
言うが早いか、クロは踵を返した。ムー太も続く。が、
「――――!?」
「――――!?」
振り返った先、閉まりかけたエレベーターの扉をこじ開けるようにして、先程の女幽霊が出てきた。長い長い黒髪の隙間から二つの目が覗いている。怒気を孕んだ血走った目だ。それが大きく見開かれた瞬間、膝まで伸びた女の黒髪が、重力に逆らって持ち上がり始めた。陽炎のようにゆらゆらと、蛇のようにうねうねと、無数の黒髪がまるで生き物のように犇き蠢き合う。
障子を開くぐらいの軽い所作で鉄扉が横へ退けられると、女幽霊の全身から無尽蔵に湧き上がる負の感情が放たれた。
――憎悪、怨み、辛み、嫉妬、絶望……あらゆる悪意の集合。
本来、形を持たぬ思念の集合体が、しかし明確にそれだと認識ができるほど鮮明な形で、ムー太の全身を貫いた。無論、物理的外傷を負ったわけではない。が、ムー太を怯ませるには十分すぎるほどの威力があった。
恐怖で体が硬直する。ムー太は悪意を向けられるのがとっても苦手なのだ。だから怖いものを見ないようにボンボンで目を覆って防御の構えを取る。が、
「に、逃げるにゃー!」
「むきゅ!?」
叱咤激励するようにボンボンがばちんっと弾かれ、びっくりして飛び上がった拍子に金縛りが解けた。そのまま転がるようにして(比喩ではない)、ムー太は退却を開始したクロの背中を追う。
幽霊との鬼ごっこが始まった。
受付カウンターの上。
受話器にボンボンを貼り付けて、ムー太は電話に出た。
「って、躊躇なしに出るのかにゃ!? そこは事前に、取ろうかにゃ、怖いにゃ、でもにゃ……みたいな葛藤があるべきじゃないかにゃ!?」
クロがツッコミを入れてきたが、電話に興味津々のムー太はスルーした。
しかし、受話口からは何も聴こえてこない。体を捻っていると口に当てた方のスピーカーから雑音らしきものが聴こえてきた。どうやら受話口と送話口を反対にしていたようだ。ムー太は了解して、受話器を持ち直すと、再度問いかけた。
「むきゅむきゅ?」
ちなみに補足しておくと、ムー太は「もしもし?」と言っているつもりである。
「ところで、どうやって受話器を持ってるにゃ? どうにも不自然に貼り付いているように見えるにゃ。そのボンボンは磁石か何かかにゃ?」
横合いから問いかけられたが、ムー太は電話に集中していたのでまたもやスルーした。少し、ほんの少しだけれどクロは寂しそうだった。
電話の向こう側では誰かがしゃべっているようなのだが、ザァーザァーという雑音が酷くて上手く聞き取れない。それでも懸命に耳を澄ましていると、か細い女の子の声がボソボソと聴こえてきた。
『寒い……すごく寒いの』
「むきゅう?」
寒い? 少女のいる地では雪でも降っているのだろうか。ちなみにムー太はモフモフなので、雪が降るほどの寒さでなければへっちゃらだ。
「にゃ、可愛らしい女の子の声にゃ。もしかして、まだ電気が通っているのかにゃ……それなら、間違い電話ということも有り得るにゃん」
三角の耳をピクリと立たせ、身を寄せるようにしてクロが受話口に顔を近づけてきた。おしくらまんじゅうするみたいに二つのモフモフはくっ付き合い、仲良く聞き耳を立てる。
『暗い……何も見えない。ここは寒くて暗くて……』
「にゃ、オマエは何を言ってるにゃ? 番号間違えてないかにゃ?」
『助けて……お願い。私をここから出して。でないと、私……』
「とつぜん助けてと言われてもにゃ。まず、オマエの居場所がわからないにゃ。それにオイラたちは今忙しくてにゃん。なんせ幽霊が出ると噂の廃病院に――」
言い掛けた言葉を呑み込み、クロがハッと目を瞠る。そして間髪入れる暇も与えず、受話口から少女のものとは思えない、どこか間延びした声が響いた。
『オ カ シ ク ナ ッ チ ャ ウ』
それは、ビデオ映像をスローモーションにした時のような、低く、くぐもった声だった。機械によって無理矢理に歪められ、本来あるべき姿から逸脱してしまった音階。男女の区別すら付かない程に低音の、それでいて地を這うような醜い声。直感的に誰しもがそこから不協和を感じ取り、警戒に身を硬くしてしまうようなそんな声だった。
しかし、心の優しいムー太は、そんな事よりもクロの態度に不満を持った。助けを求めてきた少女に対して、突き放すような物言いはあんまりではないか。
困っている人がいたなら、手を差し伸べてあげるべきだ。どうしたの、と声を掛けてあげるべきだ。そして出来る限り力になってあげるべきなのだ。そう、ムー太が困っている時に七海がしてくれたように。
そんな使命感に燃えるムー太は、不自然に歪んだ電話の声に恐れを抱くこともなく、またクロから反撃されることも恐れずに黒い背中をぽふぽふし続けた。クロは優しい猫だから、きっとわかってくれると思ったのだ。しかし、クロは途中で言葉を呑んだまま、押し黙ってしまっている。
「むきゅううう?」
不審に思い、固まったクロの視線の先を追ってみると、電話の液晶ディスプレイが目に入った。エメラルドグリーンに発光する小さな四角、その中に。
――内線。
と短く記されていた。
無論、一般家庭に馴染みのないその単語の意味をムー太は知る由もない。必然的に湧いて出た疑問に応えるようにクロが震える声で言った。
「内線っていうのはにゃ……」
「むきゅう?」
「同じ建物内……簡単にいうと、この病院の中から掛かってきた電話って事にゃ」
それはつまり、救援を送ってきた人物は、都合が良いことに病院の中にいるということを意味する。確かにクロの言う通り、どこにいるのかわからないようでは助けようもない。しかし、近場にいるというのなら話は別だ。
「むきゅう!」
「にゃんで嬉しそうなのかにゃー……」
いつの間にか、電話は切れていた。
通話終了の合図であるプープー音を発することもなく、受話器は完全に沈黙している。青緑に輝いていた液晶ディスプレイもその輝きを失い、灰色の画面には何も映されていない。静寂が身を寄せ合う白と黒のモフモフを包み込む。
「やっぱり、電気は通っていなかったんにゃ」
切れた電話線を爪の間に挟み、青ざめた顔でクロがぽつりと言った。
その時、院内のどこか近場で「チンッ」と音が鳴った。
小腹のすいていたムー太は、オーブントースターの音かと思い、辺りを念入りに見回した。けれど、パンの焼けるいい匂いは漂ってこないし、それらしきものも当然のことながら見当たらない。
体を捻っていると、ガコンという音が背後で鳴った。ムー太が振り向くのと、薄暗い室内に光が満ちるのはほぼ同時だった。
受付カウンターから向かって右手、少し奥へと入った所――先程まで壁だったはずの空間――に白く発光する小部屋が出現している。
「むきゅう?」
あれは隠し部屋だろうか?
もしかすると、助けを求めてきた少女はあの中に閉じ込められているのかもしれない。決断と同時に、ムー太は弾丸のように飛び出した。一メートル程の高さある受付カウンターから身を躍らせ、重力加速度を身に纏った球体は、流星の如きスピードで床に着地――びっくりするほど大きく跳ね返った。
「にゃ!? 待つにゃー!」
その後ろをクロが追うようにして付いてくる。
激しくバウンドして揺れる視界。手綱を握るのも困難な状況にありながら、それでもムー太は重心移動を駆使することで何とか曲がり角をターンした。しかし、安心するのはまだ早い。今度は左手に控える隠し部屋へと入らなければならない。もしも通り過ぎてしまえば、直線通路をどこまでも転がって行く羽目になるだろう。
高速に流れ過ぎる右の壁へ、自らの意志でバウンドさせた体を衝突させ、強制的に進路を変更。斜めに跳ねたサッカーボール大の体は、眩い光を放つ隠し部屋へと一直線に駆ける。
「にゃー!? 止まるにゃー!!」
その背――と表現していいものか怪しいところだが――を追いかけて、クロが必死に静止を呼びかける。その警告は耳に届いていた。しっかりと聴こえてはいるのだが、まるい体は急には止まれない。
そのまま隠し部屋へ突っ込むしか道はなく、狭い室内を四方八方に跳ね飛び回って停止する他なかった。幸い、柔らかいムー太は衝撃に滅法強い。被害と言えば、目を回したぐらいのもの。集中力が切れたので、【ヒーリング】は解除されてしまったが。
「むきゅう……?」
「早くここから出るにゃ! 絶対に罠にゃー!!」
目を回すムー太の耳元で、クロが何かを叫んでいる。天井には蛍光灯が据え付けられており、そこから燦々と輝く白色光が降り注いでいる。見慣れた人口の光に晒されて、ムー太は七海の部屋に帰ってきたのだと錯覚した。
自分の名を呼ぶ優しい声が聴こえた気がして……。
「むきゅう!?」
抱きしめて貰おうと飛び起きた。
しかし、そこは温かみのない空虚で寂しい空間だった。
狭い。二メートル四方ほどの小部屋。
天井に据えられた蛍光灯からの明かりに、暗闇に慣れていた目が眩む。
急かすように体を揺っていたクロの顔がすぐ目の前にあった。
「気がついたかにゃ? とにかく一度外に出るにゃ」
「むきゅう?」
改めて室内を見回す。
当然のこと人影はなかった。無論、助けを求めていた少女の姿もない。
壁には数字の書かれたボタンと「開」「閉」と書かれた二つのボタンが嵌め込まれている。似たような映像を、何かのテレビドラマで見たような気がする。
あれは確か、
「ぼーっとするにゃ! 電気が通ってるだけでも怪しさ全快にゃのに、狙い澄ましたようなタイミングでエレベーターが到着するなんて、絶対おかしーにゃー!」
そうだ。エレベーターという上下に移動する乗り物だ。
ムー太はもっとゆっくり内部を観察したかったけれど、クロが背中をぐいぐいと押してくるので仕方なく従うことにした。
未だに揺れる地面に体を立たせ、ぴょんぴょんと出口を目指そうとしたその時、ガコンという音と共にドアが勝手に閉まり始めた。
「むきゅう!?」
「にゃ!?」
慌てた二人は出口に殺到した。しかし、とっさに飛び出るにしては距離が開きすぎていた。結果、閉まった扉に鼻先を強打することとなり、ムー太は悶絶。クロは急ブレーキが間に合い無事である。
――閉じ込められてしまった。
ぽふぽふと扉を叩いてみるも反応はない。
ムー太が不毛なぽふりを続ける横で、クロが垂直にジャンプして「開」ボタンへ猫パンチを繰り出し、華麗に着地を決めてみせた。気取る様子もなく、しなやかな足運びのまま扉の前へと戻ってきたクロは、不服そうに嘆息した。
「やっぱり、ボタンを押しても駄目かにゃん。そんな気はしてたけどにゃ」
「むきゅう」
ムー太は隣に腰を下ろしたクロを不安そうに見つめた。自分のせいで閉じ込められてしまったから、怒っているのではないかと思ったのだ。それに閉じ込められている状況というのは、どうにも落ち着かない。
「さて、どうしたものかにゃ。玄関の自動ドアぐらいにゃら、破ることは可能なんだけどにゃあ。鉄の扉となると厳しいにゃん」
「むきゅう……」
「にゃ? 珍しく元気ないにゃ。まぁ、どうにかなるにゃろ」
元気付けるようにポンポンと肩(体の側面)を叩かれた。その心遣いが嬉しくて、ムー太はちょっぴり元気になった。
この状況を打破する手段として【フレンズゲート】の使用が考えられる。しかし、あれはムー太専用のゲートなので、他の生命体が潜ることは許されない。唯一の例外は、ムー太の持ち物と認識されている髪飾りぐらいなものだ。
もう一つの可能性としてマフマフに標準実装されている【斥力制御】という魔法がある。この魔法は力場を発生させることで、あらゆる物体を弾き返す防御壁として使うことが本来の用途である。これを目の前の鉄扉に向けて使用すれば、風穴を開けることができるかもしれない。
けれど、ムー太はこの【斥力制御】をボンボンに付いた汚れを払うための魔法としか認識していない上、そもそもそういう乱暴な解決策を好む性格ではないので、名案として閃くことはなかった。
ゆえに解決策は何も思い浮かばず、ムー太は困ってしまった。ふと、思慮に沈んでいた顔を上げると、先程まで視界に無かったはずのモノが目に入ってきた。
ボタンの並ぶ操作盤の前。すっと伸びた白く細長い足が二本、ムー太の視界に収まっている。少し視線を上げた先、今度は白いワンピースと無造作に伸ばされた長髪が視界に映る。漆黒に彩られた黒髪だ。膝元に垂らされた黒髪は、水に濡れたみたいに黒光りしている。両手はだらりと脱力し、姿勢はやや前傾。長すぎる前髪に隠れて、俯き加減の顔は死角となっていて見えない。
少女という雰囲気ではない。大人の女性のようだ。
「むきゅう?」
いつの間に乗り込んで来たのだろうか?
どこかに抜け道があるのかもしれない。
意見を求めて隣にいるクロへ視線を移す。
「むきゅう!?」
なんとクロは【お地蔵さんの術】を使用していた。それはそれは見事なもので、本物の石像と見紛うほどの出来である。微動だにしないのは勿論のこと、瞬き一つ挟まれないという徹底ぶり。これぞプロの仕事。本物の忍術というものだ。その完成度の高さにムー太は感心してしまった。
しかし、何故クロは【お地蔵さんの術】を使っているのだろうか。何か理由があるのかもしれないが、ムー太はもう人間に対して使う必要がない。だから、ボンボンをフリフリして女性に挨拶してみることにした。
「むきゅう」
「…………」
反応は無かった。ムー太はちょっぴり悲しい。
その場でポーンポーンと跳ねて気を引く作戦に出るが、これも無駄に終わる。
よく見れば女性は靴を履いておらず、素足のまま突っ立っている。そして、埃の積もった床を歩いて来たにしては、つま先から踝にかけて汚れが一切見当たらない。これではまるで、実体がないみたいではないか。
「むきゅう?」
妙である。
この世界に来てから、ムー太は女性からモテモテだ。黄色い歓声を浴びることはよくあれど、完全に無視されるなんてことは今までで一度も無かった。「ムー太のモフモフに興味を示さない女の子なんて、この世には存在しないのよ」とは七海の言である。とすれば、目の前の女性はこの世の者ではないということだろうか。
そこでムー太は閃いた。
「むきゅう!」
この女性はきっと幽霊なのだ!
一般人が瞬間的に達するであろう回答に、ムー太はうんと遠回りして寄り道までした挙句、頭をフル回転させることにより、ようやく辿り着くことができた。しかし、本人は至って真面目であり、その結論に大満足している。
ただ気になるのは、女幽霊がムー太に関心を示さないという点にある。コミュニケーションを取る気がないのか、あるいは取れないのか……後者だった場合、幽霊との交信は不可能ということになり、ムー太としてはとても残念だ。
熱い視線を注いでいると、女が動きを見せた。だらりと下がっていた右腕を緩慢な動作で持ち上げ、縦に並んだ数字のボタンへ人差し指を伸ばす。透明のボタンには「3」と書かれており、女の指が出っ張ったそれを押し込むと白い光が宿った。
次の瞬間、小部屋全体が小さく揺れた。そして浮遊する感覚が全身を覆い、空を飛んでいるような気分になる。部屋が丸ごと上昇していることに、ムー太は直感で気付いていた。
上昇はかなり長い間、続いた。体感で五分以上は経過しただろうか。経験の乏しいムー太には、その異常さがまるでわからない。
最後に床が小さく揺れて、エレベーターは停止した。
ガコンという音を響かせて、鉄の扉が横へスライドしていく。
お地蔵さんの術を解いたクロが、叫んだ。
「早くここから出るにゃ!」
また閉じ込められては敵わない。残念ではあるけれど、異論はなかった。速やかに脱出を果たしたクロに続いて、ムー太もぴょんと跳ねる。扉の前に陣取っていたということもあり、一回の跳躍で脱出することができた。
「一時はどうなることかと思ったにゃ……無事に出られて良かったにゃん」
「むきゅう」
お互いの無事を喜び合い、ムー太は嬉しそうに頷く。視線は自然と床へ。
と、そこで又しても奇妙なことに気が付いた。
「むきゅう?」
病室の並ぶ三階の廊下には、一階の待合室と異なりどういう訳だか塵一つ落ちていない。まるで入院患者が居た頃のように掃除は行き届き、磨き抜かれた石床は艶やかな光沢さえ放っているようだ。
光……?
そして今更ながらに気付く。エレベーター内の照明が差し込んでいたため気付くのが遅れたが、それとは別に廊下が薄っすらと明るいのである。それも赤色に。
「にゃ……窓の外を見てみるにゃ……」
ムー太から見れば天窓程の高さにある窓ガラスから、真っ赤な月が昇っているのが見えた。普段よく見るお月様とは、その色だけでなく、雰囲気までもが異なるように感じる。差し込まれる赤色光からは、嫌でも血の色を連想させられてしまい、さしものムー太も不安を感じずにはいられなかった。
「何だか様子がおかしいにゃ……黄色かった月がいつの間にか赤く染まっているのもおかしいにゃが、それ以前に、月とはあんなにも大きいものだったかにゃ?」
言われてみれば、毎夜目にするお月様よりも二回りほど大きく見える。先程から感じている圧迫感はそのせいなのかもしれない。
更によく観察してみれば、問題となっている月のサイズだけに留まらず、闇夜を照らす月明かりまでもが、普段の物と比べて強いようだった。
「まさか本当に異世界へ繋がっていた……とでも言うのかにゃ……!?」
「むきゅう!?」
ムー太が廃病院へやって来た目的の一つは、幽霊との交信方法を確立することにあったが、もう一つの目的は異世界を探索することにあった。
しかし、廃病院の三階が異世界だとするなら、思っていたのとは少し様子が違うようだ。ムー太は、地球にやって来た時がそうであったように、見たことのない文明世界が広がっていることを期待していたのだ。
ガコン。
背後から扉の閉まる気配が伝わってきた。廊下へと差し込んでいた蛍光灯の明かりが、その面積を減らしていく。逸早く反応したクロが、叫んだ。
「エレベーターがその入り口だったとするにゃら……マズイにゃ! 急いでエレベーターに戻るにゃ!!」
何やら不穏な雰囲気である。まだまだ好奇心は枯れていないけれど、危険があるのなら七海と一緒でなければ不安だ。かつては、邁進することしかできなかった魔物も、今では一時撤退を決断できるまでに成長していた。
「むきゅう」
言うが早いか、クロは踵を返した。ムー太も続く。が、
「――――!?」
「――――!?」
振り返った先、閉まりかけたエレベーターの扉をこじ開けるようにして、先程の女幽霊が出てきた。長い長い黒髪の隙間から二つの目が覗いている。怒気を孕んだ血走った目だ。それが大きく見開かれた瞬間、膝まで伸びた女の黒髪が、重力に逆らって持ち上がり始めた。陽炎のようにゆらゆらと、蛇のようにうねうねと、無数の黒髪がまるで生き物のように犇き蠢き合う。
障子を開くぐらいの軽い所作で鉄扉が横へ退けられると、女幽霊の全身から無尽蔵に湧き上がる負の感情が放たれた。
――憎悪、怨み、辛み、嫉妬、絶望……あらゆる悪意の集合。
本来、形を持たぬ思念の集合体が、しかし明確にそれだと認識ができるほど鮮明な形で、ムー太の全身を貫いた。無論、物理的外傷を負ったわけではない。が、ムー太を怯ませるには十分すぎるほどの威力があった。
恐怖で体が硬直する。ムー太は悪意を向けられるのがとっても苦手なのだ。だから怖いものを見ないようにボンボンで目を覆って防御の構えを取る。が、
「に、逃げるにゃー!」
「むきゅ!?」
叱咤激励するようにボンボンがばちんっと弾かれ、びっくりして飛び上がった拍子に金縛りが解けた。そのまま転がるようにして(比喩ではない)、ムー太は退却を開始したクロの背中を追う。
幽霊との鬼ごっこが始まった。
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